遠野なんだりかんだりⅡ

遠野の伝承芸能・民俗・歴史を書きたい時に思いついたままに

第5回小国分館神楽共演会 前編

2024-07-05 10:24:34 | 郷土芸能

6月最終日は、昨年に引き続き、行ってきました!隣町、旧川井村の小国。

遠野から立丸峠のトンネルを抜けて小国まで、2,30分ぐらいでしょうか?

随分と近くなりました。その間には道又、荒田、永田など、遠野に居る方々の苗字と

同名の地域があります。

 

お昼少し前、会場となる北上山地民俗資料館小国分館(旧小国中学校)に到着。

開会時間少し前に、末角(まっかく)神楽さんの舞い込みです。

 

そして、神楽共演会の開会

司会者さんの人柄がよく出ている進行で、和んだ雰囲気でスタート。

 

末角神楽さんの打ち鳴らしから

 

初っ端から山の神舞です。

 

構成は大出早池峰神楽さんと似ています。

どの郷土芸能でもそうで、笛の音程が違うと別な舞に見えます。

 

江繋(えつなぎ)も末角も大出のに似ていると感じているのですが、

何がどう似ているのかと云われると、今も上手く表現できません。笑

 

この刀を肩に架ける所作は、末角独特かと。

 

この地域に、かつて、伝承されていた大仁田神楽は大出のに、

似ていたと云われているようで、

その大仁田地域は荒川高原を通じて上柳へも大出へもつながっています。

 

続けて末角神楽さんで、普勝舞(ふしょうまい)

 

面も舞の雰囲気も大迫系とは全く違います。

 

両手に鈴木のような物を持つ所も独特です。

 

面をはずしてクズシ

 

交代して江繋神楽さん

同じ小国でも、笛の調子が全く異なります。

 

鶏舞

 

散米用のお米が添えられています。

 

鶏舞の中で散米する所作は珍しいです。

 

この江繋はタイマグラから閉伊川近くまでの広い地域で、神楽だけでなく、

しし踊り、剣舞、さんさなど様々な芸能が伝えられている地域でもあります。

 

江繋の二演目目は寅走り

この演目こそ、独特です!

 

一人で舞う荒舞ですが、他の神楽の何と云う演目に該当するのかわかりません。

 

近所に住む工務店の社長は江繋の出身ですが、今まで、芸能の話をしたことはありません。

今度、聞いてみようかなあ?笑


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2 コメント

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早池峰信仰の神楽いろいろ (阿部)
2024-07-06 15:25:40
早池峰山登山口4か所には、それぞれ神楽が有るようですね。門馬の神楽は廃絶になったようですが、その他岳・大出・江繋(小国)には、浮き沈み有ったようですが現在も活動をしていて、それぞれの流儀を残しているようですね。共演会当日は、修験や神楽研究の神田先生も観に行ってました。近々宗教民俗学の機関誌に岳神楽の研究を載せるそうです。岳には山伏はいなかったと言う事らしいです。やはり南部氏が盛岡に来て宗教政策で早池峰妙泉寺を支配したようですね。南部利敬は吉田神道でしたから自光坊とも確執はあたんでしょうね。やはり神楽も盛岡藩の宗教政策をしっかり考慮しないと理解できないことも多そうですね。土沢神楽の吉田さん曰く斎部流大償神楽なる神楽は無かったが、神道化政策のために斎部神道論に基づく神楽を名乗って切り抜けていたのだろうと言ってます。岳は南部氏の影響の大きい寺社だったのでその咎は受けなかったようですが、一時期神楽も禁止されたことがあったようで苦難の歴史を背負っているんですね。他の登山口の神楽の歴史も大事ですね
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妙泉寺 (笛吹)
2024-07-07 09:18:41
阿部さんへ
大出に今あるのは大出早池峯神社で、その神社を守っていたのが始閣家。始閣家は吉田神道で、その一族に関係する人達で行われ、様々な経過をたどって、今あるのが大出早池峰神楽になります。
大出早池峰神楽が遠野で神道神楽と呼ばれる所以で、山伏系神楽とは拍子が異なる神楽として認識されていたようです。
早池峰山にまつわる神楽としては大迫系がメジャーですが、時間の経過とともに、川井や遠野のも、早池峰神楽なんだと思うようになってきました。
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