桂木嶺のGO TO THE THEATER!~Life is beautiful!~

歌舞伎中心とした演劇・クラシック音楽・美術展・映画など芸術全般のレビューを書きます。優れた芸術は応援します!

21世紀の傑作&スター誕生!スーパー歌舞伎Ⅱ「ワンピース」が見事です!【ネタバレあり】

2017-11-08 00:22:28 | 芝居のエッセイ

 

きのうは快晴の中、

話題沸騰中の舞台「スーパー歌舞伎Ⅱ(セカンド)~ワンピース~」に行ってまいりました!

新橋演舞場は、すでに大変な熱気でした!

結論から申しましょう!

「ワンピース」は私は初めて見たのですが、

今回の配役を得て、まさに「21世紀の歌舞伎」の傑作が誕生しました!

これも、りっぱな「かぶき」なのだとわたしは痛感します。

とにかく、大感激して帰ってきました!

ぜひ、演舞場のみならず、海外にもこのすばらしいパフォーマンスを輸出させたいですね!

まずは、劇場の中をご案内いたしましょう(^_^)/


開演30分前の3階席から見た風景。舞台には、ルフィがお出迎えです。

この後、キャストのみなさんから、たのしいグッズ(スーパータンバリンやミニトートバッグなど)の

販売のご案内が、映像で流れ、おもわず場内は大爆笑!


これがうわさの「スーパータンバリン」です!

どんな場面で使うかは、見てのお楽しみに!

一個900円しますが、たのしい観劇の記念にもなりますし、

ぜひぜひみなさまおかいもとめくださいませ(^_^)/



今回「ワンピース」が成功しているのは、この演舞場全体が、

すっかり「ワンピース」シアターと化しているところ。

おびただしいグッズコーナーも、熱心な「ワンピース」ファンにとっては

ほとんど「聖地」なのですね!

(こちらは2階のグッズコーナーです。スーパータンバリンもここで買えます)


今回惜しくも休演された、猿之助さんからの直筆メッセージ。

演出・主演とまさに今回の「ワンピース」旋風の立役者です!

彼の才能・才気に、今回すっかり瞠目、感心してしまったかつらぎです!

丈の、一日も早いご回復をお祈りたします!

 


ちょっとお高めですが、1800円の筋書きです。

この筋書きはいろいろな意味で、レジェンドな記念品。

「ワンピース」ワールドをよく知るためのすぐれた手引きになっています!

 

今回、大抜擢にこたえて、一気にスター誕生!

尾上右近さんが海賊王・ルフィと、美しき女王・ハンコックの二役を見事に演じ分け、

拍手喝采をあびました。

(写真は舞台写真を購入しました)

この場面に涙するファンも多いのでは・・・(^^)

とにかく、「ワンピース」の最大のクライマックスで、

今回の白眉ともいうべき場面です!

私はおもわず一緒にタンバリンを使って盛り上がっておりました。

宙乗りをすればいいというわけではなく、

こうして、尾上右近さんのように、演舞場の1階から3階まで、

客席を一体化させて、劇的なカタルシスを生む、その双方向性が

今回の「ワンピース」の最大の成功の要因だと思っています。

まさに21世紀の新世代の歌舞伎にふさわしい名場面です!\(^o^)/





 

こちらも舞台写真から。右近さんはもちろんのこと、こちらもスター誕生の

隼人さん(サンジ・イナズマ・マルコ)、

巳之助さん(ロロノア・ゾロ、ボン・クレー、スクアード)のコンビ。

本水の立ち廻りでも大活躍で、抜群の身体能力を示しました。この二人から今後は目が離せません!

隼人さんはなんと(ネタバレご容赦!)宙乗りもあり、こちらもすばらしい飛翔ぶりです!

 

いろいろ見所満載ですばらしい成果を上げている「ワンピース」ですが、

まずなんといっても見事なのは、「原作の絵から抜け出たような」キャラクターの造型のみごとさ!

(個人的には、新悟さんのサディちゃんが気に入りました^^彼もすばらしい役者さんですね!)

竹田団吾さん(よく劇団新感線の衣裳を担当されていますね)の衣裳のすばらしさ、

センスのよさが随所にひかります。


また、プロジェクトマッピングと歌舞伎を見事に融合させ、

歌舞伎役者のすぐれた演技方法と、プロジェクトマッピングという最新映像技術をコラボさせて、

「ワンピース」のスケールの大きな世界を見事に現出したこと!

(これは大変にむずかしい技術なので、演舞場スタッフの技術の見事さを讃えたいと思います!)

 

そして、「ゴムの手」や「マグマの術」「炎の術」「氷の術」など

原作に登場するさまざまな術を、歌舞伎の手法や、演劇の最新の演出方法、照明などをくふうして、

完璧なまでに再現したこと。


また膨大な原作の中から、もっとも感動的なテーマ「友情」「冒険」「家族」

というシンプルかつ強烈なテーマをきちんと抽出し、

一本の強烈なドラマと太いストーリーに仕上げた、横内謙介の脚本のすばらしさ。

まったく、だれることなく、スーパー歌舞伎のすぐれた点を継承しつつ、

洗練された音楽などで、さらに進化させた猿之助さんの演出の卓抜したセンス!

右團次・笑也・笑三郎・猿弥・弘太郎・寿猿・門之助・・・

といったおなじみの猿之助劇団の重鎮たちの堂々たる演技、

そして、歌舞伎以外のすぐれた資質をもった、平岳大、浅野和之、嘉島典俊といった役者たちの参戦。

ふだんなかなか見る機会のすくない、男女蔵・竹三郎などのユニークかつ強烈な個性あふれる演技。

 

プリズムのような魅力を発揮する「ワンピース」は、まさに今月の「演劇界」で田中聡さんがいみじくも

「ヤマトタケル」に匹敵する作品である、と評されていますが、

ひょっとするとそれ以上のポテンシャルを秘めた、

日本の演劇シーンでも、まさにエポックメーキング的な作品になるだろう、と

いうことが、いえるだろうと思います。

 

主題歌の”ゆず”の声のすばらしさが演舞場に響き渡るのも、

まさにこの「スーパー歌舞伎Ⅱ」にふさわしい清新さですし、

イヤホンガイドも、「ワンピース」を熟知する谷原章介さんといううれしいごちそう。

尾上右近というひとのもつ爽やかな魅力が

主人公ルフィのまっすぐで「根拠のない前向きさ」にもつながって、

みごとな成果をあげています。

 

チケットはまだ手に入るようですので未見の方は、

ぜひぜひこのすぐれたパフォーマンスを見逃しなきよう!

演舞場へ急げ!\(^o^)/\(^o^)/\(^o^)/

 

#ワンピース歌舞伎

#尾上右近

#中村隼人

#坂東巳之助

#市川猿之助

 

あ、補足しますと、チョッパー役の市川右近くんも名演技でしたね!

彼の登場にも要チェックですし、

いったいチョッパーをどうするんだろうとおもっていたので、

まさに膝を打つ好配役でした\(^o^)/

 



最新の画像もっと見る