東洋環境分析センタ- 現場奮闘記

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陰イオン界面活性剤について 機器分析グループ

2012-08-11 | 技術部
こんにちは。
機器分析グループです。 
今回は、環境水、排水に含まれる陰イオン界面活性剤の分析についてご紹介したいと思います。
陰イオン界面活性剤とは、代表例として石鹸に含まれるもので、難しく説明すると水溶液中において分子の親水基が陰イオンとなっているものです。簡単に言うと、ある一定量存在すると泡立ちが発生し、生態系を脅かす水質汚濁の原因となる物質です。
それでは、陰イオン界面活性剤の分析の中から「メチレンブルー吸光光度法」について簡単にご紹介します。

【前処理】
1. 分液漏斗の中の水溶液をメチレンブルーで青く発色させます。

              メチレンブルー添加前(透明)
                      
 
              メチレンブルー添加後(青色)

2. 備操作として分析の邪魔になる物(夾雑物)をクロロホルムで抽出除去します。
これを2回繰り返します。(水層の洗浄です)
クロロホルム層が赤色から透明になります。

           洗浄1回目(クロロホルム層 赤)
                        

           洗浄2回目(クロロホルム層 透明)

【本操作】
3. ドデシル硫酸ナトリウム標準品(粉末)を正確に水で薄めて分析の基準にします。
4. 試料や標準液(検量線を作る為)を個々の分液漏斗の中に入れます。


5. メチレンブルーと界面活性剤の錯体をクロロホルムで抽出します。


6. 振とう機で激しく撹拌させます。


7. 別容器にろ過して、クロロホルム層を回収します。


8. 標準液と試料の抽出液です。 陰イオン界面活性剤の量に応じた青色を呈します。


9. 吸光度を測定します。

これで分析終了です。

以上のような流れで陰イオン界面活性剤の分析ができます。とても手間暇かかる分析ですが、美しいブルーがラボ内でも一際目を引きます。
私達の仕事が、環境保全や水質管理など、社会のニーズに少しでもお役に立つことにやりがいを感じながら、毎日一生懸命業務を行っています。