とんとんのヒトリゴト

のんびり成長中のムスメの成長記録と趣味や日々の徒然話など。

副籍制度から見えた事

2009-03-19 | 学校生活(1年生)
春休みを目前に控えた先日。
「春休みを乗り切るために、充電しましょう~♪」という事で、お友達のお宅でランチをしながら楽しくお喋りをしてきました。
集まったメンバーは同じクラスの友達などを含めて7人。障害のタイプも悩みもそれぞれ違うけれど、1年を過ごした今は色々な事を相談し合える仲になりつつあります。

そんな私たちの会話の中心はほとんど子どもの事なのですが、たまたまその時話題になったのは「副籍制度」の事だった。
このブログでも何度か取り上げた事がありますが、ぶーちゃんは去年の9月からこの副籍制度を利用して地域の学校のお手紙交換などを重ねてきました。

そんな話をしたところ、なんと驚きの事実が発覚。
そこにいた7人のうち、この副籍制度を利用しているのはうちだけだったんです!
てっきり皆利用しているのかなぁ・・・と思っていたのですが、話を聞くとなかなかそこには複雑な事情があるようなんです。

なぜ副籍を申し込まないのか・・・その理由はほとんど皆さん一緒。
それは「(副籍を申し込む)学校に、兄弟が通っているから。(もしくはいずれ通うから)」だったんです。

7人のうち、うちともう一人同じクラスの女の子だけは一人っ子なのですが、他のご家庭はみんな年の近い兄弟がいるんですよね。
ぶーちゃん達が今度2年生になるのですが、そのお兄ちゃんやお姉ちゃんとなると大体今4~5年生って子が多い。
すると、やっぱり色々難しい事が多くなるんですって。

「親の見ていない所で妹や弟をいじめる」とか、「高学年になった途端、友達が家に来る時には「こっちにこないで」と言って締め出してしまう」とか、そりゃバリエーションは色々。
障害を持つ兄弟がいる子どもの気持ちは複雑ですよね・・・。
親は当然障害のある子供を中心に動いてしまうし、そうしなければいけないという理由は子どもなりに頭では分かってもなかなか気持ちが追い付かない。
そのうち周囲の友達とかに「お前の兄弟ってなんで喋んないの?」とか「変な奴~」とストレートに言われる事が増えてくれば、自然と距離を置きたくなるのもやむを得ないんだと思うんです。

そんなデリケートな時期に入る兄弟がいる中で、あえて学校に「障害のある子供」を連れて行き、余計に兄弟に負担をかけるのは出来れば控えたい・・・という気持ちがあるんですって。
お便りの交換だけなら、どのみち兄弟が持ってくるお便りで十分だし、地域とのつながり・・・は兄弟関係で嫌でも培っているので、あえてそれをやる必要もない。

まぁ、おおよそそんなところだったかな。
ぶーちゃんに妹も弟も作れなかった私には想像もつかない葛藤がそこにはあるんですよね・・・。
皆、そういう時期だから・・・と言ってはいたけれど、複雑な思いを抱えているのが伝わってきました。

私もぶーちゃんを連れていて「なんで喋んねーの?大きいくせに馬鹿みてぇ・・・」と居合わせた子供に直接言われた事があるんですよね。
もちろんその子どもには一言いいましたけれど、それでもやっぱり凹むものです。
親でも凹むその言葉を兄弟という立場で言われたら、凹むと同時に「なんで私ばっかり・・・」と恨めしい気持ちになるのも当然だと思うんです。

実は先日、別の集まりでもその話題が上ったのですが、その時に自らも障害のある子供を育ててきた先生が体験談として言っていた事がありました。

例え今どんなひどい事を言ったとしても、それは「一時的なもの」であるから頭ごなしに怒ったりしない方がいい。
「いつも自分は二の次にされている」と感じている子供に、「君の事も大事に思っているんだよ」という事を出来るだけ伝える事。
そして、出来れば同じ境遇の子供同士で話す場を作り、親には打ち明けられない悩みや複雑な思いを打ち明けられたり、共感し合える場所を作れればいいんですけれどね・・・と。

私達も同じ境遇だからこそ「あうん」の呼吸でお互い共感し合い、心のガス抜きが出来る。
同じ様な立場の子供たちだって、本当にそういう場があればいくらか楽になるかもしれないんだけれどね・・・と思わずにはいられません。

先日もらった副籍制度の推進資料によると、副籍の利用状況はおよそ35%ぐらいだそうです。この数字を最初見た時には随分少ないんだなぁ・・・と思ったのですが、ここの所の様々な家庭環境の話を聞くにつれて「それも仕方ないんだなぁ・・・」と思えるようになりました。

副籍制度は画期的な制度ですが、そこには色々な側面がある。
嫌な言い方だけれど、それをきっかけに「いじめ」や「偏見の目」に晒される危険性があるって事なんですよね。
もちろんそれをはね付けるだけの心の強さや周りの優しい目があれば一番いいのですが、それは私たち側の理想論であり現実はなかなか難しいのも理解できます。

それでも一人っ子のぶーちゃんには副籍制度を利用するぐらいしか地域の皆さんに彼女の存在を認識してもらう手段はなかった。
だから、私はこれで良かったと思っている。
たまに「あらっ・・・?」って感じで振り返られる事があったとしても・・・だ。

さて、私の他にもう一人いる一人っ子のママさん。
彼女は副籍を利用した時に、万が一皆の前で子供の事を紹介したり挨拶したりする事があったらどうしていいか分からないので、申し込むのを躊躇していたそうなんです。
なので、私の体験談(先生がコメントを考えてくれて、私はただ頭を下げただけだった)という事を話してあげたんです。
そうしたら俄然副籍制度の利用に前向きになった・・・んですがね。
「もしこれで地域のお友達に知ってもらえる事が出来たら、スーパーとかで何処かに逃走しても『○○ちゃん~♪』って声掛けて止めたりしてくれたりするかしら~」と言いだしたからみんなで大笑い。

それは夢を見過ぎだろう・・・ってね

そんな私たちの明るい未来はどっちだー!!と叫びながら今日のエントリーは終了ですvv


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