Tomotubby’s Travel Blog

Tomotubby と Pet の奇妙な旅 Blog。
でもホントに旅 Blog なんだろうか?

「龍門」は、ないもん?

2006-02-03 | Asia 「圓」な旅
魯園菜館」の壁には、手書きのメニューが貼られていて、その中に「小包」というのがありました。「」という字は中国の「簡体字」です。前後に「小」と「包」があるので、これが「小龍包」で「」の字は「龍」であることが容易に判りますが、Tomotubby は以前「」の字で大失敗をしたことを思い出しました。

それは二回目の中国個人旅行。上海に二泊後、ホテルで荷物を預かってもらって身軽になり、蘇州まで列車で一泊旅行をしたときです。中国での鉄道旅行はこのときが初めてで、うまく切符が買えるかどうかが心配でした。それは中国個人旅行経験者 pet君からいろいろ経験談を聞かされていたためです。
切符売り場の前には、窓口が開く前から人民の人たちの行列ができている。
服務員の気まぐれで窓口が開かなかったり、急に閉じられたりする。
行列に並んで順番が回ってきても、言葉が通じないため、後回しにされたりする。
希望する切符が買えないことがよくある。
等々です。

ただ、手元のガイドブックには、上海站(駅)に外賓専用の切符売り場が設けられていると書かれていて、まあ行ってみれば何とかなるだろう。と思いながら、タクシーで站(駅)に向かいました。確か最初に站(駅)の東側にある切符売り場に行きました。薄暗くだだっ広い場所に窓口が並んでいますが、開いている窓口はひとつもなく、前には人民の人たちが地べたに座って待っているのでした。ああ、これが噂の...と思いながらも、いいもんね。外賓専用の窓口があるもんね。と、窓口を探しましたが見つかりません。ならば「筆談」と、メモ帳を取り出して、座っている人民の人たちに「筆談」で聞いてみたのですが、どの方にもまったく通じません。今にして思えば「乗車切符」「発売窓口」「案内所」などと日本語を書いたうえで「何処」とか書いていたのだと思います。「火車票」「售票処」「問詢処」は「在里」と書かなければいけなかったのです。ただ、何人か人民の方たちと話していると、あんたは外国人だから、こことは別のところで切符は買えるよ。と言っているような気がしました。

Tomotubby は人民の方々に協力を仰ぐのは諦めて、外国人専用窓口がないものか、大きな站(駅)の中を虱潰しに探していきました。だが、しかし、それらしきものは見当たりません。站(駅)についてからすでに1時間が経とうとしていて、このままでは予定していた列車に乗ることは難しくなってきました。案内所(i)らしきものも見当たらないので、服務員の人、それも若くて親切そうな女性をつかまえて聞いてみました。彼女は我慢強く「筆談」を聞いてくれたうえで、手を顔の前で振って、メモ帳を取り上げ、そこに大きく「」と書いて、駅の外を指差したのでした。

がーん。

Tomotubby は「」の字を、よく似た「(無)」と取り違えてこれを「無門」と解し、彼女の所作から、専用切符売り場は無くなったから外へ行け。と解釈したのでした。仕方ないので、再び人民の方たちが並ぶ窓口のある建物に戻りましたが、そこにはお変わりなく先ほど筆談した方々が待っていました。服務員が「」と書いたメモを見せたところ、中国語で何やら相談を始めて、ひとりの方がその「」を指差して、次に站(駅)の外の方を指差しました。

がーん。

外に行けとは、いったいどういうことなのか? これには、オプティミストのTomotubby も途方に暮れました。乗車予定の列車は既に行ってしまったし、蘇州行きは諦めなければならないのではないか? と落ち込んでしまったのでした。それでも懲りずに、通行人の人民のおばさんに「」のメモを見せていろいろと「筆談」で聞いてみました。そうするとおばさんは、站(駅)の西の方を向いて、站(駅)の前の建物を指差すではないですか。これはまったく想定外でした。その建物こそは「龍門賓館」つまり「賓館」という高層ホテルで、行ってみると、なんとホテルの中に外賓専用切符売り場が移っていたのでした。


龍門賓館(現在改装中)

簡体字が判らないために、蘇州に着いたのは、予定より二時間も遅れてしまいました。その後は「石窟(龍門石窟)」や「(無錫)」という簡体字の地名も知ったので、間違えることはなくなりましたが。