日本でルチャ・リブレが見れることを知り、翌日は朝から後楽園ホールに向かった。断わっておくが私はレスリングほか格闘技全般について世間一般以上の関心がなく、その結果としてそういうものを生で見た経験はこれまで一度もなかった。よってテレビでよく目にする後楽園ホールという場所に足を踏み入れるのも恐らく初めての経験であろう。ついでに言うと、私は競馬ほか公営ギャンブルというものについて世間一般の関心すらもなく、後楽園ホール周辺に蝟集する中高年男性の一群がいったい何をしているのかも見当がつかなかった。もちろん彼らは場外馬券を買うのが目的だったのだが。
後楽園ホールは小さなエレベータで上がった五階にあり、想像していたよりもずっと小さく感じられた。四方に傾斜した客席があり、底になった場所に四角いリングがあるものだと、何故か私は勘違いしていたのだ。相撲中継のときにテレビで見る国技館のように。同時に不思議な既視感が私を襲う。もしかすると遠い昔、コンサートか何かを観に誰かに連れられてここを訪れたことがあったのかもしれない。場内はほぼ満席で興行としてはまず成功に違いない。催しは既に始まっており、正面奥の舞台の上では、マリアッチの演奏に乗ってダンスが披露されていた。
そしてポスターに出ていたあの仮面のレスラーの挨拶が始まる。リング・コスチュームではなく、ベージュのスーツ姿に黄金の仮面。レスラーにしては小柄な彼がこの催しのプロデューサーでもあるウルティモ・ドラゴン(究極龍)で、「闘龍門」なる日本人ルチャドール、つまりメキシコ流レスラー養成学校の校長でもあるらしい。私はウルティモ・ドラゴンのルチャドールとしての人気やキャリアについてよく知らなかったが、メキシコだけでなくアメリカでも有名なルチャドールらしい。(ファンの方、ごめんなさい)
後楽園ホールは小さなエレベータで上がった五階にあり、想像していたよりもずっと小さく感じられた。四方に傾斜した客席があり、底になった場所に四角いリングがあるものだと、何故か私は勘違いしていたのだ。相撲中継のときにテレビで見る国技館のように。同時に不思議な既視感が私を襲う。もしかすると遠い昔、コンサートか何かを観に誰かに連れられてここを訪れたことがあったのかもしれない。場内はほぼ満席で興行としてはまず成功に違いない。催しは既に始まっており、正面奥の舞台の上では、マリアッチの演奏に乗ってダンスが披露されていた。
そしてポスターに出ていたあの仮面のレスラーの挨拶が始まる。リング・コスチュームではなく、ベージュのスーツ姿に黄金の仮面。レスラーにしては小柄な彼がこの催しのプロデューサーでもあるウルティモ・ドラゴン(究極龍)で、「闘龍門」なる日本人ルチャドール、つまりメキシコ流レスラー養成学校の校長でもあるらしい。私はウルティモ・ドラゴンのルチャドールとしての人気やキャリアについてよく知らなかったが、メキシコだけでなくアメリカでも有名なルチャドールらしい。(ファンの方、ごめんなさい)
