9月24日 ベトナム縦断編 ②
【ハノイでの出来事・その2】
水谷 慎之介
ホテルに着くと、スタッフとおぼしき男の人がいかにも「ようこそ」といった表情で僕を部屋へ案内しました。ホテルといってもハノイで利用し
たのはミニホテルというもので、安価ながらも十分な広さと清潔さがあって、1泊2000円くらいでした(これでも贅沢をしているほうで、
後に僕はホーチミン・シティで1泊600円の所に宿泊することになります)。そこで日帰りツアーを2日分と南へ向かう寝台
バスのチケットの予約を済ませるとホテルの人に「ご飯は?」と聞かれました。僕が「まだ食べていない」と言うと「ビールで
も飲むかい?これから別のスタッフも来るから一緒に行こうぜ。お代は俺が払うよ」となんとも格好良いことを言ってくれまし
た。少しするとバイクに乗った男の人が来て、僕は真ん中に乗せてもらって店まで移動しました(日本ではできない経験です
ね。できなくはないですが捕まってしまいます)。ベトナム料理を言葉で説明するのは難しいですが、基本的には日本人にも親
しみやすい料理です。同じ箸文化なので特に困ることもありませんでしたが、もちろん口に合わないものもありました。やはり
お米は日本のものが一番だと感じました。おっとその前に乾杯ですね。乾杯は最初に一度だけするものだと思っていたのです
が、この日は何度も何度も乾杯しました。なるほど乾杯は何度でも任意のタイミングでして良いものなのだと思いました。ちな
みにベトナムには酒・煙草を規制する法律がなく、社会的に認められるのが18歳から、となっています。18歳と20歳の間
に何か決定的な違いがあるのかは僕にはわかりませんが、いずれにせよ早生まれでまだまだ19歳の日本人である僕は自分の成
人式のあともまだしばらくお酒を飲むことはできないわけで、早生まれは何かと面倒なものです。2013年から2014年に
変わる瞬間と牛乳の消費期限が切れる瞬間と日本人が20歳になる瞬間との間には何か近縁性のようなものはあるのだろうか、
などと色々なことを考えながら殆ど味付けのなされていない野菜の炒め物をヌックマムにつけて食べていました。たまたま同じ
ように旅をしていたスイス人が2人居て、ベトナム人のホテルスタッフが2人に声をかけたことから男5人の宴の火蓋は切って
落とされたわけです。そこでは本当に色々な話をしました。月にいくら稼ぐかという話になったときに僕が「大体600
US$だ」と言うとホテルスタッフは「君は金持ちだ。今夜のお代は君が払ってくれるんだね」と冗談を言いました。冗談で本
当に良かったです。ベトナムでの平均月収は5万円程度らしく、日本ではアルバイトで稼げてしまう額です。だからこそ物価が
安いのでしょうね。コンビニで500mlのミネラルウォーターが35円程度で売っていて、観光地で高いところでも75円程度
で買えました。そんなわけでベトナム人とスイス人と楽しい会話をしてからホテルに戻り、後は電池が切れたようにぐっすり眠
りました。
(写真はこの日宿泊したミニホテルです)