遠野なんだりかんだりⅡ

遠野の伝承芸能・民俗・歴史を書きたい時に思いついたままに

教えて!神楽の人

2023-10-30 12:07:46 | 郷土芸能

先週、久しぶりに青笹方面へ出かけたので、荒神様に寄ってみました。

 

当然、稲刈りは終わっていたのですが、ちょうどいい具合にこんなものが。

もう少し、明るさのバランスを考えれば良かったと思い、

後日行くと、もうありませんでした。タイミングって大事ですね!笑

 

さて、昨晩は遠野郷八幡宮鳩集殿で「教えて!神楽の人」と云うイベントが。

 

例により早めに行ったのに、駐車場には車がいっぱい。

そんなに人気のイベントなのかとびっくりしたのですが、

その半分は、紅葉ライトアップの見学でした。笑

 

開会時間前、ステージに飾られていた写真に目が。

これともう一枚あり、聞くところによると大正7年頃の写真とのこと。

明治34年に宮守の塚沢早池峰神楽さんんから指導を受けて始められた平倉神楽さんです。

このイベントは遠野の郷土芸能をもっと深く知ろうという事で、今回は神楽がテーマ。

平倉神楽さんが講師役となり、様々な質問に答えてくれるということのようでした。

 

まずは、肝心要の神楽の披露。

 

八幡宮での開催ということで、八幡舞。

 

市内で活動中の神楽による八幡舞は、結構観ているつもりですが、

ここ八幡さんを本拠地にしている八幡神楽さんと今回の平倉さんのは、観た記憶なし。

 

なんか新鮮な気持ちで観ることができました。

 

続けて、下舞からの権現舞

 

式舞と祈祷を説明する上では、セットですね!笑

 

この後の質疑の時に、獅子舞と権現舞に関わることが取り上げられましたが、

獅子舞や太神楽、神楽と云われる芸能をあちらこちらで見始めると、同じような

疑問が生じることは多々あるようです。笑

 

お客さんも、全く神楽をご存じない人から、神楽関係者まで。

短時間ながら多義にわたる質疑でしたが、大変面白く聞くことが出来ました。

これも、多くの遠野の芸能関係者は、其々の芸能を人前では実像より大きなものとして

話すことを良しとしない気質みたいなところからくるのかもしれません。

また、

気兼ねなく、各芸能団体の練習を見に行ける日があれば、もっと身近に感じられるのかなあ

なんて、自分の都合の良いように感じたところです。笑

 

リクエストに応え、もう一演目

 

天女舞

 

何も持たない舞から、扇子を持ち、それを開き、

 

重ね、「とりら、とりら」です。

なんか、ラッキーなひと時でした。笑

 

最後に、

しし踊りに関しては、江刺の太鼓系も遠野の幕系も、其々、解説本があります。

神楽では、北上の大乗神楽、宮古の黒森神楽、大迫の早池峰神楽其々に観賞ガイドが。

遠野の神楽には、それが無いのがちょっと残念です。

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ライトアップ しし踊り

2023-10-26 11:50:19 | 郷土芸能

22日(日)は忙しい日でした。

11時半開場の黒森神楽遠野公演を観に八幡さんに着いたのが10時過ぎ、

神楽が終わったのが午後4時頃で、それから一度、帰ってデータをPCに取り入れ、

バッテリーのチェックをして、また5時少し前に八幡さんへ。

 

2016年に篝火しし踊りが行われて以来の夜のしし踊り。

今回は、紅葉の始まりに合わせた神社境内のライトアップに花を添えるイメージかと、

勝手に想像。笑

和傘もなかなか良い感じでした。

 

6時少し前、お祭りと同じように社務所前から踊り始め。

遠野郷八幡宮役獅子の長野獅子踊りさんです。

 

参道・・・どこで撮っても暗すぎて・・・

 

拝殿前にて

 

廻りが暗いので想像になりますが、結構大勢の人がいたようです。

これだけ集まるんだったら、日中の黒森神楽さんの宣伝も、

もう少ししておけば良かったと後悔。汗

 

遠野まつりの時、青笹しし踊りさんが陣取っていた辺りで、ライトアップしし踊りです

並んだ様子を見て、この日のレンズでは正面から全員入らないということで、右往左往。

 

参加している人数を見て、遠野まつりより多いんじゃないか?なんて思ったり・・・笑

 

それにしても暗いので、どう撮れているのかさっぱりわからず・・・。

なんか廻りのスマホの方がきれいに撮れているように思いました。汗

 

怪しい時は、白黒に・・・。これは前回の篝火しし踊りで学びました。笑

 

巷では、幕踊り系しし踊りの聖地と云われている遠野郷八幡宮です。

 

一市町村で、幕踊り系しし踊り数が一番多いのが遠野市。

 

幕踊り系は現在15団体あり、2団体が少しだけ?お休み中

 

ぜひ、機会を見つけて、郷土芸能をご覧頂ければと思います。

ちなみに今月29日(日)には、遠野郷八幡宮鳩集殿で6時半から

「教えて!神楽の人」と題して、解説を聞きながら神楽観賞するイベントが

あるようです。参加費1,500円とのこと。平倉神楽さんの出演かな?

また、11月19日(日)市民センターで遠野市郷土芸能共演会、入場無料です。笑

参加団体及び付属イベント等は遠野市観光協会イベント欄でご確認下さい。

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2023 黒森神楽遠野公演 其の参

2023-10-25 19:19:46 | 郷土芸能

遠野市内の芸能団体が市外の芸能祭等に招かれることは、結構あるようですが、

逆に市外の団体を遠野で観る機会は滅多にありません。

そんな中で、東和町の石鳩岡神楽さんと北上の綾内神楽さんは平倉神楽さんとの縁から

持ち回りの交流会で、黒森神楽さんは南回り巡業の年に其々遠野で観ることができます。

 

今年は暑い日が長かったので、急に秋がきたような・・・。

でも、よく考えるといつもの時期辺りに紅葉が始まっているんですね~。

さて、黒森神楽も最終の其の参です。

 

山の神舞いの後半あたりに振舞われたお酒

 

山の神舞いが終わる頃には後ろの席のお客さんにも振舞われ、

その間にお花披露及び御礼口上

久しぶりに日本酒を少しだけ口にしてみましたが、口にした途端、

あっという間に下まで通過していくのを感じました。早すぎかな?笑

 

七番目 恵比寿舞

 

これまた沿岸では人気の演目。遠野でも人気です。

この演目ほど、内陸の早池峰系神楽と遠野の山伏系神楽を含む沿岸の神楽との違いが

はっきりわかる演目はないように思います。

 

これまた、面の中が誰なのか興味津々です。

何度か観ているT中さんは来ていないので、はて誰?

などと思いながら、ついつい目が行ったのは、釣り竿です。

持ち手辺りの節の細かさといい、なかなかの竿とお見受けしました。笑

 

さあ、そろそろ鯛が泳ぐ時間・・・誰にお願いしようかな?

 

最前列に早い時間から陣取っていた家族の子ども二人

どうやら、これがやりたくて来ていたようです。慣れているようでした!笑

同じ場面で、遠野の子どもだったら・・・おそらく見たこともないので尻込みしたでしょう。

 

舞手の違いが所作にも表れており、個性を感じることができました。

 

八番目 最後の演目は鐘巻

一般的な巡業では演じないとのこと。遠野の神楽でも例祭には演じません。

 

早池峰系では安珍・清姫の話として演じられますが、黒森では女人禁制のお寺の参詣を

あきらめきれずに訪れた長者の姫が蛇の鬼神になり、

 

通りがかりの僧がその鬼神を祈り伏せる。

という内容だと説明資料に記されていました。笑

 

大蛇退治なら、なまめかしいシーンとなりますが、この演目では少し大人しく?

これにて予定演目の終わりです。

 

最後は身固めの権現舞。会場内のお客さんの頭をカミカミして終わり。

勿論、私もお腹周りを入念に噛んで頂きました。笑

 

あ~観た、観た!と皆さん満足げに会場を後にしました。

そう一番思っていたのは私かもしれません。笑

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2023 黒森神楽遠野公演 其の弐

2023-10-24 15:54:55 | 郷土芸能

黒森権現 三間四面  

大同元年田村麻呂利仁公之御建立ト古来より申伝候得共、慥成縁起・由緒不相知

応安三年 守行公、天文十年 安信公、 慶長五年 利直公、 

延享五年 利視公御再建之棟札有

右は別当赤龍寺 社人川原田小十郎

南部領宗教関係資料「御領分社堂」にある黒森神社の部分です。

遠野あたりでも古い謂れのあるものの草創は大同元年が使われていますが、

そのぐらい古くからあり、南部藩主からも特別視されていたということでしょう。

当時の黒森権現を祭祀する修験者によって行われていたのが黒森神楽の始まり。

と云う事のようです。

さて、其の弐

 

木賊刈(砥草刈)とぐさかり という演目です。

初めて観ましたし、他でもこの演目は聞いたことがありません。

木賊(砥草)・・・ネットで調べました。なるほど、植物です。汗

 

演目紹介資料では、右手に鎌、左手に木賊を刈る仕草を表現するとありました。

でも、なぜその木賊を刈るシーンを演目にしたのかわかりません。

よくあるのは、様々な物語の一場面を舞にするのことが多いようですが・・・。

繁殖力のある草のようなので、子孫繁栄や長寿を願うものなのかもしれません。

また、能楽の「木賊」からきているのかもしれません。想像してみました!笑

 

打ち鳴らしから数えて五番目 狂言の鍛冶屋

 

鍛冶屋の三条小鍛冶宗近と徳川家重臣の本田平八郎忠勝の掛け合い狂言です。

 

何度か観たことがありますが、この顔ぶれは初めてでした。

やはり、人が変われば雰囲気も変わり、新鮮な気持ちで笑わせて頂きました。

 

六番目 山の神舞

どこの神楽でも一番人気の演目なんだと思います。

 

黒森では山仕事や農耕を守護するだけでなく、山が航海や漁場の目当てになることから

漁業者からの信仰も深いと資料にありました。

 

また、黒森神楽の山の神は女神で赤い面はお産で息んでいるからだとか、

 

黒い背負い帯は子供を負ぶっているのを表していると云われ、

安産の神として女性からの信仰も厚いということのようです。

 

では、しばらくは、写真をお楽しみください。笑

 

 

 

 

 

 

 

誰が演じているんだろうと思っていたらH9年組の一人

S50年代組から確実に若返っていますね!笑

 

遠野の若者にも、もっと色々な地域の神楽を観て感じてもらいたいと

いつも思う昭和世代です。笑

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2023 黒森神楽遠野公演 其の壱

2023-10-23 17:30:18 | 郷土芸能

谷村新司さんが亡くなったと思ったら、今度は、もんたよしのりさん。

季節の変わり目、時代の変わり目を感じます。

 

山は早池峰も六神石も初雪となり、里は稲刈り終盤の遠野。

 

まさに実りの秋ですが、マスコミから熊の話を聞かない日はないこの頃。

ほんとに山のどんぐりが大凶作なんでしょうね。

散歩を日課にしている私ですが、熊と遭遇しないように山や河川には近づかない

ルート変更しました。汗

さて、

昨日は遠野郷八幡宮で、黒森神楽さんの公演がありました。

今年の3月に南回り巡業の一環として遠野に来る予定だったのが新コロで急遽、中止。

今年の私は、それが悲しいような嬉しいような・・・

巡業の前日、矢巾での合宿に入ったばかりで、行きたくてもいけず・・・で、今回は、

神は我を見捨てなかったようで、先日の検査で無罪放免となり、喜び勇んで八幡さんへ!

 

あまりの嬉しさに、開場時間の1時間前には・・・。

既に黒森の皆さんがお出でになっており、準備の真っ最中。

 

その後、まだまだ時間があるということで、境内散策。笑

紅葉色づき初めといった状況でした。

21日から11月3日までの間、夜7時までライトアップをしているそうです。

 

11時30分、準備が整い、遠野郷八幡宮へご挨拶

 

神楽を観に来た人も、そうでない人も一緒に。

観たことがある人は、わかるでしょうが、一緒に歩きたくなる軽快な笛・太鼓です。

 

参拝

今回は、公式巡業ではないので、シットギ舞込みはありませんでした。

 

会場に入ると黒森の権現様を飾り、

 

神楽座を清め、打ち鳴らしでスタートです。

 

最初は、清祓(きよはらい)

 

その名のとおりに清め祓いの舞

 

桃の枝、塩、太刀によって四方を祓うとパンフレットに書いていました。笑

 

さあ、ワクワクする時間が始まりました!

 

続いて、岩戸開き

 

閉ざされた岩戸の前で天宇受売命(あめのうずめのみこと)が舞まうシーンですが、

 

いつも感じるのは黒森神社例祭の湯立神事における神子舞を動画で観た時のこと。

この天宇受売命の舞が、その神子舞と重なって観えてしまうのです。

もしかして、いつかその神子舞を現地で観たいと思い続けているせいかもしれません。

 

岩戸が開いたところで、前半の終了です。笑

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