ある劇を見て結構感動してしまった。胸が締め付けられるような。
泣きはしなかったけど、泣きそうになった。一人で見ていたら泣いてたかも。
満席だった。
でもこれを他人に言うのは結構恥ずかしい。「ああ、君はああいうのに共感するんだね」
とか思われそう。
ある物語に本は好きだけど、他人に本を勧めるのは好きでない、という人物が登場する。
その人物の気持ちはちょっとわかる。
その物語の名前も言わない。恥ずかしいから。
模範的なところで感動したり心打たれる場合は正直に言えるのだろう。
「坊ちゃんが好きです。弱きを助け悪をくじく竹を割ったような性格の主人公に共感します」
とか。
「坊ちゃんが好きです。出身によって人を差別し、すぐに暴力に訴える粗暴な主人公に自分を見た気分です」
だったら一生言わない方がいい。
書いていて気が付いたけど、自分がどんな人間が伝えたいときには逆に便利だな。
こういう劇を見てこう感じた、とかこういう本を読んでこう感じた、と言うのは
「自分はこういう場面ではこういう風に感じてそういう風に思う人間なんです」
という自己紹介なわけだ。
やはり美味しんぼが好きですはダメだな。