取次営業orz

取次の営業とは何か

送り込み

2010-06-30 | 取次営業の仕事
書店「こんなセットたのんでねぇ!送り込みだ!引き上げろ!事故処理しろ!」
よくある話DEATHね。

まずは「送り込み」の定義について考えてみましょう。これは2つあると思います。

・定義1:新刊委託条件ではない商品を、書店の意思を確認せずに送品すること。
・定義2:書店の望まない商品を送品すること。

定義1は正しいように見えますが、これでは重版配本できませんね。
定義2は間違っているように見えますが、実際にクレームを付ける書店はこちらの定義を採用しているんじゃないでしょうか。「ワンピースが送り込まれた」とか「1Q84が送り込まれた」とかあまり聞きませんね。

なのでここでは「書店の意思を確認せずに、新刊委託、または重版配本でない商品を送品すること」と定義しましょう。

―何故送り込みがあるのか?―

送り込みは営業の責任において行われています。
会社としては「送り込み」という行為は存在しないのです。

基本的に送り込みになるような商品は、ちゃんと注文書があって受注を吸い上げる形になっています。いるはずです。ですから、受注が集まれば送り込みは発生しないのです。

受注が集まらないのです。
もっと言ってしまえば集める気もありません。ピュアな営業なら、注文書の束をセレクターよろしく書店に持ち込んで受注促進をかけるでしょう。そして、受注獲得の難しさ、時間的制約の厳しさを思い知ることでしょう。
つまり、売れそうにないセットや企画が、タイトな締め切りで大量にあるということです。しかもそれにノルマが課されているということです。

我々取次営業は、仕入系スタッフに言われるがままに目標数を押し頂き、送品店を申告します。あくまでも"受注店"という形で。クレーム・トラブル等があっても、それは「受注店である」と嘘の申告をした営業に全責任があるのです。

書店「そんなの断ればいいだろ!自分の営業成績上げたいだけだろ!」

少なくとも私は、送り込みで営業成績を上げようと思ったことはありませんし、担当書店との関係が悪くなるだけで結果的にはマイナスだと思っています。しかし・・・。
"スタッフ>営業"というヒエラルキーが厳然として存在し、我々はそれに抗うことができないのです。(このあたり話は別の機会に書きます)

書店「そんなの全部取次の都合だろ!書店に押し付けるんじゃねぇ!」
おっしゃる通りです。でも、どうですかね?

実際、取次都合としか言えないセットは多いと思います(大半です)。仕入系のスタッフが送品前年比という数字で動いていて「去年○千万円セットを送品してるから今年もやらなきゃ」的な。
または部戻しが発生しているケースもありますね。よく知りませんけど。とりあえず仕入れれば出版社からお金が貰えるという。

でもですよ。実際すべての企画に目を通して、発注するかしないか判断できます?締切守れます?
取次「注文書は全てWeb公開するので、いるものは発注してください。見逃し、発注忘れ等、救済しません」的なことになったらどうします?(厳しいようで正しい。それでよいという志の高い書店員もいらっしゃることでしょう)

それと、出版社の営業はどう動いているんですかね?「この書店は自社の営業で促進して、あの書店は取次営業に促進させよう」みたい線引きはどこでされるんでしょうか?特に高額本や豪華本は、御社の足で説明して1冊1冊受注すべきなんじゃないですか。人がいなくて?周りきれないの?めんどくさいんでしょ?

ともかく、送り込みはまだまだなくなりそうにありませんね。

個人的には送り込みはある程度やむを得ないと思っています。出版社との関係もありますからね。いざヒット作、良好書が生まれた時に、こういうことで確保できる部数が変動することもあるんじゃないですか。
抱き合わせ商法に近い考え方ですけど・・・。

書店は不要なセットが送られてきたら、即返品すべきだと思います。文句言いながらも並べたり、あるいは引き上げ事故処理させたりするのは、結果的に"返品がない"という判定になり、更なる送り込みの助長に繋がりかねません。
ノイジーマイノリティーは、サイレントマジョリティーには敵わないのです。(ノイジーマジョリティーならどうか?恐くて会社に行けません)

でも、返品しても逆送になる商品もありますよね。延勘だから3ヶ月は返品できないとか。これについては、弁解の余地がありません。ごめんなさい。

実際、こうした条件によって送り込みにくい、またはできない企画が増えつつあります。最近の流行は「計画販売制」ですね。
次回はこれがテーマです。

管理職は予想屋さん

2010-06-29 | 取次営業の仕事
管理職の仕事は予算管理です。
売上目標の策定と進捗の管理です。マネジメントですね。もしドラですね。

しかしながら送品も返品も予測不能です。

来月、何と何が出るから、これくらい送品金額になって、そろそろ何と何がこれくらい返品で帰ってきて、入帳〆日が○日だからポクポクポクチーン!○億円だ!
・・・とはなりえません。

来月、どんな本が出るかなんてわからないけど去年これくらいの送品金額だったから今年もこれくらいはいくんじゃないか?
いや、去年は「1Q84」があったんだ。少し減らしとくか・・・。
返品はどうだ?。去年は○億か。入帳〆は多分○日だから、このペースでいくと今月は○億で来月に○億繰り越されるぞ。ということは来月は○億くらいいくな。いや、これじゃ返本率50%を超えてしまう。これはマズい。とりあえず返本率は39%にしとこう。てことは返品を○億減らさないといけないじゃないか。おし、営業に指示しとこう。
管理職「おい!来月は徹底的に返本削減しろよ!」

アジャジャーにしてパーでございます。

返品コントロール(?)

2010-06-28 | 取次営業の仕事
返品は少ない方がいいです。「返本率を下げろ!」と。

返品は送品以上にコントロール不能です。
書店「そんなことないだろう。操作してるじゃないか!」
入帳〆日のコトですかね。

これまたスゴイ話ですが、当社は○日までに返品を出せば当月の入帳になるというようなことは約束しておりません。6月10日に返品したものが翌7月の入帳に繰り越されても、書店は文句言えません。(これはさすがにないと思いますが)

社内的には何日までか把握しているだろうとお思いかもしれませんね。一応基準はあるのですが公式に会社が発表しているものではなく、その基準が毎月守られているわけでもありません。正確な日付は末端の取次営業にはわからないのです。それどころか管理職の人間さえわかっていないように思えます。

返品入帳金額を日次でチェックできるシステムがありますが、あくまで物流センターでの作業ベースのデータなので、それがいつ書店から出された返品なのか、またいつ物流センターに到着したものなのかもわかりません。そしてデータは突然更新が止まり、その日が入帳〆であったとわかるのです。書店もたまんないDEATHね。返品に関しては、コントロールもできず、進捗を把握することすら困難であるということです。

でも最近は、"返本率○%以下の基準を満たせば優先配本"的な企画も増えてますよね。
これはいいんじゃないですか。"優先"って言葉の曖昧さを除けばね。

「返本率を下げろ!」
一見当たり前の命令に聞こえますが、取次はメーカーではないのです。
たとえ半分以上返品になろうと、版元に返せるわけです。「売上」の最大化は「返品」の最小化とイコールではありません。
しかしながら、取次は版元、書店ともに望まないような仕入、送品の削減まで行って返本率を下げようとします。
考えられることは、送品、返品に掛かるコスト(資材費・輸送費・人件費)を削減したいということだと思います。
だったらそのコスト、いくら掛かってるのか営業にも教えてください。

送品コントロール

2010-06-26 | 取次営業の仕事
売上を上げるにはつまり、売れそうな商品をたくさん送品して、一方で返品が少なければ良いわけです。
しかしながら、送返品がコントロール不能であることは前回説明しました。
それでも取次は、それをコントロールしようと様々な手段を編み出していきます。
取次営業の場合。

■送品コントロール1 ランク修正

書籍の配本は、ランクに基づくパターン配本が主流ですね。要はランクが高いほど、本がたくさん送品になるわけです。ランクは出版社やジャンルごとに分かれています。これを修正してしまうわけです。
児童書が売れないのであれば、児童書版元のランクや取次で独自に作っている児童書のランクをダウン、ないしカットするわけです。版元ランクって勝手にカットしていいんでしたっけ?
また、逆に売れている場合はランクアップが必要ですが版元ランクは上げられません。そこはシビアですね。
てか、方法自体がアバウトすぎます。よっほどデタラメな配本をしていない限り、これを大きく修正することはないし効果も無いでしょう。ランクアップできないというのも片手落ちDEATHね。

■送品コントロール2 定期改正

雑誌は単品レベルで定期改正できます。書店の雑誌の販売実績を一括抽出すれば、何が必要で何が不要かある程度把握できます。ただ雑誌に関しては、配本段階で既に実績を参照して配本数を調整していますし、書店も定改入れてますからね。
それに、仕入部数の多い雑誌は減数定改しても結局減らないし、逆に仕入が少なければ結局増えません。増やすのは特に難しいです。ガンガン(鋼最終回)とかね。

■送品コントロール3 注文データ削除

これはもうすごいですね。書店からSA発注したデータを消してしまうのです。無駄な注文送品を減らすことができます。無駄かどうか決めるは取次営業です。
書店「そんなバナナ!もう何も信じらない!」
でもバイトに発注まで任せっきりで、ストッカーもパンパンになってるお店もあんじゃないですか。

■送品コントロール4 注文品を間引く

これもすごいです。出版社から搬入になった注文品を起票される前に間引くのです。これならSA発注以外の注文送品も減らせますね。間引いた商品は出版社に帰っていきます。
あはは・・・。


結局、送品については、減らすことはできても増やすことはできないというのが現状です。しかもやり方が雑です。
畢竟「売れそうな商品をたくさん送品」することはできないのDEATH。ごめんなさい。
次回は返品についてです。

取次営業の売上目標

2010-06-25 | 取次営業の仕事
サラリーマンですから、当然売上目標があります。
取次営業の売上とは一体何でしょうか。
それは担当書店の売上です。
これは担当書店の店頭販売金額のことではありません。

取次の売上は、送品-返品です。
1,000円の本を10冊送品して、4冊返品になった場合(正味77と仮定)、
7,700円-3,080円=4,620円が売上です。

担当書店全軒の書籍・雑誌・コミック・その他開発商品の送品から返品を引いた額が取次営業の売上であり、ここに目標・ノルマが課されます。「売上上げろ!」言われるわけです。

しかしながら、取次営業はほとんど送品にタッチできません。配本しているわけではないし、担当書店に何を何冊送るかを決定する権限を持っていないからです。
それどころか日々何が書店に送られているのかすら、ほとんどわかっていません。
担当書店全軒の送品伝票を毎日すべて出力してチェックすればわかるはずですが無理に決まってます。
また、返品も書店がやっているわけですから干渉できませんよね。

つまり、取次営業は課せられた売上目標を全くと言っていいほどコントロールできないのです。
「取次の営業って何やってるんですか?」と聞きたくなる気持ちもわかります。

この、コントロール不能の「売上」を上げるために取次営業は何をしているのか、また何をしろと言われているのか、書いてまいりましょう。

取次営業の仕事 物流補助2

2010-06-23 | 取次営業の仕事
■採用品

これは物流補助の極みでしょう。たとえば。

・詰め直し
物流センターで箱詰めされた商品を営業止めにして開荷して詰め直して宛名を張り直して出荷。
物流センターの詰め方では商品が破損する恐れがあるのでキレイに詰め直しているのです。バカげてるでしょ。

・検品
品違い、不足、荷割れ、条件違いなどを事前に防ぐため、営業止めにて検品します。営業の仕事なんです。ココでは。

・セット組み
学年・学科ごとに教材をセット組みする作業です。これは学校、または書店の仕事ですよね。でも取次営業がやるケースもあるんです。

・返品交渉
返品了解とってから返してください。

なんか書店が怠けているような書き方をしてしまいましたが、そんなことはありません。発注から返品までご自身の会社でキチンとやられるところも勿論あります。

■新規開店
商品の発注、出荷前の検品・ジャンル別仕分け、納品から棚詰め、不足分の手配まで。
新規開店業務を抱える取次営業は、もはや現場の人です。

■閉店
商品を箱に詰め、運送会社に引き渡す。そして営業成績はマイナスになる。虚しい作業DEATH。


取次営業は物流を補助しています。物流作業人員です。
しかしながら会社はこれを認めません。「営業業務をほったらかして何をやっているんだ」と。

さあ、それでは会社の考える取次の営業業務について考えてまいりましょう。

取次営業の仕事 物流補助1

2010-06-21 | 取次営業の仕事
取次営業の仕事は何か。それは物流補助です。
現状の物流システムでは対応できない書店のニーズに応えていくぞ!


■物流補助1 納期に商品を納めるということ
すごい話ですが、当社の物流は納期を約束していません。
書店「何で取次搬入から10日もかかるんだ!」
書店「地方版元の本を1ヶ月も待ったぞ!」
興奮しないでください。搬入から3日で届くなんて誰か言いました?

"取次搬入から原則1週間以内に書店に届ける"みたいなルールがあってもよさそうなものですが、大変そうだし、それに・・・。
そもそも搬入なったのかどうかもよくわかんないんだもーん。

ですから、お客様への納期のある商品については、
物流事故の回で説明した「営業止め」がよく使われています。
この方法であれば、取次搬入から2日程度で自分の元に取り寄せることができます(モノによりますが)。
そして自分の手で出荷するわけです。書店に配達したりもするわけです。
つまり、取次営業が自己責任で納期を約束して物流作業に勤しんでいるのです。


■物流補助2 スリップ回収
臨店した際、補充スリップを回収する取次営業がいます。そして物流センターに発注したり、店売で抜いたりしてるのです。SAシステムが普及している今日の話です。
理由としては、
・データ発注では遅い。
 オンラインで発注するより、取次営業が自ら出荷したほうが早いのは確かですね。
・オンライン発注がめんどくさい。
 書店の怠慢です。
・昔からそうだから。
・取次営業に直接渡したほうが信頼できる(精度が高まる)から。
 それはそうかもしれません。
・SAシステムがない。
 ないんじゃしょーがないですね。

■物流補助3 拡材配達
「書店に行くのが取次営業の仕事だろ。ついでポスター持ってけよ。」的な。
どんだけ臨店すればいいんだと。

■物流補助4 出しといて
書店「これ店売から出荷して」
書店「これ物流センターから出荷して」
もはや書店のバイトですね。

■物流補助5 ヒューマン革命
大口のご注文ありがとうございます。一日でも早く、かつ美しくお届けする為に取次営業が人肌脱ぎます。てゆうか私が出荷作業やります。包装だってやっちゃうよ。
革命!・・・起きないかな。
(つづく)

取次営業の仕事 物流事故3

2010-06-19 | 取次営業の仕事
1冊の本を求めて社内外を彷徨う取次営業の姿。笑止千万でございます。


行方不明、破損、不着などで商品の再手配が必要な場合、取次営業はどうするのでしょうか。

まずは社内在庫です。
物流センター、もしくは店売に在庫があればラッキー。
新刊の場合は、出荷残を新刊発送作業現場から探すような荒業もあります。
あとは出荷するなり、持参するなりしてください。

社内在庫がなければ、出版社にお願いするしかありませんね。
版元再注です。すんなり注文できたとしても、ここに問題が立ちはだかります。
時間という概念です。

通常、版元発注商品は取次搬入から書店着まで1週間位かかります。
ものによっては、2週間以上かかるケースもあります。
既に、2週間待っているお客さんがあと2週間待ってくれるでしょうか。
人によりますね。

■どうするか1 直送
出版社に直送をお願いするのです。
「自社の物流が事故った上に遅いので宅急便でおしゃす!」というわけです。
元払いで受けてくださる仏様のような出版社もありますが、
大抵は「着払いなら」という話になるでしょう。
誰が払うのでしょうか?書店が払うわけないですよね。事故ですから。
きちんとした報告・手続き手順を踏めば会社が出してくれるケースもあります。
でも取次営業が自腹切ってるケースもあんじゃないですか。

■どうするか2 営業担当止め
「直送できない」という出版社があります。
理由はいまいちはっきりしません(社の方針とか)。
この場合は取次に搬入してもらうしかありません。
ただ、そのままやったのでは時間がかかっていまいますので、
通常、書店番線印を押す欄に、番線を書かずに取次営業宛てと記載して搬入してもらうのです。
こうすることで物流センターに搬入後、取次営業のもとに社内流通網を使って送られてきます。
しかし、この方法でも4、5日はかかるでしょう。(結局1週間以上かかる時も)
しかも再手配分がまた事故る可能性もあります。傷口にハバネロ。

■どうするか3 出版社に取りに行く
地方の取次営業には無理ですね。まあ取りに行ける出版社も限られてますけどね。

■どうするか4 引き上げ
該当する本を置いている書店にお願いして引き上げる(返品してもらう)
これは関係ない書店を巻きこむ上、自社の事故を宣伝することになるのでなかなかできないですね。

■どうするか5 別の書店で買う
これが一番手っとり早いでしょう。
自腹なので、高い本、大量の注文品の場合は無理です。
生活が破綻します。

■どうするか6 インターネットを活用しよう
現在はネットショッピングが発達しておりますので、ネット経由で手に入れられることもあります。
ここも完全に自腹ゾーンなので限界がありますが。

■どうするか7 どこにもない場合 
版元品切重版未定。主要書店在庫なし。Webヒットなし。
絶望DEATHね。
これはもう謝るしかありません。平謝りDEATH。謝るのが仕事なのです。
誠に申し訳ございません!

―物流事故の頻度は?―
私の感覚ですが、1日1件以上という感じです。
毎日事故処理をしています。

■殺がれる営業力
日々謝っています。防戦一方です。これでは攻めの営業ができません。
エスカレートする書店の要求も呑まざるを得なくなるでしょう。
こちら側がやることやってないんですから。

でも、そもそも「攻めの営業」って何なんですかね

取次営業の仕事 物流事故処理2

2010-06-18 | 取次営業の仕事
■よくあるケース2 破損

折れ、破れ、凹み、汚れ、あるいは全部。
雑誌・コミックの新刊はよく破損します。ビニール巻いてるだけですから。梱包の一番上と一番下の本はクッションです。パッキンです。それが客注の買切の定期でも。

ダンボールに入っている本もよく破損します。そのため採用品に関しては、強度の高い専用ダンボールが用意されています。(採用品ジャナキャイイノ貝?)
搬入段階で汚れていたのか、発送作業段階で破れたのか、輸送中に折れたのか、書店について凹んだのか。誰にもわかりませんね。


■よくあるケース3 不着・過着

伝票に記載されている商品が届いていない。伝票に記載されていない商品が届いている。伝票に記載されている送品冊数と違う。

これは新刊によくある事故です。
新刊の場合、伝票が先に作られ、伝票の冊数に合わせて商品を箱に入れていきます。人の手で。検品しているようですが、検品も間違えているようですね。
不着のクレームは多いのに、過着のクレームがほとんどないもの不思議といえば不思議です。(まあ言わないか)

■よくあるケース4 条件違い
書店「3延べで出版社に注文したのに即請求で入ってきた!」
申し訳ございません。
■よくあるケース5 誤逆送
書店「返品了解取ったのに逆送された!」
すみません。
書店「返品していない商品が逆送された!」
さーせん!

キリがないのでこれくらいにしたいと思います。
次回は、「で、事故ったら取次営業はどうするのか」というお話DEATH。

取次営業の仕事 物流事故処理1

2010-06-17 | 取次営業の仕事
取次営業の仕事は何か。それは物流事故の処理です。
物流事故に対するクレームのを処理するのに多くの時間と労力が注がれています。がんばるぞ。

■よくあるケース1 客注品が行方不明
書店「注文した本が入ってこない!出版社は"○月○日に取次に搬入した"と言っている」
これは本当によくあります。

クレームを受けた取次営業は、まず起票データを確認します。伝票が出ていないか確認するわけです。
ここでデータがヒットした場合、考えられるケースは3つあります。

1.商品は既に書店に届いている。しかし店員が気づいていない。棚に差さっていたとか、店頭に並べて売ってしまったとか、割とありますよね。

2.現在輸送中でまもなく書店に届く。よかったネ。

3.宛名を張り間違えて、デタラメな書店に届いている。起票し箱詰めし宛名を張って出荷するわけですが、最終工程でミスってるわけです。事故です。

起票データがヒットしなかった場合は、
物流センターに問い合わせます。書店ごとの注文品滞留場所をチェックしてもらったり、センターでしか見ることのできない当日起票データなど確認してもらいます。ここでヒットすれば問題は解決です。(店着が遅いという問題は別ですが)。

ヒットしない場合は以下ようなことが考えられます。

1.まだ注文品滞留場所に到着していない。または、そこを出たが起票されていない。一時的に商品の流れを捕捉できない状態です。搬入日から比較的短い時間であれば起こりうるケースです。しかしこれは1~2日程度の時間が経過すれば大概は解決します。

2.出版社が搬入していない。
保身のために言うわけじゃなくて、これもあるのです。いや、あると思うのです。大概の場合、納品書の確認まで行わないので、発覚するケースは少ないのですが。
取次を間違えて搬入したというケースとかありますよね。(帳合切替になった書店の注文が、かなりの期間が経ったあとでも搬入にあることがあります。)
ただ、出版社の搬入ミスが明らかである場合は楽です。「直送して!」とか言えますから。

問題は、そのいずれでもない場合なのです。

「なぜ無くなるのか!どこで無くなったんだ!」書店様のお怒りごもっともです。
でもわからないのです。無いんです。他の書店に行ってしまったのかもしれません。作業過程で注文スリップがハズれて、どこの書店の注文分かわからなくなってしまったのかもしれません。無いんです。物流現場で働く方ならもっと多くの可能性を考えられることでしょう。でも無いことに変わりありません。事故です。
で、どうするのかは後で書きます。
(つづく)

はじめまして

2010-06-16 | Weblog
取次営業です。取次会社(出版販売会社)に勤務しております。
先日、出版社に勤務するお友達に「取次の営業って何やってるんですか?」と聞かれました。
答えに窮しました。
自分自身「何やってんだ俺は?」と思う毎日です。
書店様、出版社様、社内スタッフの皆様におかれましては、取次営業アホでカスと憤っておられることでしょう。
そうなのです。アホでカスなのです(私がですよ)。
でも、なりたくてなったワケじゃないんです。理由があると思うんです。
私がアホカスに至った過程を探っていきながら、取次の営業とは何なのかということについて考えいきたいと思っています。