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そこで、自己紹介がてら、生まれて初めて見た演劇のご紹介を。それは、1974年の帝劇「風と共に去りぬ・第一部」です。私が6歳のころになります。ちょうど、「モスラ対ゴジラ」がテレビで放送され、主演の宝田明さんのファンになった私が、新聞広告でたまたま「風と共に去りぬ」の宣伝がでていたので、親にたのんで、連れて行ってもらったのがきっかけです。
このときの配役は、上月晃さんのスカーレット、宝田さんのレット・バトラー、横内正さんのアシュレイ、淀かほるさんのメラニー、三國連太郎さんのジェラルド・オハラ、益田喜頓さんのミード博士、京塚昌子さんのマミー、真木洋子さんのベル・ワトリングでした。
菊田一夫さんの畢生の大作でもあり、マーガレット・ミッチェルの名前も知った大変な名作ですが、忘れられないのが、帝劇の舞台に、南北戦争の映像がながれて、本物の馬が登場して、宝田さんと上月さんが命からがら逃げていく場面は、子供心に鮮烈な印象を残しました。...
またこの時の三國連太郎さんが名演で、「本当にこの人は気が狂ったんじゃないだろうか?!」と幼心にビックリしたほど、彼の演技が迫真に満ちていたことを思い出します。
上月さんの白いパラソル姿と、喪服でバトラーと踊る場面もワクワクしたものです。
第2部は上演されませんでしたが、やはり私の中では、スカーレットといえば、上月晃さんだし、バトラーといえば、宝田明さんなんですね!
すばらしい観劇はじめ。観劇に際し、連れて行ってくれたいまは亡き祖母と、一生懸命チケットをとってくれた母、夜遅くの終演時間にも関わらず、帝劇まで車で迎えに来てくれた父に感謝します。
またプログラムの冒頭には、現・松岡功東宝名誉会長が序文を寄せておられて、今でも私の宝物です。
ご縁があって、東宝に入って、そして、いまは退職しましたが、演劇・映画を語る人間として、みなさまにこうしてお話できるのも、この「風と共に去りぬ」体験があったればこそです。
こんな私ですが、どうぞよろしくお願いいたします!