昭和の恋物語り

小説をメインに、時折よもやま話と旅行報告をしていきます。

僕の女王様は妹 (百二十)

2010-12-19 17:05:17 | 小説
どうも、どうも、
悟です。
焦ってるんです、
走ってるんです。
あの角を曲がれば、
我が家なんですけどね。
残業?
違いますよ、
定時に終わりました、
会社は。

“貢ぎ物に、
時間がかかったか?”
何です、
その貢ぎ物って。
あぁ、
千佳ですね。
何が貢ぎ物ですか、
まったく。
だけど、
言い得て妙、
ですね。
貢ぎ物か、
そうかも。
なんせ、
妹は、
僕の女王様ですから。

実はですね、
美里に逢ってたんです。
バス停に行く途中で、
バッタリ出くわしたんです。
と言うより、
僕のことを待ってたみたいで、
へへ・・。
「ちょっとだけ、
お茶しない?
あんまし時間が無いんだけど、
どうしても悟君に逢いたくてさ。」
「オッケーです、
全然OKです。」
即、OKしました。
千佳?
そんなもん、
・・ちょっと気にはなりましたけどね。

他愛もない話です、
したのは。
それより、
感激しましたよ。
昨日貸したお金をね、
返しに来てくれたんです。
都合が付いたから、
って。
「いつでも、
良かったのに。
次のデートの時で、
良かったのに。」
「そっかぁ、
そうだよね。
でもさ、
逢いたかったしさ。」

なんて、
素敵な女性でしょうねえ。
天にも昇る思いですよ、
僕は。
「じゃあ、
この次のデートの軍資金にしょっかな。」
「うわぁ、
太っ腹ぁ!」
もう、
満面の笑みがたまりません。


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