生産技術科の一日

設計・製図・加工・制御・・・メカニカルエンジニア達の記録。現在名・・・メカニカルエンジニア科

フリーソフトを使ったネームプレートの作成

2006年01月05日 | 2005
昨年当校で実施した一日体験学習で、生産技術科ではマシニングセンタによるプログラミングとネームプレートの作成というコースを実施しました。正味5時間の中で、加工とNCプログラムの作成に必要な基礎知識を理解してもらい、最終的にアクリル板のネームプレートを製作するという内容でしたが、自分の名前をNCデータ化するために使ったソフトについて紹介します。

一般的に加工図面からNCデータを生成するには、CAD/CAMソフトが用いられますが、安いものでも数十万、プロが使うものになると数百万という価格の物も珍しくありません。生産技術科にも一応CAD/CAMシステムはありますが、操作方法も複雑でとても一日で扱えるような代物ではありません。
このとき使ったソフトは、すべてフリーソフトでインターネットにつながる環境さえあれば誰でもタダで手に入れられ、しかも特定の機能に特化しているため操作方法もそれほど難しくありません。

全部で4つのソフトを使用します。
1.ペイント - Windowsに入っているお絵かきソフトです。
2.メモ帳  - これもWindowsに入っている簡単なワープロソフトです。
3.Cutting  - 画像データから加工データを生成するソフト。
4.NCVC    - できたNCデータをパソコン上でシミュレーションするソフト。このソフトは多機能でNCデータを生成するためのCAM機能も持っています。

それでは、これらのソフトでネームプレートのNCデータを作る方法を紹介します。まず、ペイント上で自分の名前をテキストで打ち込み、これを画像データ(bmp、jpeg)として保存します。
     paint.JPG
つぎに、Cuttingを立ち上げこのデータを読み込み、カットデータ出力でNCデータを生成します。Gコードファイルを作成しました。とメッセージが表示されればOK!
     無題2.JPG
これで、基本的なNCデータが作られました。本当にできているかを確認してみましょう。NCVCを起動しNCデータのファイルを読み込みます。
     無題3.JPG
画面左にNCデータが表示され、F5キーを押すと動きをシミュレーションできます。ただし、この状態ではX、Yの座標値データしかできてないので、このデータを即NC機械に入力して加工することはできません。後は、このデータをメモ帳でNCフライスやワイヤーカット向けに編集することが必要になります。そのためには、当然NCプログラムや加工の知識が必要になります。
参考までに、ネット上で手に入れた日本地図の画像情報をNCデータ化し、製作途中のミニCNCフライス盤にボールペンを取り付けて軌跡を描かせてみました。マシンが完成すればアクリル板に軽く掘り込む程度のことはできるでしょう。手前にあるのは同じプログラムをワイヤーカット用に編集して加工したものです。
     IMG_4529.JPG
     IMG_4530.JPG
以上、手抜きな説明で申し訳ありませんが、詳しい使い方は各ソフトのヘルプなどを参照してください。最後に、フリーソフトの決まりごとですが、ここで紹介したことはすべて自己責任で行ってください。