Landscape diary ランスケ・ ダイアリー

ランドスケープ ・ダイアリー。
山の風景、野の風景、街の風景そして心象風景…
視線の先にあるの風景の記憶を綴ります。

大きな欅の樹の下で

2014-04-25 | 自転車

 

四月の雨上がりの晴れた朝、世界はとてもクリアに見えた。

私は今、地図を描いている。

それは人の縮尺で描かれた地図だ。

 

お遍路の旅は、四国という島の尺度を体感した。

50日間毎日歩き続けることで、人の尺度で四国という島のスケール感を

身体が理解した。

幾つもの街を通り過ぎ、川を辿り、山道を歩き、峠を越え、

そして海へと辿り着いた。

地図上に描かれた距離を高低差を景観として描き込まれた記号を、

身体が実感する。

それは本当に新鮮な驚きと、人が本来持っている尺度(スケール感)を回復した旅だった。

 

そして四国南西部を廻る自転車の旅は、また新たな世界を可視させてくれた。

ペダルを漕ぎ、その駆動力を歯車とチェーンが繋ぎ推進力となって前へ前へと進む。

とてもシンプルな構造の移動のための道具だ。

これも人という身体が持っている尺度を実感させてくれる。

そしてそれは徒歩の三倍からそれ以上の距離の移動を可能にしてくれる。

 

関野吉晴がグレートジャーニーで成し遂げた旅は私たちに勇気を与えてくれた。

人類がアフリカ大陸から南米最南端まで辿った長大な旅を、

人工的な動力に頼らず、本来人が持っている尺度で辿る、

その気の遠くなるような旅のスケール感を、私たちの前に見せてくれた驚き。

本当に偉大な旅だったと思う。


とても関野吉晴の旅には遠く及ばないが、

私は、私の身体が持っている縮尺の地図を描こうと思う。

雨上がりの晴れた日から、近郊を自転車で巡る。

なんのことはない…マーキングです(笑)

動物が縄張りを巡回するように。

そして昨日は、ついに三坂峠を越えた。

石鎚までの私の地図が、また少し距離を延ばしたようだ。


冒頭の大きな欅の樹は、田圃の中にぽつんと立つ、以前から気になる樹(笑)

キンポウゲの花が、なんだか今年はとても綺麗です。

三坂峠を下った東屋で出会ったお遍路さんは、

東北岩手からのYさん。

4月1日から始めたお遍路旅24日目でした。

お疲れ様。


 

 

 


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2 コメント

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いつか見た景色 (misa)
2014-04-25 22:44:03
見事にthymeslipしたような世界に入り込んだようです
何気に見過ごしているであろう景色を優しく切り取っていますね
slowでなければ感じ取れない空間の居心地の良さが伝わります
只今80%回復ですが筋力握力の衰えが半端なくリハビリも辛いし自主トレもさぼりがち・・・・
一度落ちてしまうと戻すのは容易でなく里山でうろうろ・・・
またダニの攻撃を受けました
お気をつけ遊ばせ
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見失った多くのもの (ランスケ)
2014-04-25 23:59:46
misaさん、ありがとうございます。

NHKの「原発廃炉への道」2回目を観ていました。
これから40年以上に亘って続けられる廃炉への作業が、早くも3年目で行き詰っているようです。
累積被曝線量である100ミリシーベルトに熟練作業員が達しようとしていて、
その後を継続すべき作業員の確保が、ままならないとか。

例のアベノミクス効果で、以前から被災地の復興に携わる建設作業要員が不足していると云われてきました。
我が街の水なし川も、何のため河川敷工事か?
ずっと大規模な工事が継続しています。

私たちは結局、自分たちの尺度を見失ったのだと思います。
それについては、ずっと言い続けてきました。
また多くを語り始めると止まらなくなるので、もうやめます.
私は私の方法で模索してみます。
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