VOL2 わ・た・し流

おとぼけな私ですが 好きな本のことや 日常のなにげない事等 また 日々感じたことも書いていきます。

永遠の桃花通信9

2021-10-12 20:42:42 | 永遠の桃花

原作の中で 墨淵の 白浅に対する気持ちが

 想像できる回がありました。

7万年経って ようやく目覚めた墨淵

 

『彼が振り向き、脚を曲げ、手の甲で頬を支えて微笑んだ。

「小十七?あぁ、やはり小十七だった。

こっちに来て師父に見せて。

この数年どれほど成長したかな」

私は 手首を掴んだ。太鼓のように響く胸の音を抱え、

目頭は 幾度も熱くなり、震えながら抱きついた。

震える声で師父と呼んだ。

幾千の気持ちが浮かんでは消え、悲しくも 歓喜した。

彼は 私を受け止めていった。

「どうして悲しそうな顔をする?

 うん、この衣服(スカート)は なかなか良い」

中略・・自分とよく似た者が、十七の婚約者だと知って・・

 盃を持つ墨淵の手が 一瞬止まった。

俯き お茶で喉を潤わせてから しばらくして 

 落ち着き払って言う。

「その妻を選ぶ目といったら、うん。」

顔を上げてい言った。「貴女の婚約者は名を何という?

 生まれたのはいつ?」

私は おとなしく 聞かれた事を答えた。

彼は 指折りで計算して、淡々とお茶を飲んでから言った

「小十七、私の双子の弟が いとも簡単に 

貴女に取られてしまったのだな」

・・・中略・・・

・・・崑崙虚で 兄弟子たちから 結婚は?とからかわれて

白浅が 2か月後に招待状を送るからと皆に答えた時・・・

 墨淵はずっと座ったまま 穏やかな目で聞いていただけだったが

私が 招待するという言葉が口から出た途端、

 彼が手にした茶杯が傾き、水が半分ほどこぼれてしまった。

私は急いで近づき、片付け始める。折顔は咳払いをした。

・・・中略・・・

(墨淵を訪ねた青年の言葉が墨淵を落ち込ませたと思った

白浅は 師父を慰めたくて 師父の部屋を訪ねる)

・・夜 墨淵の部屋の扉をノックした時、

 彼は 古い琴の前に座って 深く考え込んでいた。

薄暗い蝋燭の灯に照らされた彼の顔は 

 少し憔悴しているように見えた。

・・・中略・・・

慰めの言葉をかけたかったが、しばらく時間をかけても

 一言さえ言葉が出なかった。彼の身におきた古い出来事

 物悲しい感情が含まれているに違いないと思った。

・・・バラバラの琴の音が耳に伝わった。

墨淵は琴の玄に右手を置き、適当に鳴らしながら言う

「貴女のすぐに意識が飛ぶ癖は数万年経っても 変わらないね」

・・白浅が 慰めのつもりの言葉をかけると・・

彼は少し驚き、俯き 適当に琴の玄を2~3回鳴らしてから

 淡々と言った。「今夜ここへ来たのは、この件のためにだけ?」

私は頷く。  琴の音が少し乱れて 突然止まった。

彼が 両目をあげて私を見た。しばらく見て 

 しかし 全く関係のない質問をした。彼が訊ねたのは

「彼の事、本気なのか?」だった。

私は しばらく時間をかけて、ようやく彼が訊ねているのが

 夜華の事だと気づき「本気です。十二万分ほどに本気」・・

 

彼は 顔を背け、窓の外をしばらく眺めてから言う。

「それならよかった。安心した」

えっ?彼の顔色が少しおかしい、・・

まさか 私が女性らしくないから良い縁ではないと心配してる?

そこまで考えて嬉々と安心させるように言った。

「心配しないで、師父。夜華はとっても良い人よ。

私たちは相思相愛で、私は彼を本当に思っている。彼も

 私に対して 同じ思いでいる」

 

彼は 依然と顔を戻さずに 淡々と言った。

「もう遅い。部屋に戻って休むと良い」

 

その日以降、墨淵はほとんど正殿に来なくなった。』

 

  墨淵の心が 悲しい😢と感じるのは

私だけでしょうか?

 それにしても 白浅の鈍さには 脱帽です・・・

 



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