話題?の「
セカンドライフ」、どんなものなのか興味深々。掌にひとつ目のマークは、フリーメーソンの「万物を見る眼」みたいです。
引用した記事から、サルバドール・ダリの「偏執狂的批判的(パラノイアック・クリティック)」という言葉を連想させられました。
ある種の精神病患者に雑務の代償として代用通貨を与えて精神病院内で利用させ、リアル社会への適応を促すような強化療法がありますが、ダリのいう「偏執狂的批判的」な方法とは全くこの逆で、健康な人たちに強迫神経症の如き体験をさせるものです。レム・コールハースは、このような体験を「観光旅行」に例えていましたが、まさしく日常的なリアルワールドから非日常のヴァーチャルワールドへの旅なのでしょう。ダリの描いた「偏執狂的批判的」な世界を覗くときに感じる快楽は「観光旅行」の愉しみと似ています。
リアル世界において傷つき疲れ果てた人たちにとっては、「偏執狂的批判的」ヴァーチャル世界への逃避行は効果的療法になり得るのかもしれません。しかし「観光旅行」はあくまでテンポラリーなもの、いつか我が家に戻るときがやってきます。戻るべき場所こそが Home Sweet Home でないといけません。
別人格を作り、匿名でブログを書き続けているだけでも、いつしかヴァーチャル世界で座礁、沈没してしまって、元の場所に帰ってこれなくなるのではないか。と心配になったりすることがあります。
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「セカンドライフ」でニートが大金持ちになる!
(ゲンダイネット - 03月08日 10:00)
映画「マトリックス」みたいな“仮想社会”が現実の話になってきた。全世界で会員数300万人を超える米国発の仮想空間オンラインサービス「セカンドライフ」が、もうすぐ日本に上陸する。一部では「ニートが急増する」と懸念する声も聞こえるが……。
「セカンドライフ」は、会員がインターネット上の仮想都市に自分の分身をつくり、自由気ままに生活するゲームみたいなサービス。分身は男でも女でも構わない。現在、360万人の“住人”が起業したり、モノを作って売るなどして仮想通貨が流通している。この通貨は現実の米ドルに換金できるというからビックリだ。IT業界に詳しいジャーナリスト・井上トシユキ氏が言う。
「すでにさまざまな商売が成立しています。映画の自主製作が趣味で、仮想都市に映画館を建てて自分の作品を上映したり、土地を買って開発し、高騰させてから売って100万ドル(約1億1600万円)相当の大儲けをした人もいる。会員数は毎月30%以上も急増しています。企業も続々と参入していて、英国のロイター通信は『セカンドライフ支局』を開設、仮想都市で起きた出来事や事件をニュースにしています」
漫画みたいな話だが、トヨタもこの中で新車発表をしたり、本物とソックリの車を売っている。米IBM、ナイキ、日産、中古書籍のブックオフなども次々と仮想店舗を出店しているのだ。風俗店もあり、レイプ事件も起きている。
「米国ではここで得た収入への課税ルールを検討しているほどです。課税が決まり、正式な収入と認められれば、職業欄に『セカンドライフ』と書く人も出てくるかも知れない。パソコンに向かっていれば仮想社会だけで収入を得られるため、現実社会に対応できないニートなどが逃げ込み、ますます社会復帰できないケースが増える事態も想定されます」(井上トシユキ氏=前出)
とんでもない世の中になってしまった。
【2007年3月5日掲載】