若くて無駄なエネルギーのはけ口を必要としていた当時の下宿人達の事を考えると、なかなか説得力のある言葉だと思った。事実、夜な夜な、どこかに、ほと走らせたい充満する若いエネルギーを持てあましていたことを下宿人一同感じていたのは間違いない。独身男の集まる下宿や寮の持てあましている満たされないエネルギーで発電でもできるのではないかと本気で思っていたこともあった。今の時代では考えられないが,ストーカー等とは縁遠く,正しくお気に入りの女の尻を追いかけ回し,毎晩のように角瓶で酒盛りをしながら人生や哲学,宇宙を語り明かし,連日徹夜寝不足でもヘッチャらだった。若さと云うことは,言葉では言い表せないけれど,ああいうことだったんだと最近その素晴らしさがわかってきました。だから,年齢を積む毎に,これからは,その過ごしていく時間の充実を意識していこうと考えるようになりました。当時,男女関係に理解をもって厳しくキチンとしていたばあさんは,そのかわり,休日の昼間に下宿へ知り合いの女性を連れてきて、ばあさんに正式に紹介しようものなら(通称,面通し)大いに喜び,あたかも親戚がきたかと思わせるくらい手放しで歓待してくれた。そこらじゅうからご馳走を並べ,鯛やヒラメの舞い踊り状態となっていた。その際ばあさんは、さりげなく怖ろしいくらい率直かつ直感的に女の善し悪し(評価)?をサラリと言ってのける。連れてきたほうは惚れた弱みがあるから採点が甘いのは仕方ないとして,ばあさんの云っていた時には厳しいと思える評価,それが不思議なくらい的を得ていたことが後日判明していくことがしばしばあった。「女は灰になるまで女だ」が口癖だったばあさん,さすがです (つづく)。
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