取次営業orz

取次の営業とは何か

取次会社は何を売るのか1 商流

2010-07-21 | Weblog
[出版社にとっての販売代行、書店にとっての仕入代行、書店からの代金回収と出版社への支払い。]

"書店にとっての仕入代行"ですから、いいモノを安く仕入れてあげればいいわけです。

まずは、「正味の話、どないやっちゅうねん!怒るでしかし!(横山やすし1944-1996)」ということがありますね。
正味を下げれば、帳合は増えるでしょう。また実際そうして取引書店を増やしてきた(減らしてきた)とも言えるでしょう。
次に、配本ですね。宝島の美顔ローラーなんかをイッパイ付けてあげればいいでしょう。

いいモノを安く供給するのは、取次にとって儲からない仕事DEATH。
薄利ですから。これは大手ナショナルチェーン等に当てはまりますね。
反対に、わるいモノを高く供給することも、取次にとって儲からない仕事です。
返品フリーなんですから。無意味です。これは、一般の中小書店に当てはまりますね。

取次にとって儲かるのは、いいモノを高く供給することです。書店側の言葉に直せば、「正味は安くないけど、配本には満足している」ということです。
だから、パターン配本、実績配本だけではダメなのですヨ。
一方で、わるいモノを安く供給しようというやり方もあります。返品できない条件で。
ほら、あれとかアレとか。

返品に関する問題もあります。いらない本は返品すればいいわけですが、入帳〆日が不明、または早いので、書店は月々の支払額をコントロールすることができません。
入帳〆後の数日間を狙った過剰配本は、決算月などに特に多く見られる現象です。
新刊の発行自体は版元が決めることですから、取次はギリギリまで返品入帳してやるしかないのです。これによって月末送り込みのバイアスは緩み、自然と総量規制が掛かることでしょう。
書店にとっては帳合変更の決め手にもなりうるでしょう。

"出版社にとっての販売代行"という面はどうでしょうか。
私は営業ですから版元取引には詳しくありません。ネット上で黒い噂を見たりする程度です。
自社商品を安価に全国へバラ撒けるという取次のシステムは、版元にとっては今も魅力的なものでしょう。版元は取次と取引せざるを得ない状況なのではないでしょうか。ですから取次は、特に中小版元には厳しい条件を提示しているようDEATH。

しかし、ディスカバー21の躍進、電子書籍の普及などによって僅かばかりですが、取次を介さない出版流通ビジネスの可能性が見えてきました。

いつか、中小版元に頭を下げる取次仕入の姿が見れるかもしれませんね。