江副 康成 鳥栖市の未来を語るブログ

鳥栖市議会議員として鳥栖市の未来に対する思いを語るとともに、その活動の様子を議会および議会外についてお知らせします。

鳥栖市庁舎を変える

2018-06-12 23:06:29 | 日記

お金に無頓着な甘い環境の中で多額の市民負担を気にせず建設に向けて走り出そうとしていた新鳥栖市庁舎建設。その鳥栖市庁舎建設の全容が固まってくる山場に差し掛かってきました。今回、少し長いですが、一般質問でのやりとりを掲載します。お時間が許せば最後までご覧ください。

 

鳥栖市市庁舎整備が基本計画から基本設計段階に進むにあたって

 

①    自民党鳥和会の江副です。今回は、初めに鳥栖市市庁舎整備が基本計画から基本設計段階に進むにあたって、そしてそれと関連して高齢者社会における交通弱者政策についての2項目を、通告に従い順次質問させていただきたいと思いますので、ご答弁よろしくお願いいたします。

 

さて、鳥栖市市庁舎整備は現在、基本計画から基本設計段階へと進んでいるのですが、基本計画にある総事業費65億円というのは、他市の例では合併特例債等を使った極めて有利な財源の手当てがあるケースが多いのに対して、鳥栖市の場合はその恩恵に預かれず、市民負担が大であり、甚だ高額だと言うしかありません。

そしていま大手設計事務所の選定が進んでいますが、今回の募集に当たり業務特記仕様書を公にされております。

その中で、

「基本・実施設計業務遂行に当たっては、基本計画を踏まえるとともに、可能な限り、イニシャルコスト及びランニングコストの縮減に努めるものとする」とあります。

総事業費65億円として示されたその意味合いと、「可能な限り、イニシャルコスト及びランニングコストの縮減に努めるもの」とする言葉の重み、つまり、これからでも事業費を削減したやり方をどこまで基本設計で求めていけるのか、まず、ご答弁を求めます。

以下の質問につきましては質問席より行います。

 

 

(答弁) 江副議員のご質問にお答えいたします。

本年2月に策定いたしました「鳥栖市市庁舎整備基本計画」でお示しした新庁舎整備に要する事業費につきましては、他市事例を参考とした現時点での概算ではございますが、

〇地質調査や設計など調査設計関連費用として約2.5億円

〇新庁舎の建物工事費用として約50億円

〇外構・解体工事費用として約10億円

〇備品等のその他費用約2.5億円

の合計約65億円を見込んでいるところでございます。

事業費につきましては、今後設計段階におきまして詳細なレイアウト、延べ床面積、構造、機能等を精査しながら、必要な機能は保ちつつ、できる限り事業費の縮減に努めてまいりたいと考えております。

また、鳥栖市市庁舎整備基本計画における5つの基本方針の1つに「機能的かつ経済的な庁舎」を掲げており、建設費・維持管理費・修繕費・解体費を含めたライフサイクルコストにつきましても配慮したいと考えております。

以上、お答えとさせていただきます。

 

②                「必要な機能は保ちつつ、できる限り事業費の縮減に努めてまいりたい」という事で、これからでも事業費を削減した方法で基本設計を求めることができるとのご答弁と承りました。

ここで、設計事務所に支払う設計費用はどのような積算になっていますか。基本設計の中で減額されても、新たな総事業費にかかわりなく最初の契約で額が決まると思っていいのでしょうか、ご答弁お願いいたします。

 

 

(答弁)江副議員のご質問にお答えいたします。

新庁舎の設計費につきましては、建築物の用途類型と床面積をもとに業務日人数を算定し、解体設計、外構設計、パース、各種申請等の追加業務を加えて算出しているところでございます。従いまして、総事業費から設計費を算出するものではなく、最初の契約で決まるものでございます。

以上、お答えとさせていただきます。

 

 

③                設計事務所に対してお支払する設計費につきましては総事業費に関係なく、最初の契約で決まります、というご答弁でした。基本計画にあります13,500㎡の市役所という事をベースに既に公募されていることから、これからの基本設計において、たとえ総事業費が減額となるような設計を求めても、また、延床面積が減少するような設計を求めても、設計事務所の設計料が減額されることはなく、事務所のモチベーションが下がるような契約ではないということが確認できました。過度の市民負担のない、かつこれから長きにわたって必要不可欠な、そして市民から建替えてよかったと言ってもらえるような庁舎設計を大いに期待したいと思います。

 

さて、議会運営委員会では5月初め連休明けに市庁舎建設をテーマとして埼玉県北本市と栃木県佐野市へ行政視察されました。

そして本定例会初日6月1日に議会に報告がありました。

北本市の新庁舎は基本計画作成時においても参考にされたところですが、ここは自主財源の比率が高く今回私が問題にしている鳥栖市のケースに近いところかと思います。

 

 

ここに北本市が作成されました「近年整備された庁舎の職員1人あたりの面積」という資料があります。引用するところのみ強調表示していますが、上から4段目の掛川市、そこの50.42㎡から、下から4段目のつくば市の24.62㎡まで倍近い違いがあります。そしてリストアップされた平均が34.03㎡の中に合って北本市は下限に近い25.62㎡となっています。この下限に近いというところが重要です。

なお、北本市は職員一人当たりの面積で比較検討されていますが、鳥栖市は市民一人当たりをベースに割り出しています。鳥栖市の指標の取り方は、より広い庁舎スペースを確保する傾向になります。

北本市は鳥栖市と同じく合併等例債を使えない自治体ですので、予算の使い方には厳しいものがあったとお聞きします。これを見ても鳥栖市はお金の使い方については全く能天気な感じがしてなりません。

 

もう一つ同じく北本市が作成された「近年整備された庁舎㎡当り建設費」を見てみます。最初にある茨城県行方(なめがた)市の258千円/㎡から下の方の富山県射水市の488千円/㎡までこれまた倍近い幅があり、平均が359千円/㎡の中にあって北本市は下限に近い269千円/㎡となっています。北本市は下限を取っています。

ここでも、建設費に対して厳しい姿勢が北本市には見られます。

鳥栖市はどういうお考えなのでしょうか。

先ほどの答弁からは、事業費は鳥栖市市庁舎整備基本計画における5つの基本方針に示された庁舎建設の姿を具現化するために真に必要不可欠な費用かどうか吟味し、ゼロベースで積み上げていくという事だと理解してよろしいのでしょうか。

 

(答弁)江副議員のご質問にお答えいたします。

先ほどお答えいたしましたように、新庁舎整備に要する事業費につきましては、他市例を参考に算出いたしました概算額でございます。

具体的な事業費につきましては、今後の設計段階において、「鳥栖市市庁舎整備基本計画」を基本とした上で、新庁舎の詳細なレイアウト、延べ床面積、構造、機能等について精査しながら、設計に取り組んでいく中でより詳細な事業費が算出されるものと考えております。

以上、お答えとさせていただきます。

 

 

④                事業費については再度これから詰めていくというご答弁でした。繰り返し他市例を参考にと言われていますが、そもそも置かれた条件が違う場合も多く、ましてやその中心値を取るとしたら例の取り方で如何様にも変わってきます。一歩踏み込んで、鳥栖市の置かれている状況にあった参考事例なのかどうか検証し、その上でどう取り組むのか、そのスタンスが問われているのだと私は強く思います。

 

こうはいっても基本計画ではさらりと総事業費65億円という数字を出されています。言うまでもなく健康スポーツセンターから熊本大地震を受けて急遽市庁舎建設へと舵を切りなおされました。健康スポーツセンターの約20億円から市庁舎65億円へと、大型事業が目白押しと枕詞のように言われる中で、さらりとした約45億円の財源の積み増しです。

この追加45億円への財源の手当ては、他の事業に影響することなく、確保されているのですか。ご答弁お願いいたします。

 

(答弁)江副議員のご質問にお答えいたします。

財源計画でございますが、平成29年1月に新たに創設された公共施設等適正管理推進事業債の「市町村役場機能緊急保全事業」を活用することといたしております。

この起債を活用して、総事業費65億円のうち約38億円を充てることと計画しているところでございます。

これ以外の約27億円につきましては、これまで積み立ててきました公共施設整備基金等、一般単独事業債、一般財源で対応したいと考えているところでございます。

今後、大型事業が控える中、新庁舎整備に係る事業費につきましては、できる限り経費縮減に努めながら、財政負担に十分配慮してまいりたいと考えているところでございます。

以上、お答えとさせていただきます。

 

⑤                約45億円の財源の積み増しという事に対して鳥栖市財政全般への検証はしたのか、しているのであればその検証結果を示してほしいとの質問でしたが、残念ながら本件についての言い訳のような答弁でした。

木を見て森をみず、ということわざがあります。部長の答弁は総事業費65億円については工面がついていますという事を言っているにすぎません。実はこれと引き換えに先送りになった健康スポーツセンター約20億円のときも、今回と同じように一部交付税の戻りが見込めて、そして財源の目途が立ちましたという説明を何度も何度もされていました。これが鳥栖スタイルになっては全体を睨んでそしてメリハリの利いた財政運営などできません。

 

私が問題にしているのは、その差額45億円が鳥栖市の事業に与える影響について、どのような検証がなされたのかです。借金できても返済があるわけであり、それが将来的に他の事業に影響しないわけがありません。

大きな木を植えることで、枯れたり、成長が止まったりする木も出てくるでしょうが、それでも森が豊かになります、という検証はなさっていないのではないかという疑念が私には残りました。

45億円のうち20億円は減額するぞという前提で事業を見直してみれば、また違った方法も見つかるのでなないかという強い思いが私にはあります。そしてまた減額してでもしなければならない急を要する事業が他にもあるのではないかとの思いもあります。

そういう気持ちで私はこの質問席に立たせていただいています。

 

二 新武雄市役所を先進地事例として

 

⑥                今回、6月議会に臨むにあたり、本年5月初め新しく生まれ変わりました武雄市役所の庁舎を見学させていただきました。

親切にしていただきました武雄市役所の皆さんに改めてお礼申し上げます。

一言で述べさせていただきますと、さすが武雄市という感想を抱きました。その中からいくつかの点についてご報告並びに質問させていただきます。

お手元に武雄市役所でいただきましたパンフレットを配布させていただいておりますので参考にしていただければと思います。

最後の4枚目、フロアのご案内・主な部署のフロア図を見ながら聞いてもらうと少しわかりやすいかもしれません。

一階正面入口より中へ進むと総合案内では女性4名がコンシェルジュとして庁内の案内をされていました。左手にはパンフレットには喫茶と書かれているところで高いカウンター越しに軽食や飲み物を販売されていました。同じ色で書かれた市民ホールは2階まで吹き抜けで、正面に大きなデジタルサイネージがありイベント会場にもなります。また、その奥のテナントにはパン屋さんが入っており、朝から多くのお客さんで賑わっていました。

階段はどこも健康を啓発するような造りであり、階段以外もいたるところに健康をテーマとした工夫がなされていました。そして各階フロア入口付近には鉄の扉があり、土日閉庁の時はその扉が閉まり、執務スペースと市民が集うスペースとが遮断されるとのことでした。

ここで、わかったのは、市民ホールや3階のトレインビューテラスが休日は市民の交流の場として使われることを、設計段階から考えられていたという事です。市民のための市役所であるからには、休日の施設利用の仕方にも当然配慮がなされるべきです。

この点鳥栖市はどのようにお考えですか。ご答弁を求めます。

 

(答弁)江副議員のご質問にお答えいたします。

昨年度実施いたしました「鳥栖市庁舎建て替えに関するアンケート」におきまして、庁舎に将来あったらよい機能として、

〇銀行・ATM

〇市民ギャラリーなどの交流スペース

〇地場産品(特産品)等の展示スペース

〇屋外に子供が遊べるような憩いの場

が上位の回答を得ており、市民が利用しやすいスペースに対するニーズが高まっているところでございます。

こうした市民の方の意見等を踏まえまして、基本計画におきましては、「市民が親しみやすい庁舎」を基本方針の1つに掲げ、実現するための取り組みとして、銀行ATM・売店・飲食機能等の「市民利便機能」の設置を検討することとしているところでございます。

また、1階ロビー付近に、多目的に利用できるスペースを設置し、市民ギャラリーや簡易な催しもの、選挙投票場所、臨時窓口などでの利用も計画しているところでございます。

閉庁時における市民の方の利用に関しましては、セキュリティの確保が必要となりますことから、今後の設計において、来庁者も利用可能なエリアや職員のみの利用エリアなど、時間や場所ごとのセキュリティゾーニングの検討を行い、その中で運用を判断してまいりたいと考えているところでございます。

以上、お答えとさせていただきます。

 

⑦                ご答弁有難うございました。しっかり具現化されるものと承りました。何れにしろ、多額のお金をかけての市庁舎建設ですから一年365日を通して施設稼働率が上がるようにはお願いいたします。また、鳥栖市は3万平米という広大な敷地の上に庁舎が建ちます。例えば大きな広場でスポーツや遊びを楽しむ市民の利用も想定した中で、市庁舎の休日利用の在り方も検討されてみてはいかがでしょうか。これは意見要望です。

 

次に、5階フロアに行ってみると、まだ入居はされていませんでしたが、武雄税務署が入るところとしてスペースが確保されていました。

鳥栖市もこの際、国や県の機関とその人材をおらが町の市役所に確保し、市民サービスに付加価値を付けるという事を考えなくていいでしょうか。ご答弁を求めます。

 

(答弁)江副議員のご質問にお答えいたします。

基本計画の策定を進めるにあたりまして、市民の方の利便性向上を図るために、国・県の機関に対し、市の新庁舎建設にあわせた入居可能性の調査を行ったところでございます。

国・県におかれましては、今回の市の庁舎整備スケジュールの中では建て替えを予定している施設がないことから、現時点では鳥栖市役所新庁舎への入居を検討することは困難な状況であるとの回答をいただいているところでございます。

今回の市庁舎整備では、庁舎内での新たな国・県機関への一部賃貸はございませんが、将来需要への対応も考えられるため、庁舎機能拡張や他の公共施設の整備が必要となった場合への対応が可能な屋外スペースの確保についても計画しているところでございます。

以上、お答えとさせていただきます。

 

⑧                既にそれに向けた動きもされていたとのご答弁でした。国・県の機関は色々ありますので、多角的に検討されてはいかがかと思います。特に鳥栖市は交通の要衝として位置づけられており、これからますますそれに相応しい整備を進めていかなければならないと我々は思っているのですから、国土交通省や佐賀県県土整備部関係の機関が鳥栖市役所の一画を拠点にご活躍いただければ有難いかなと私は思います。

 

さて3枚目中ほど上の方から見ていただければ、武雄市庁舎は延床面積8,645㎡、鉄筋コンクリート造6階建ての耐震設計となっており、本庁舎工事費は29億3,703万円で建てられています。

この武雄税務署に貸し出される5階の部分はどうしているかと尋ねましたら、家賃収入を得るようになっているそうです。よって、武雄市として最終的に負担するのは29億3,703万円の5/6程となり、実質的には約25億円で建てられていることになります。

また、武雄市は合併特例債を利用できる自治体なので、市民負担はまた少なくなります。

本当に立派な庁舎を賢く建てられていると感心しました。

 

皆さんがパンフレットを見てどういう印象を持たれるかわかりませんが、実際庁舎中を歩いて感じたのは、市民が行き来できるスペースが広くゆったりと感じるという事です。職員さんの執務スペースは各課が連続的にぎゅっと凝縮されており、かといって窮屈な感じはしません。また、低いカウンターのため、フロア全体が一望できますので、広く感じます。そして、オープンな会議スペースや区画された大中小の会議室、相談室が数多く用意されており、職員が必要に応じて必要な場所で移動しながら仕事をするようにできているなという気がしました。

 

 

それでは、次の質問に移ります。武雄市役所につくと、鉄筋コンクリート造にもかかわらず、パンフレットにありますように木材が多く使われているいう印象を受けます。市民ホール、プライバシーに配慮した衝立、屋外のテラスやウッドデッキなど、木のぬくもりや優しさを感じさせます。また、3階トレインビューテラスには屋外緑化が施され、四季折々の変化を感じさせる設計となっています。

鳥栖市はこの点について如何お考えですか、ご答弁を求めます。

 

 

(答弁)江副議員のご質問にお答えいたします。

市庁舎整備につきましては、市民の方がよく訪れるロビーや待合スペースなど、利用場所に応じて親しみやすく、地域産材の活用も含め温かみのある内装デザインを検討することとしているところでございます。

また、市民の方などの憩いの空間におきましては、緑化推進など外構デザインの工夫を図ることといたしております。

今後の設計におきまして、建物の外観、内部及び外部空間において、コスト面にも配慮しつつ、庁舎にふさわしいデザイン・空間づくりに努めてまいりたいと考えているところでございます。

以上、お答えとさせていただきます。

 

⑨                ご答弁有難うございました。鳥栖市は公共建築物等における木材の利用の促進に関する法律に基づき、佐賀県と共に国に倣い公共建築物等における木材の利用促進に関する基本方針を平成24年度に定めております。

この法律・基本方針によれば、鳥栖市は市役所のような公共建築物を建設するときには、木造化、内装木質化の推進を図っていくことを宣言しているのです。内装木質化については今のご答弁から折込済と伝わりました。

一方、木造化についてはなお厳しい状況なのでしょうか。方針にもある公共建築物における木造化の参考となる具体例として、民間ではありますが、佐賀市にあります松尾建設の新本社ビルを見学させていただきました。ここではCLT工法という手法により木造建築物として骨格となる構造体から木で建設されていて見事な出来栄えでした。CLTの特性は、直交積層のため高い寸法安定性が得られます。松尾建設では210mmの厚みのある床を実際見せてもらいましたが、断熱性に優れ、大判のパネルとして利用することで、高い耐震性を確保することが出来ます。こうしたビルが増えると佐賀県の山も元気になるのにと思いました。市役所のような公共建築物への木材の使用は国の政策に沿った事業であるため、補助金等の後押しもあります。それに建設工期が大変短くて済むというメリットもあります。先駆的な取り組みではありますが鳥栖市は検討されましたでしょうか。木材利用の基本方針を定めた鳥栖市であるならば基本設計の中で比較検討はすべきと思います。本件への回答は後日またお聞きすることし、今回は意見要望といします。

 

それでは、ICTへの取り組みとそれを想定した設計についての質問に移ります。

皆さんご存知のように、武雄市はICT先進都市という事で全国的に知られた自治体です。執務スペースにはノートパソコンが多く見られ、会議等で別室に集まるときはそれをもって会議をすることを前提としているようにお聞きしました。

また、会議室は管理ソフトがあり誰でも利用状況を確認し、予約もできるようになっていました。

また、災害対策本部室は大きなモニターが据えられていて、警察、消防も入れるように、また外部との通信も確保されています。

そしてその隣には防災管理室があり、防災無線の他にも危険個所を常時モニターできる状況にありました。

これからICTの活用は避けて通れないところだとは皆さん思っておられると思います。ただ、行政情報は個人情報を始めセキュリティが高く要求されるものから、広報のように多くの人に届けるために取り込みやすくしなければならないものまで、その扱いに区別が必要です。以上ICTへの取り組みに関する質問4点、庁舎設計においてどのような考慮されていますか、併せてご答弁ください。

 

(答弁)江副議員のご質問にお答えいたします。

これまでの取り組みにつきましては、税や住民情報等の基幹系システムの充実や文書管理や財務、会議室や公用車の予約ができる内部情報系システムの充実に取り組むとともに、マイナンバー制度に対応したセキュリティ対策などにも取り組んできたところでございます。庁舎内のネットワークにつきましては、行政が取り扱うデータの重要性から有線でネットワークを構築しているところです。

また、通常業務では職員の多くはデスクトップパソコンを利用しておりますが、各種計画策定などの一部の会議においては、タブレットも活用しているところです。

防災に関しましては、MCA無線の整備や佐賀県の防災・安全・安心情報システムの活用など、ICTを活用した情報伝達にも取り組んでいるところです。

市民生活や行政を取り巻くICT環境は今後も進展をし続けるものと考えておりますので、新庁舎整備にあたりましては、市民サービスの向上や業務効率化を図っていく観点からも、今後のICT技術の進展に可能な限り対応できる施設整備を図ってまいりたいと考えております。

また、災害時の迅速かつ確実に指揮命令を行うために、防災情報・通信システムを備えた危機管理室を設置する計画でございます。

以上、お答えとさせていただきます。

 

 

⑩    ご答弁有難うございました。

答弁の中で、一部の会議においては、タブレットも現在活用しているとありました。6月定例会より本議会や委員会でもこのタブレットを持って我々議員は会議に臨むことになっています。執行部の皆さんも同じくタブレットを使用していただくと非常に助かりますけどねと思いながら聞いていました。

 

さて、「デジタルファースト」これを実現するための法案をこの秋の臨時国会にも提出するという事が報じられ、更なる電子行政への歩みが現実味を帯びてきました。原本は紙でという文化から原本はデジタルでという原則への大転換です。行政手続きの電子化です。

こうした大転換期に差し掛かったところで市役所建設に取り掛かる鳥栖市としては、デジタルファーストがもたらす業務の変革に可能なかぎり想像力を巡らして、少なくとも50年先まで使いづらくならないように努力しなければなりません。

 

私はロボット、AI、IoT、これがこれからのキーワードになるだろうと以前から議会でも取り上げてまいりました。そして現在、ロボット、AI、IoTこの言葉を聞かない日はないような状況になっています。

将棋の連勝記録を更新した当時中学3年生であった藤井聡太4段は、今はもう7段となっておられます。目覚ましい進化を遂げられています。藤井7段の強さの秘密はAI、人工知能を取り入れた練習方法で未知の局面に対しても鍛錬してきたことにあるといわれています。この藤井7段をシンボルとする藤井世代、この年代が18歳で成年になったとき、その平成33年春、鳥栖市役所が新しくなります。この世代が長く使う庁舎を今作ろうとしているのです。改めてICTを効果的に使える市役所の設計でなければならないと私は思います。

 

さて、武雄市役所3階にはソフトバンクのロボット、ペッパー君がありました。ペッパー君は日本語、英語、韓国語の3か国語を使って武雄市の観光案内ができるそうで、そのプログラミングを武雄の小中学生もしているそうです。そしてペッパープログラミング全国大会中学生の部で見事武雄北中学生の皆さんが金賞を受賞されました。また副賞としてし、何とシリコンバレーへの視察もあるそうです。

こう考えると武雄市役所の例は、そのまま鳥栖市でまねしてもいいのではないかと私は思ってしまいます。

 

ロボット、AI、IoT には、ICTに長けた世代こうした天才の磨きをかけるツールとしてから、私のような凡人にその足らざるところをサポートするためのツールとしてまで色々な使い方が模索されています。

ペッパー君が身近にいなくても、皆さんスマホを持たれている方は多いと思います。例えば、私のスマホ、iPhoneにはSiriというソフトが入っています。今何時ですかと聞くと10時30分ですと答えてくれます。この言語を日本語から英語に変えると、What time is it nowと英語で聞くと、It’s 10 30と英語で答えてくれます。

このように特定の言語を選択すると、世界中のどこかの国の言葉でコミュニケーションがとれる仕組みとなっています。

鳥栖市でも海外から来られている方々が年々増えています。

インバウンド、国として海外からの旅行者4000万人を目指すという中、鳥栖市のような地方都市でも海外からの旅行者は富をもたらしてくれるものとして積極的に取り組む必要があると思います。

紙からデジタルへの大転換となるデジタルファースト社会、そしてスマホを代表とするICTから構築されるデジタル文化において、より一層市役所でも働き方の改革を迫られています。それに相応しい市役所であるのか、再度の検証よろしくお願いいたします。

 

さて、市民の安心安全のための防災拠点、そのために市庁舎建設を急いだというのが今回の経緯です。災害時の迅速かつ確実な指揮命令を行うために、防災情報・通信システムを備えた危機管理室を設置する計画ですが、その目的達成のためには、鳥栖市としては先ずは市内一円から必要情報がいつでも集まる体制を構築しておくことが必要です。

これからIoT、コンピュータだけではなく個々の物まで繋いだインターネット、それにより役に立つ情報をいつでも収集できる体制が整備が重要です。安くて高性能なセンサーを使ったIoTの普及はすさまじいものがあります。現在数年に一度の交通量調査も24時間365日できる日が近いのかもしれません。そうした様々な情報が集まる仕組み、その情報を整理解析する仕組み、そして課題が見つかればそれに対応できる仕組み、そうしたことが住民に最も近くで、住民の安心安全のためにいま求められているのだと私は思います。

ここは意見要望という事で最後の質問項目、高齢者社会における交通弱者政策について、に移りたいと思います。

 

高齢者社会における交通弱者政策について

 

先ごろ、神奈川県で90歳の老女が車の運転、判断を誤り、人命を伴う大きな事故を発生させたニュースは、車社会で生きている我々の行く末の一つの悲しい結末として、皆さんも、暗澹たる気持ちになられたのではないかと思います。

今よりさらに安全なものへと進化し、そして成熟した車社会の構築はもう待ったが許されません。

これからの高齢者社会においては、それまで築いてきた交友関係を維持するためにも、今まで同様移動できる交通手段が必要です。そうした中で生活されてきた世代であります。

この問題、委員会でも取り上げられますが、ガラガラと空いたバスが走っているのをみていると空しくなります。やはり誰でもが利用しやすい公共交通機関へと改善・工夫がまだまだ必要です。いっそのこと誰でもタダでバスに乗れる「バスの日」を、毎日がバスの日とした方が健康な社会が維持できるのではと私は思ってしまいます。

 

そこで、私からまずは博多駅天神間の100円バスに倣って鳥栖市内はどこでも一律100円で乗れるようにしてはいかがと提案したいと思いますが、いかがでしょうか。そして、さらに鳥栖市民はその身分が確認できればいっそのことタダにする。とにかくまずはたくさん乗ってもらう事。多くの人に必要とされる乗り物にすることを検討すべきと思いますがいかがでしょうか。そしてもう一点、乗り合いであるが故、多少遠回りすることがあってもドアtoドアで乗り降りできるデマンドバスの導入が図られるべきだと考えますがいかがお考えですか。ご答弁を求めます。

 

(答弁)江副議員のご質問にお答えいたします。

 『鳥栖市地域公共交通総合連携計画』の策定から10年を迎えることから、今年度、『地域公共交通網形成計画』の策定に着手し、今後の公共交通のあり方について検討してまいります。

 計画の策定にあたりましては、利用実態やアンケート調査を行うなど、利用者及び地域のお声をお聞きしながら、鳥栖市地域公共交通活性化協議会でご議論いただき、公共交通の課題等について整理・検討を行ってまいります。

したがいまして、議員ご指摘の高齢者等の交通弱者対策の必要性も踏まえまして、計画策定の中で、本市の公共交通に関する課題・問題点を十分に見極めながら、持続可能な公共交通の実現に向け効果的な施策等の検討を行ってまいりたいと考えております。

以上、お答えとさせていただきます。

 

⑪    建設経済常任委員会ではこの問題につき委員会の総意として真摯に取り組んでいくことを確認しています。また先進地視察も予定しています。市民から負託を受け議会に送っていただいている我々ですから地域の声として耳を傾けていただき、鳥栖市地域公共交通活性化協議会と同様に我々の議論にも注目していただければと思います。よろしくお願いいたします。

 

それでは現在運行している路線バス及びミニバスの利用状況はどのように把握しているのかという基本的な観点から質問したいと思います。答弁願います。

 

 

(答弁) 江副議員のご質問にお答えいたします。

現在、路線バス及びミニバスの利用状況につきましては、毎月月報として路線毎に各運行事業者から報告を受けております。

報告内容につきましては、路線バスは、運行日数、延べ運行台数、運行便数、延べ走行キロ、輸送人員、1日当たりの平均利用人員になっております。

また、ミニバスにつきましては、運行日単位の利用者数、回数券利用者数、高齢者福祉乗車券利用者数、現金利用者数、回数券販売数について集計したものを報告いただいております。

 以上、お答えとさせていただきます。

 

⑫    答弁を聞いておりますと、ここに私には課題が見えてまいります。

それは、一月単位の固まった情報を、一月以上時間をおいた上で報告を受けること、また路線ごとに日に何人利用したかという塊でしか知りえない状態であるという事です。

これでは、きめ細かな対策、あるいはサービス向上はできません。

 

他市の例ですが、100円バス、市民には無料という政策を後押しするような社会実験が姫路市で今年の2月行われました。総務省の「公共交通分野におけるマイナンバーカードの利活用実現に向けた諸課題に関する調査研究」事業としてです。

マイナンバーカードはご存知のように利用がなかなか進んでいません。そこで、それを克服するために総務省の事業としてなされたものです。マイナンバーカードにはICチップがついていますが、ここを利用するサービスの一つでして、事前に市役所にバスを使いますという申請をしておく必要がありますが、その後は利用時の運賃支払いは市役所が責任をもってする仕組みとなっています。市民は負担なく安心してバスに乗ることができます。

マイナンバーカードを使う利点として、乗車するとき、下車するときマイナンバーカードをかざすだけで記録として残ります。それだけで、どこからどこに向かう何時の便で、どこから乗って、どこで降りたか一人ひとり記録されることになります。チリも積もれば山となるで、そのデータベースが路線バス、ミニバス、デマンドバスの運行内容の良し悪しをきめ細かく後々解析することに使うことができるようになるのです。もしそれがオンライン処理であれば瞬時にわかります。

またもし、どこかで交通が遮断されたとすれば、その影響を知る手段ともなり、可能な対策を取るための基礎的な情報ともなります。

鳥栖市が市民の安心安全のための防災拠点として市庁舎を作るのであれば、そうした災害情報と関連情報が集まるシステムの構築が必要です。

 

さて、私たちに近いところ、八女市で取り組まれているデマンドバスは既にこのレベルで情報管理されており、これにお客さんの属性、誰が乗るのか乗っているのかまで情報管理されているようです。

そして一歩進んだ使い方として考えられるのは、例えばこのデータベースをその時の気象データと重ね合わせれば、お天気がどのような影響をもたらすかが見えてきます。雨が予想されるときは玄関先まで来てくれるデマンドバスの需要が一気に高まるなど。また、市内のマップと重ねれば、どういった所の人々の足となり、どういう移動に使っているのかわかってきます。もちろん個人情報の扱い方には気を付けなければなりませんが、これからの超高齢化社会、そして社会で見守っていくためには合理的に有効に使っていくべきものだと思います。

小っちゃなビッグデータの活用かもしれませんが、それを見て次の交通政策の充実を図る。社会の変化に機敏に対応可能なスマート社会、その実現にはビッグデータの構築はできるところから始めなければなりません。

いま高齢者ドライバーの免許書返納が社会的課題となっていますが、それを受け入れるためにはその受け皿がなければなりません。鳥栖市として、路線バス、ミニバス、デマンドバス、その他利用出来るものは何でも利用して年をとっても移動しやすい環境にしていかなければなりません。市役所には一年に一回は誰でも、全ての市民が気楽に来れるような交通環境整備を図っていくべきだと思います。

これに要する予算は鳥栖市にできないものではありません。私からすれば、市庁舎にまつわる事業費、絞ればいくらでも出てきそうでここに充てられる市の財源をこういったところに回すべきだとの思いから今回の一般質問はしております。

 

そして、実際の市庁舎建設の姿が見えてくるのは本年11月末を締めとする基本設計においてでありますが、総事業費65億円は一般的にいう参考価格というような代物であって、これから設計段階において詳細なレイアウト、延べ床面積、構造、機能等を精査しながら、必要な機能は保ちつつ、できる限り事業費の縮減をはかるつもりであることを確認することができました。そして繰り返しになりますが、健康スポーツセンターから変更した折り40億円もの資金が捻出できるのであれば、その一部を、市庁舎建設と同じ政策目的である住民の安心安全のための他の政策に、もう待っていられない政策のために使うべきだとの趣旨で質問させていただきました。

 

これで私の一般質問を終わります。


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