取次営業orz

取次の営業とは何か

取次会社は何を売るのか2 物流

2010-07-23 | Weblog
[新刊、注文商品を全国の書店に出荷する。また多種多様な商品を在庫し注文に対応する]

物流のポイントは3つです。
1.安さ
2.速さ
3.正確さ

1.安さ
安いですよね、取次の物流は。書店への送料は無料ではなかったでしょうか。
でも、書店にはあまり満足していただけていないようです。
他の2つのポイントがあまりにも杜撰だからです。

2.速さ
ダメDEATH。でも昔よりよくなったと言われますね。取次在庫商品であれば、SA発注から中2日位で届くこともあるようです。特に棚卸月は、納品が早く。「やればできるじゃないか」と書店に言われます。
問題は版元取寄の場合DEATH。1週間の時もあれば、2週間、それ以上の時もあります。書店からは「どーなってんだ!」とクレームを受けますが、どーなってんのかわかりません!わかるのは、大きな書店ほど頻繁に商品を出荷しているので、早く届きやすいということぐらいです。

3.正確さ
ダメー!行方不明と破損の嵐DEATH。
だいだい、出版社から搬入になったのかどうかすらわからないのです。
以前、私の経験した事故では、版元は「間違いなく搬入した」と言い張りました。
結局、納品書まで遡って確認した結果、確かに取次に搬入されていました。
版元は鬼の首を取ったかの様に難詰を始め、私は脂汗をかきながら謝るしかありませんでした。
しかし後日、物流センターから事故品としてその本が私の元に届きました。
版元は、その書店の番線コードを豪快に間違えていました。書店に届くわけがありません。
私は抗議のFAXを版元に送りましたが、黙殺されてしまいました。

事故を水際で喰い止めることが、まずできていません。
そして今度は取次による手違いが多数発生します。
※過去記事:取次営業の仕事 物流事故処理1

物流システムで他取次との競争に勝つには、"納期を約束する"しかないでしょう。
私が書店なら、納期を約束してくれる取次と契約を結びたいものです。
破損は起こるでしょう。紙の商品を裸で流通させているわけですから、破損の発生はある程度止むを得ないと思います。大事なのは、事故が発生した場合の補償をどう行うのかを明示することにあります。
事故を減らす、無くすためにどうこうするという話は聞きますが、事故が起きた時はこう対応しますという物流、乃至会社の声は聞いたことがありません。

ただ、何もしていないわけではありません。
当社では、10年程前から客注専用の物流サービスを運営しております。

これを利用すれば、納期もわかりますし納品も速いです。しかし無料というわけにはいきません。手数料をいただきます。「正確さ」と「速さ」は有料なのです。もしこれを無料にできれば、当社の大きなアドバンテージになることでしょう。
経営側の皆さんいかがですか。

この手数料に納得できず、あくま通常物流で客注品を注文して、事故って取次営業に文句を言ってくる書店もありますね。まあ、書店の言い分が正しいんですけど、私に言わせれば「あーたホントにオキャクサマのコト考えてるノ?」って感じDEATH。

たとえ有料サービスでも選択肢があるのです。
それを利用している書店にこそ、それを利用せざるを得ない現状の物流に抗議する権利があるのではないかと私は思います。

次回は、"情報"についてです