萬文習作帖

山の青年医師の物語+警視庁山岳救助隊員ミステリー(陽はまた昇る宮田と湯原その後)ほか小説×写真×文学閑話

第74話 芒硝act.10―another,side story「陽はまた昇る」

2014-03-28 23:55:00 | 陽はまた昇るanother,side story
Though inland far we be 遠く、近く、



第74話 芒硝act.10―another,side story「陽はまた昇る」

ひとり、夜の部屋に携帯電話ひらいて架ける。

あわいオレンジ照らすシーツに寝返りうつ、その耳元コールが呼ぶ。
かちり、小さな電子音に繋がれてブランケットの温もりにアルト微笑んだ。

「こんばんわ、周?」
「お母さん、こんばんわ…今日はありがとう、」

懐かしい声に笑って告げる言葉は、毎年いつも伝えている。
この習い初めては何歳だったろう?その歳月に母が嬉しそうに笑った。

「こちらこそよ?お誕生日おめでとう周太、生まれて来てくれてありがとう。お花もありがとうね、朝に届いたわ、」

本当は今日、手渡したかった。
いつも自分の誕生日には母へ贈物する、けれど今年は帰られなくて謝った。

「ううん、家に帰れなくてごめんね…大学の演習に行っちゃって、」
「謝らないで?周が好きな勉強してくれてるの嬉しいもの、きっとお父さんも喜んでるわ、」

アルトやわらかに笑ってくれる言葉が温かい。
母も、今もう居ない父も共に喜んでくれると信じられる、その温もりに今日知った事実が痛む。

『環は雅樹の息子だよ、戸籍では父の養子で弟になってるがな。雅樹が死んだ後に生まれた試験管児だから、』

試験管児として生まれた子供には、いま自分が受けとった言葉も想いも誰が贈ってくれるのだろう?

自分の父は亡くなった、けれど母が想い伝えてくれる。
この伝言は夫婦の共に歩んだ時間と記憶が温かい、そして自分も父の記憶に真実の想いだと信じられる。
けれど今日託された一人の少年に預る伝言は、両親たち夫婦の時間も記憶も「父親」への信頼すら何も無い。

「…っ、」

嗚咽そっと呑みこんで頬もう温もり零れてしまう。
いま母の言葉に改めて気づかされた少年の現実は哀しい、それでも幸せに笑っていた白皙の顔は眩しかった。
あんなふう笑える心が何に支えられているのか?そこにある願いごと託された伝言は温かくて、その温もりへ母が微笑んだ。

「周、今日は後藤さんと雅人先生にもお会いしたんでしょう?」

訊いてくれる想いは伝わってしまう。
この質問には正直に応えると信じてくれている、そこにある母の真摯へ微笑んだ。

「ん、お会いしてきたよ?…あのね、思ったより悪くなってないって。9月に家でゆっくり出来たのが良かったって教えてくれたよ?」

夏9月の終わり、実家で喘息発作を起こしてしまった。
あのとき母がどれほど心配してくれたのか、それを解かっているから隠せない。
もう知られてしまったのなら正直に話す方が良い、そんな想いに電話越し微笑んでくれた。

「そう、診てもらえたなら良かったわ。周、無理しないでね?」
「ん、今もベッドに入っているから、」

正直に笑いかけた向う、そっと溜息かすかに聞える。
こんなにも心配かけてしまう、それが哀しくて、けれど今日ひとつ知った現実に心配すら温かい。

―僕には心配してくれるお母さんがいる、僕を産んでくれたお母さん…僕に命をくれたお父さんの記憶も、想いも、

父と母、ふたりが出逢い時間と想い重ねてくれた。
その時間たちが自分という命を産んだ、そして両親ふたりに自分という心が育った。
この全てに感謝することは当然だと今朝も想って、けれど今日自分の誕生日に知った生命の現実は「当然」が無い。

試験管児は、環は、どうやって「親」に感謝すればいいのだろう?

「っ…、」

想いまた廻って涙ひとつ、また頬を伝ってゆく。
いま独りの部屋でベッドの上、それでも電話向うに母は居てくれる。
こうして命も心も自分に繋いだ人の声を聴く、こんなふう自分は孤独じゃない、この当然じゃない現実に涙こぼれるまま母が微笑んだ。

「周、どうしたの?話せるなら聴かせて、」

ほら、母は気づいて訊いてくれる。
なにも言わないでも解かってしまう、そんな理解は体温から響くよう温かい。
この共鳴は血の繋がりが呼ぶのだろうか、記憶の時間が呼ぶのだろうか?この呼応ただ優しくて周太は微笑んだ。

「ん…お父さんとお母さんの子供で僕、嬉しいんだ…ありがとう、お母さん、」

託された秘密は言えない、けれど想いだけは伝えられる。
ただ想い素直な言葉に微笑んだ向こう、母も笑ってくれた。

「うん、お母さんも周のお母さんで嬉しいわ、ありがとう周、」
「ん、」

頷いて頬の涙ぬぐい、そっと寝返りうつ。
かさりシーツの衣擦れ聴きながら周太は今日の出来事を声にした。

「お母さん、今日の演習は2つの森を歩いたんだよ?杉の切株から小さな芽が出ていてね…演習の後は美代さんの家に僕、お呼ばれしたよ?」

ふたつの森を友達と恩師と、四人共に歩いた時間は愉しかった。
その後も楽しかった時間に笑いかけた電話ごし母も微笑んだ。

「そう、美代ちゃんのご家族もお元気だった?」
「ん、みんな元気だったよ、それで夕飯ご馳走になったんだけどね、美代さんつい受験のこと話しそうになって、」
「あら、ご家族にはまだ話せていないのでしょう?大丈夫だったの?」
「ん、なんとか誤魔化したの、公開講座でテストがあるって言って…ふたりで嘘吐いちゃって、」
「ふふっ、そういう嘘は仕方ないかな?その分も頑張れたらいいね、」

交わす会話に笑って応えてくれる、その声ひとつずつ温かい。
この温もりを自分は当り前のよう呼吸してきた、それが今ただ有難くて、だからこそ考えてしまう。

―僕は「いつか」どうやって環くんに話せたら良いのかな、光一にも…雅樹さんの伝言を、

環の実父で光一の伴侶、その存在を自分は直接知らない。
けれど彼の伝言は自分に託された、そんな運命の廻り合せは軽くなくて、けれど何か温かい。
その温もりを信じて「いつか」話せたら?そんな思案を母との会話に辿りながら誕生日の電話を終えて、ふっと声こぼれた。

「そうだ…僕もお祖父さんは知らなかった、ね、」

数ヶ月前、自分は祖父が誰なのか知らなかった。

けれど以前から「湯原晉博士」は知っている、著名な仏文学者で人格者だと知っていた。
それでも実の祖父だとは知らなくて、そんな自分と祖父の関係は環と雅樹の関係と似ているかもしれない。

―環くんも雅樹さんがどんな人かは知ってるんだ、お兄さんとして知っている、立派な医学生で山ヤさんだってこと、

実の父親が誰なのか?
それを環は知らない、その現実と温かい嘘を雅人は話してくれた。

『試験管児なことは環も知ってるよ、でも俺の両親の受精卵を環の母親に産んでもらったと話してあるんだ、子供がもう一人欲しかったからってな。
妊娠出産したのは環の母親だけど本当の親は吉村の父と母って事にしたんだ、環の母親が亡くなって返してもらったから養子縁組になったと話してる、』

試験管児である事実を環は知っている、けれど両親の真実を知らない。
まだ中学生に現実は重たすぎるから嘘を事実と告げられている、その嘘にある真実は哀しくて温かい。

『自分の誕生を望んだ男に捨てられて、実の母親も死んでドナーの父親も死んでいたら、自分が生まれた意味が解らないだろ?だから嘘を吐いてるよ、
この嘘を親戚や周りには話してる、亡くなった雅樹の代りに本家を継ぐ子供がほしくて代理母をお願いしたってな。だから俺の弟ってことになってるよ。
でも父の隠し子じゃないかって疑う人も多くてな、それで環のことは知られるまで話さないんだ、誤解がメンドウだからな。光ちゃんも話してないだろ?』

自分が生まれた意味が解らないだろ?

そう告げた雅人の眼差しは穏やかに哀しくて温かだった。
あの瞳に言葉に想ってしまう、叶わないと解かっていても願わずにいられない。

―雅樹さんが生きてくれていたら誰も嘘を吐かなくて良かったのに、雅樹さんがいたら光一も環くんも、

ひとりの青年が死んだ、その生と死から広がってゆく運命たちの変転は果てしない。
そんな変転の渦中にある少年は自分と少し重なるようで、ただ言葉も無い想い天井を見つめてしまう。

そして気づかされる、環も、自分も、不幸なんかじゃない。

「ん…想ってくれる人がいるもの、ね?」

ひとりごと確かめるよう家族たちの俤を天井になぞる。
祖父の写真はまだ見ていない、けれど開いた本たちに幾度も会って肉筆も見た。
あんなふうに環も雅樹と会っている?そんな思案に微笑んだ掌のなか着信音が呼んでくれた。

「あ…英二?」

流れだした旋律に名前を呼んで鼓動、ことり弾みだす。
昨夜は声を聴けなくて、だから今夜を待ちかねた想いごと繋いだ通話に懐かしい声が笑った。

「周太、誕生日おめでとう、」

ほら開口一番、大好きな声は名前を呼んで祝福をくれる。

いま電話の向こう何kmも離れて、けれど声ひとつ距離は繋がれて想い結ばれる。
そうして独りの部屋もベッドも今は温かい、こんなふうに唯ひとつの声は自分を幸せに攫う。
この声が自分を孤独から救ってくれた、そして知った現実の感情たち全てが今は幸福で周太は微笑んだ。

「ん、ありがとう英二…昨夜は電話ごめんね、寝ちゃってて、」

ありがとう、

この言葉一つに想いも時間もすべて伝えたい。
こんな願い見つめられる相手と出逢えたのも生まれて生かされた時間にある。
その現実と祈りは今日に出逢った少年の、命ひとつに温かく哀しく響き続けて、ただ優しい。




【引用詩文:William Wordsworth「Intimations of Immortality from Recollections of Early Childhood」】

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深夜休題

2014-03-28 23:50:15 | お知らせ他


こんばんわ、
ちょっとテレビなど見ていて加筆校正ほか遅れています、
で、お待たせ中にウチの同居者を貼ってみました。トンデモナイ悪戯坊主なヤツです、笑

取り急ぎ、



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雑談寓話:或るフィクション×ノンフィクション@御曹司譚45

2014-03-28 12:47:01 | 雑談寓話
こんにちわ、
今日はかなり温かいです、薄靄かかったような空の青も春っぽいカンジ。
で、この雑談もバナー押して下さる方いらっしゃるので続きまた載せます、楽しんでもらえたら嬉しいです、笑



雑談寓話:或るフィクション×ノンフィクション@御曹司譚45

明けて日曜は高校時代の友達とドライブだった。
そいつは運転好き×こっちはカメラ使いたいから一緒に出掛けるには都合良い相手同士なんだけど、
その日は天気も良くて道路コンディションも良かったから、ヤビツ峠から宮ヶ瀬→道志みちコースに結果なった。

ヤビツ峠→宮ヶ瀬湖→道志みち って言われて解かる人は走るの好きなタイプだと思うんだけど、笑
ヤビツ峠はカーブ+急坂+狭隘でいわゆる走り屋も割と多いルート、道志みちは神奈川から山梨県に抜ける山道ルート。
どっちも一遍に走るのは好きじゃないと疲れるだろってルートだけど、その日もいつも通り友達はテンション上げ↑でハンドルさばき笑ってた。

「予定外だけど道志まで入っちゃった笑 山中湖とか行っちゃう?チェーン積んでるし、」
「だったらあの店寄って、巨峰ジェラート食べたい、笑」

そんなノリで予定未定のまま県境超えて、富士山撮って、
まだ湖は凍っていなかったけど指冷えきるくらい寒くてさ、
それでも好きな店のアイス食べ行こうとしたら冬期休業だった、笑

「うわ肩透かし、冬ダメって忘れてたなー笑」
「じいさん三人でやってるぽいから仕方ないよね、笑」

なんて笑いながら諦めて、
ぐるっと山中湖一周しながら撮影ポイント寄り道しつつ道志まで戻ってさ、
道の駅に寄って寒いとき寒いモン食べるとかって馬鹿だなー言いあいながらアイス食べて、冷え切って、笑
頭冴えたとかナントカ言いながら宮ヶ瀬湖まで戻って車停めたら「熊鍋」なんて品書き見つけてイキオイ食べることになった、

「うわ脂身にクセある、俺ちょっと無理だーきりたんぽ担当する、笑」
「じゃ遠慮なく肉もらうね、笑」

ってカンジで遅い昼に食べた熊肉はお初だったけど体やけに温まるのが面白かった、
クマは精がつくとかいうけどホントなんだなーなんて感心してたら友達が言ってきた、

「俺さ、今年のクリスマスたぶんまた独りか野郎で集まるカンジ、凹」

ホント相変わらずモテないんだ?笑
こんな相変わらずが面白くて笑いながら訊いてみた、

「ホント相変わらず完全オヒトリサマなワケ?社会人の男がさ、笑」
「うーまあ何も無い訳でもないんだけどさー悶々苦笑」

なんて煮え切らない顔で言って来てさ、
そういう反応お初だから面白くてツッコんでみた、

「誘えるっぽい相手はいるけど好み違うってカンジ?笑」
「そんなカンジ、あ、ナニ言いたいか解かるからソレ以上言うなよ?」

もうソレ以上言わなくても解かるって貌で言われてさ、
でも面白いから言ってやった、笑

「選り好み出来るほどオマエってモテるんだ?ふうん、春が来たんだねオメデトウ、笑」

そいつ喩えるならムーミンっぽい貌なんだよね、いわゆる愛嬌あるけど美男とは言えない。
しかも趣味&思考がドウ考えても女の子に好まれない、そんなヤツだけど気の好い困り顔が笑った。

「あーほんとオマエ相変わらずSだよなあ、やっぱ俺ってソンナに非モテ?笑」
「歴史と経済と車の話しか出来ないヤツのこと、女の子は好きだと思う?笑」
「おもわねー笑 でもモテたいよーどうしたら良いか教えてくれー笑」

とか熊鍋の向こうで言ってくる。で、思ったまんま言ってやった、

「その茶髪まず安っぽいよね、服も自分に合うヤツちゃんと把握しな?髪も服も流行りモンやブランドで固めりゃ似合うってモンじゃない。
それから自分の話したいコト話すばっかじゃ無くて女の子の話ちゃんと聴け、人って頷いて聴いてもらえたら喜ぶし好きになったりするよ?」

ウチの高校、茶髪率が高かったんだよね。
金髪、オレンジ、赤、緑、青、銀髪にしてたヤツもいてさ、全く加工してないヤツ多分半分いなかった。
そういう流れで茶色っぽくしてるんだろうけど社会人男の茶髪ってトーン次第で微妙なカンジに思われる、だから指摘したら凹まれた。

「ソレって見た目から中身までダメだしされてんじゃん俺、凹」
「だね、でも努力次第なコトばかりだろ?笑」
「そうだけどさーこのままアウトレット行って服選んでもらいたくなるマジで、凹×笑」
「今の時間からってメンドクサクない?笑 っていうか見た目より会話をちゃんとしな、」

なんて会話で笑ってさ、そしたら友達が言ってきた、

「俺さー海外赴任になりそうなんだよね、それで一緒に暮そうって言ってくれるヒトがいるんだよ、」

なんか急展開だな?笑
そんな感想とサッキの発言+空気から訊いてみた。

「海外で同棲って結婚前提っぽいね、相手は気に入ってくれてんじゃない?同僚で一緒に赴任とかなんだろ、笑」
「そう、3つ上とかの先輩なんだけどさーなんでソコまで俺のコト気に入ってんのか解らないし逆に怖いっていうか、凹」

溜息まじりに言ってくる、
そんな貌がソイツらしくなくて高校時代が遠くなったなあ思いながら訊いてみた。

「あんまり美人じゃないカンジの先輩だね、付合いも未だ浅いんだろ?笑」
「単なる同僚ってカンジだよ、残業するモン同士だから飯一緒とか多いけど職場の話ばかりだしさー凹」

テンション下げながら話してくれるトーンは楽しさ0%ってカンジ、
恋愛相談にある浮ついたような幸せ空気があまりになくてさ、職場恋愛のメンドクサイ部分だけ出まくってた。
こんな相談事は数年前まで異世界だったけど、それが今は現実に友達の声で悩まれてるのが面白いな思いながら訊いてみた。

「おまえ、他に好きな人いるんだろ?だからセッカクの据え膳に迷ってんだろ、まあ食った後っぽいけどさ、笑」

こんな煮え切らないのは既成事実VSプラトニックがあるんだろな?
そんな予想に笑ったらムーミンは白状した、笑

「その通りだよお、ごめんなさいヤっちゃいましたよケダモノですよお、出来心で仕事差し支えてるよ悩んでるよ馬鹿だよ笑えよ、あははっ凹」

山の湖畔の飯屋でナニ叫んでんだろね?笑

なんて感想と周り見たら客あと一組だけいてさ、遠い席からナンダロって貌でコッチ見てた。
これ以上はご迷惑だろなって思ったから熊鍋さっさと空けてさ、会計割り勘で済ませて外に出てから笑ってやった。

「職場恋愛は地雷だって前に言ったろが?それも好み違うのにヤったってさ、単に童貞卒業を焦ったんだろ?ばかだなー笑」 

こいつ割と純情っていうか不器用なんだよね、笑
だからマトモに恋人いたことが無かった、で、友達は凹み笑いで白状した。

「うーその通りですよ馬鹿ですよお、あーもう海外までツいて来られたら俺完全に詰んでるよなあ、凹」

完全に詰んでる=先輩と同棲→結婚
って流れがあるんだろな思ってさ、だからヒント出してみた。

「ついて来られなきゃイイじゃん?そしたら解決だろ、笑」

あっさり答えたら友達の目が大きくなってコッチ見てさ、
その貌がまた面白いなあ思いながら笑ってカメラ準備し始めたら、友達に手を合された。

「おまえナンか良い案があるんだろ?お願い教えて!」
「それくらい自分で考えろ。甲斐性すこしは見せてみな、ドーテー卒業でオトナになったんだろ?がんばれ、笑」

ナンテ感じに軽くSって撮り始めて、放置された友達はボンヤリ遠く視ながら考え始めた。
よく晴れた冬の午後は光線が斜めに強く射して枯尾花が綺麗でさ、水面の漣も佳かった。
で、好きなだけ撮り終ってカメラ仕舞ったら友達また拝みこんだ。

「お願いだから教えてくれよ、俺いまホント解らねえんだって、お願い!」
「別の恋愛させればいいじゃん?笑」

さらっと答えて歩きだしたら友達びっくりした貌になった。
どういうことなんだろう?そんな貌がコッチ見るから思ったまんま言ってみた。

「前におまえ、後輩でカッコいいヤツ入って来たとか言ってたろ?そいつと彼女と3人で飲み行きな、で、何度か中座して2人きりにすればイイよ。
帰りも後輩に彼女送らせな、おまえは用事入ったとか適当言えばイイ。そうやって彼女と後輩の二人時間つくれば彼女そのうちソッチいくと思うよ?
彼女も男日照り寂しくてオマエの童貞ロスト希望と合致した感じじゃん?だったらイケメンとの未来期待させればソッチ執着して海外赴任も断るだろ、」

いわゆる当て馬を後輩クンにさせろって提案、
こんなアドバイス自分でドウなんだろ思いながら笑ったら少し焦ったみたいに聞いてきた。

「でもソレじゃ後輩に悪くないか?自分が嫌だからってメンドウ押しつけるみたいだろ、」
「その後輩モテるタイプなんだろ?だったら適当に躱すくらい出来るよ、もし逆セクハラやパワハラになりかけたら助けてやればイイだけ、笑」

その後輩の方がオマエより甲斐性あるんじゃない?
そんなトーン笑ったら溜息まじり言われた。

「ホントおまえって敵に回したくないなー相変わらず怖いヤツ、笑」

褒め言葉なのか貶されているのか?そんなセリフ高校時代も彼よく言ってくれてたんだよね、笑
コウイウのもナンカ懐かしいなって思いながら笑って訊いてみた。

「ソンナコト言うってコトは、コレ当たりそうなんだ?笑」
「おまえの言った通りなると思う、よく俺の話だけでソコまで想定できるよなあ、ホント怖いヤツ、笑」

感心×クサしながら笑ってくれる、その貌が少し安心した空気になってた。
ほんと悩んでたんだろなって感じが解かってさ、そういうのも高校時代から遠くなったなって思ってたら訊かれた。

「おまえの方は最近ドウなんだよ?秋に別れたとか言ってたよな、ソッチも年上だったろ?」

この質問なんか最近多いな?笑
そんな感想可笑しくて笑いながら正直にまた訊いてみた。

「バイセクシャルのひとに告白されたら、おまえドウ反応する?笑」

質問に気の好い顔が考えこんだ。
そのまま5歩くらい歩いて、それでコッチ向いて感心気に言ってきた。

「おまえが男にも女にも惚れられるってナンカ納得だなーこのまま高校に遊び行こ?センセイにソレ話してみろよ、笑」

ちょっと面白い先生がいるんだよね、笑
その先生の意見を聴いてみたいって発想は解かるなって思った、で、訊いてみた。

「日曜だけど先生ガッコに居んの?笑」
「部活で来てるはずだよ、大会近いからって俺も昨日はコーチやらされたんだ。今から行けばちょうど部活終わる頃だしさ、笑」

なんてカンジで急に母校へ行くことになった、予想外だけど、笑



とりあえずココで一旦切りますけどまだ続きます、
おもしろかったらコメントorバナー押すなど頂けたら嬉しいです、気が向いたら続篇載せます、笑

このあと第74話の続きか短篇連載かナンカの予定です。
小説ほか面白かったらバナーorコメントして続き急かして下さい、笑

取り急ぎ、



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