平成最後のひとり旅

通路をはさんで斜め向かいでお蕎麦を食べるおじいさん。ちらちらこちらを見ている。新緑の中を1時間半かけて歩き、のどが渇いて、お腹もすいて。私は、ビール片手に鮎の塩焼きにかじりついていた。

「昼のビールはおいしいだろう。」
おじいさんに話しかけられて、最高です！と答える。

「うらやましいなあ。俺はカラダ壊して酒はやめた。今日は、平成最後のひとり旅を楽しんでるんだ。」

そう言うと、早朝にもかかわらず「芋洗い状態」の混雑だったという道の駅の話、その後2時間、田んぼにおりて「セリ」をたっぷり採った話、疲れたのでひと休みしているんだと、朝から今までの「旅」の様子を教えてくれた。

そういえば。
田舎に帰ってきてからというもの、知らない人とよく話している。この店に来る前に立ち寄った場所でも、NHKののど自慢番組に出演した動画を見せられ、孫娘の話を聞き（笑）。

いやいや、朝から。
お風呂に行けば「おはようございます」「お先に」「ごゆっくり」と声をかける。

道を歩けば「こんにちは」「今日はあたたかいですね～」と。赤ちゃんと、子どもと、お年寄りと。買い物をしていても、散歩に出ても。とにかくよく話す。昨日もお店でメニューに悩む見知らぬ人に、おすすめの一品教えちゃったりして。

歳を重ねてちょっと（？）ずうずうしくなり、人との距離を上手にとれるようになったのか。若い頃は、こういうことが面倒だなあと思ったりしたけれど、今は、存在のキャッチボールのような感覚が嬉しい。

平成最後のひとり旅、おじいさんから「成長した自分」に気づかせてもらいました。出会いに感謝です♪

【メイン写真】
焼きたて鮎とビールでひと休み♪

【リンク先】
藍染めくらし
有限会社E-スタヂオ