東洋環境分析センタ- 現場奮闘記

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油菓子の分析 九州ラボ 食品検査グループ

2011-04-12 | 技術部
油焼けした揚げ菓子を食べたことはありませんか。
油で揚げたお菓子(油菓子)は油脂を多く含んでいます。
油脂を多く含まない食品に比べ油脂が酸化されやすく、
取り扱いに注意が必要です。
そこで今回、食品に含まれる油脂の劣化についてお話します。

油の劣化具合をみる分析に、
「酸価」「過酸化物価」などがあります。
「過酸化物価」とは、油脂の酸化によって生成した
過酸化物の量を示します。
「酸価」とは、油脂中の劣化(揚げ油の熱劣化等)によって
生成した遊離脂肪酸の量を示します。


今回、イモケンピで酸価の分析をしました。


まず、砕いたイモケンピに、エーテルを入れます。

エーテルを入れると食品中の油を取り出す事ができます。

二時間冷暗所に入れ、溶液だけを取り出すと、
このようになります。



水を加えて洗浄、脱水すると、
このようになります。


さらにエーテルを除くと、これだけの油が取れました。


油を必要量採って分析したら、結果が出ます。


ポテトチップスなどは昔と違って、袋の中側に
アルミコーティングが施されています。
これも紫外線による油の劣化を防いでいます。

また、空気ではなく窒素を封入している商品もあります。
これも酸化防止のためです。
その他、酸化防止剤などが入っていたりして、
様々に商品の酸化防止がなされています。

家庭で料理に使っている油も同様に劣化(酸化)します。
劣化した油は体によくありませんので、
なるべく新しい油で料理しましょう。





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