外相危機感、普天間「白紙なら米の信頼失う」
岡田外相は11月5日夜、那覇市内で記者会見し、沖縄の米軍普天間飛行場移設問題について、「日米合意が実現出来ずに一方的に白紙に戻せば、信頼関係がなくなる。今の日米同盟の現状に非常に強い危機感を持っている」と述べた。 2006年に日米が合意した現行計画をめぐり、鳩山政権が見直しを進めているばかりか、鳩山首相が年内の決着を先送りする方針を固めたことに対し、米側が強く反発していることへの懸念を表明したものだ。(12月5日22時5分配信 読売新聞)
とっくに信頼を失っているのではないか?
岡田外相は、普天間移設問題が「白紙なら米の信頼失う」と危機感を訴えているが、アメリカの信頼は既に失われている。オバマ大統領が来日した際、鳩山首相はオバマ大統領に「トラスト ミー」と言ったと報道されたが、その後、鳩山首相が問題解決にリーダーシップを発揮した気配が無い。期待をもたせて其の都度、裏切るような発言をしてきた。アメリカ側は、鳩山政府を相手にしなくなりつつあるというのが実情だろう。鳩山政権の普天間移設問題に対する、その場しのぎで無責任な対応が目に余る。衆議院選挙直後の9月2日、「木枯らしが吹く頃は、日米は家庭内離婚か別居」になるだろうと予測したが、まさに危惧したとおりになった。
また、「小沢が支える鳩山政権 日米関係で行き詰まれば 小沢は逃げの手をとっくに打ってある」と記述したが、現在の小沢幹事長の姿勢は、予想したとおり鳩山政権から距離をとっている。
首相「グアムも検討」
4日、普天間飛行場の新たな移設先について米領グアムも一つの選択肢として検討する考えをあきらかにした。北澤防衛相が後日、グアムの基地を視察すると報道されている。
首相の発言のとらえ方が朝日新聞と読売新聞で違うので面白い。朝日新聞は、「グアム移転」の願望が強いのか、沖縄県民を煽りたいのか「グアムも検討」の文言を使っている。
今更、グアム島を移転先として検討するとは、無責任そのものだ。普天間飛行場の移設問題は、選挙前から民主党内で党の考えをまとめておくべきもの、また社民党、国民新党との連立を組む段階で連立政府としての結論をだしておくべきものだ。
日米間の閣僚の協議が難航し、沖縄県内で県外移設の声が強まるや移設先として「グアム島」を挙げるのは、迎合体質そのもので、首相として失格である。
ついに本音、中国の”代弁者”寺島実郎の入れ智慧か
沖縄の米軍基地を県外に移設するというのは、鳩山首相の持論のようである。首相のブレーンで中国の”代弁者”である財団法人日本総合研究所の寺島実郎の入れ智慧だろう。寺島実郎は、11月6日のTBSの「サンデーモーニング」で「東西冷戦が終了した」、「戦後60数年経ったにもかかわらず日本には、沖縄、横須賀、横田など多くの米軍基地が存在している」「(日米安保体制を)根本から見直す時期に来ている」という趣旨のことを発言していた。
「戦後60数年経ったにもかかわらず日本には、沖縄、横須賀、横田など多くの米軍基地が存在している」のは事実である。
「(日米安保体制を)根本から見直す時期に来ている」ことも同意する。
寺島は日本もドイツなど西欧と同じように基地を減らせ、従属から抜け出せという考えがあるのであろうが、ドイツ軍は、NATO域外のアフガニスタンに軍隊を派遣している。ドイツは、自国防衛の主役はドイツ自身であるとの当たり前の前提で国防体制を整備している。日本の鳩山政権は、国の防衛についての戦略もなければ政策も何もない。
東西冷戦が終了したのは、米ソ間、西欧とソ連の間である。アジアは欧米対ソ連の関係のような状況にはない。依然として中国、北朝鮮及びベトナムは共産党独裁の国である。経済的に相互依存の関係は強まったが、政治的にはまだまだ日本とは全く異質な体制が続いていている。しかも中国は超大国としての覇権を確立することが長期的目標であり、北朝鮮の核・ミサイルは日本を標的にしている。
寺島実郎は日中貿易に深く関わっているので、中国の脅威から目をそらしている。
優柔不断で草食系、ついに出した本音
普天間「新たな移転先」
読売新聞によるとこれまでに浮上した普天間飛行場の移転先は、日本本土の九州築城基地、新田原基地、関西国際空港、沖縄周辺の宮古島の隣の下地島、太平洋上の硫黄島グアムである。築城基地、新田原基地、関西国際空港及び下地島は滑走路があるが、米軍海兵隊の訓練に適した土地が無い。
沖縄の北部訓練場の近くの辺野古から移転する程のメリットが無い。しかも下地島の移転は、大陸近くへ移転となりアメリカは中国との関係を壊してでも移転することはないだろう。
グアム島の移転は、中国の軍備拡充、特に外洋海軍へ発展しつつある中国海軍や北朝鮮の核・ミサミサイルの脅威が無い場合の話で、非現実的である。米軍がグアム島へ撤退しても東アジアには、日本に対する脅威がないと考える寺島実郎的な考え方でない限り採用すべき策ではない。沖縄は、九州、台湾、上海などと等距離にある軍事的な要衝である。沖縄の米軍がグアム島へ後退すれば、この地域における有事の際に戦力投入の即応性を欠くことになり、日本が自力防衛の体制を構築しなければ南西諸島がいずれ中台の実効支配化に入ることを予期しなければならない。
民主党のインデクッス2008では、日本は「専守防衛に徹する」とか「沖縄の米軍基地の県外移設」を謳っているが、北朝鮮の崩壊など極東有事が生じないという保証はない。「新たな移転先」があれば、とっくに移転していただろう。
幻想にすぎない「東アジア共同体」に拘ってる
自民党政権時代に持ち上がっては消えた古証文のような「東アジア共同体」にこだわっているのも、寺島実郎の影響だろうか。共同体実現には中国の協力が鍵となるが、中国が日本と一緒に「東アジア共同体」を構築する意思は無い。中国に幻想を抱くのは、ドンキホーテのようなものだ。中国政府は、「反応しない」というのが結論のようである。中国としては、鳩山首相に好きなように言わせるが、ただ聞き逃すだけで、もっと先のことを考えている。アメリカと対等以上の中華支配の世界を目指している。日本など視界にないようである。
幻想のとりこ
「東アジア共同体」に同調する姿勢を見せながら、沖縄から米軍を排除し東シナ海を日中友好、”友愛の海”にしたいのが中国の狙いである。尖閣諸島は熟した柿が自然と中国の手に落ちるようにである。中国にすれば鳩山首相は、どこまでも“友愛”、“間抜け”にしか映らないだろう。
「友愛の海」
読売新聞09年9月30日(水)一面
それにしても鳩山首相は、ノー天気!
夫婦で「おとうと」の試写会へ、
多事多難、難問は人任せで、試写会に訪れた。「弟ともっといい関係になりたい」と言った。その弟も兄と同じく月々1500万円の”子供手当て”を貰っていたにもかかわらず晴天の霹靂のようなことを言っていた。いい関係、似たもの同士だ。
試写会へ、国家の難題より私生活を満喫!
老婆心 サイバーテロは常に予期すべきこと
東海道・山陽新幹線をパソコンや携帯電話から予約できるJR東海と、西日本 両社の会員制ネットサービス「エクスプレス予約」のシステムに11月3日午前10時ごろ、障害が発生し、予約や変更ができなくなった。これに伴い、紙の切符を使わず、自動改札機にタッチして乗り降りできる「EX―ICカード」も利用できなくなった。両社によると、午後1時ごろ復旧した。(12月3日20時1分配信 時事通信)
11月3日に東海道・山陽新幹線の「エクスプレス予約」システムに障害が発生した翌日の4日、西武鉄道の信号システムが故障した。鉄道のトラブルが2日続いて発生したのは、全く偶然だったのか。偶然、しかも2日連続で偶然に発生したというなら鉄道会社の不手際になるが、常日頃の点検・整備を怠り無く実施していて発生したトラブルであるならば、他国のサイバーテロを一応考える必要がある。国の安全保障・危機管理とはそういうものだ。
2日連続の鉄道のトラブル、何かヘンだ!
鳩山内閣の指導力の欠如、普天間問題、デフレにともなう景気対策、補正予算と来年度予算の編成や実母を“緊急”(?)に入院させなければ世論の目を反らせない鳩山首相個人の献金問題など、どれをとっても八方塞だ。鳩山個人が危機管理に追われながら夫婦で映画の試写会を楽しんでいるようでは、国の危機管理に関心を向ける余裕は全くないだろう。
“隙”があればそこを衝いて来る国が東アジアにある。グアム島移転は、暫くないと考えるべきだろう。
基地の返還は無くなった? 迎合体質の衆愚政治が破綻
普天間基地(沖縄県宜野湾市)移設問題で、連立政権の維持を目的としたために、年内決着が難しくなったが、日本という国家の生殺与奪の権を支配しかねない防衛体制を強く支えている米軍に代わる防衛体制を構築する覚悟と指導力が無ければ、日米対等どころか、日本の防衛もママならない。軍事についてド素人の首相と大臣が難問に翻弄されている。
13年かけてたどり着いた普天間基地移設の計画を白紙に戻すのは、普天間基地移設をご破算にすること、危険は除去できない。衆議院選挙で「基地の県外移設」を訴えて勝ったが、「県内移設、嘉手納へ統合」は模索したそぶりをした挙句に、それは出来そうにない、新たに「グアム島移設を検討」といい加減なことをいっている。移設計画が白紙になろうとしている。沖縄県民は、鳩山政権に翻弄され騙されたのだ。参謀である関係大臣が作戦計画を案出しても、どのような戦いを決断するのは、指揮官(=首相)である。指揮官は事に臨んで遅疑峻巡してはならない。指揮官が”選択”と”決断”ができなければ戦いにならない。親に多額の金を貰い何一つ苦労をせず、実母の勧めで政治家になっただけの人物に一国のリーダーになることを期待するのが間違いの元である。鳩山首相の誰にもよく思われたいという迎合体質は、最後は人の期待を裏切ることになる。鳩山政権の国民迎合、衆愚政治が破綻しつつある。経済の失政、個人献金もあり、いつ、鳩山辞任となっても不思議ではない。
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