萬文習作帖

山の青年医師の物語+警視庁山岳救助隊員ミステリー(陽はまた昇る宮田と湯原その後)ほか小説×写真×文学閑話

夕雲富士

2018-06-30 22:22:00 | 写真:山岳点景
夕空遠景、雲波のぞく最高峰。
山岳点景:富士山@高麗山湘南平より遠望


買物ついでのドライブルート、雲吐く富士山がイイ感じだったので。
撮影地:高麗山湘南平@神奈川県2018.6.30

なんでもいいよ30ブログトーナメント
明日はヒサシブリどっか登りに行きたいトコです、笑
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木竜

2018-06-30 11:19:20 | 写真:建築点景
咆哮より愛嬌、
建築点景:金櫻神社


覗いている竜がかわいかったので、笑。鬱金桜ウコンザクラの名所で有名なところです。
撮影地:金櫻神社@山梨県2016.5※破風はふ=屋根の部位

山間部たどる道の奥、小さな集落の古社です。
狭いワインディングロードから集落の道に入ります、運転要注意。
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第85話 春鎮 act.59 another,side story「陽はまた昇る」

2018-06-29 22:45:01 | 陽はまた昇るanother,side story
Three winters cold 三つの冬へ
harushizume―周太24歳3月下旬


第85話 春鎮 act.59 another,side story「陽はまた昇る」

うつくしい、切長い瞳。

深い睫あざやかな陰翳が美しい、視線こもらす怜悧が美しい。
覗きこまれるような透かされるような、けれど踏みこませない静かな深淵。

ほら?きれいな深淵が僕を見る。

「あいつのことは今いいよ、それより周太?あのお…小島さんがなんで歌姫に怒るのか教えてよ?」

ああ、まただ。

“あの女”

あなたは「あの女」と呼ぶ、その「評価」が哀しい。
彼女をかけらも認めようとしない、それが僕にどんな意味か解らない?

―美代さんを英二どうして…僕がどんな気持ちになるか解らないの?

あの女の子は大切なひと、この僕には。
大切なひとをそんなふう呼ばれる僕は、あなたにとって何だろう?

「ファントムは一生懸命に生きるひとだって、美代さんは言うんだ、」

彼女の言葉を唇になぞる、大切だから。
どうして大切なのか、あなただから解ってほしいのに?

「あの怪人はようするにストーカーだろ、それが一生懸命なのか?」

問いかけてくれる唇が赤い、その瞳ゆっくり頭上を仰ぐ。
濃やかな睫から陰翳こぼれて、もう僕を見ない。

―どうして目を逸らすの、英二?

見つめてくれない、視線も言葉も。
それでも捉まえたい想い声になる。

「それもそうだけど、それだけじゃない…」

答えながら見つめる先、白皙の横顔に雪がふる。
大樹の根もと深紅の登山ウェアに白が舞う、その肩が美しい。

―きれいな英二…山に鍛えられて、

登山ウェア馴染んだ肩、ひろやかな鋭角なめらかに隆起する。
雪ふる髪ダークブラウン艶めく、白皙の頬えがく銀色まばゆい輪郭。
白きらめく肌うかぶ薄紅一閃は雪崩の痕、その刻まれた誇りが深淵も輝かす。

―もっと傷跡たくさん英二は…だからきれいで、

山に負った傷、いくつ?

その数いくつか自分は知らない、ただ、こんなにも山のあなたは美しい。
そんなあなたが好きだと、唯ひとつの想い声になる。

「ファントムは醜いから売られた子どもだったでしょう?でも勉強して成功して、才能のために酷いめにも遭って…それでも生きたひとだよ、」

醜悪に生まれて才能に生きた男、そんな姿とあなたは似ている。

“Le Fantome de l'Opera”

あの小説なぞらえる存在「Fantome」は、誰のことだろう?
その一つは父を「墜としこんだ罠」隠される歪な存在、そして、それだけじゃない。

『俺はきれいな人形じゃない、』

あなたの声が記憶に叫ぶ、初めての夏が秋が揺すられる。
あの時も今も変わっていない睫の陰翳、その深淵に続けた。

「でも歌姫の初恋のひとはハンサムでしょう?貴族に生まれて、みんなに愛されて良い人で苦労なんかしらない…ファントムと真逆なラウル子爵、」

美しい貴族の青年、そんな外貌とあなたは似ている。
けれど素顔は真逆だ「愛され」なかったから。

『俺はきれいな人形じゃない、』

もし“愛され”たなら“人形”じゃなくなるの?

そんな設問ずっと廻っている、あなたにずっと。
もしそうなら僕でも生かせるのだろうか、あなたを?
人形じゃないと叫んだあなたを、山の貌のまま生かせたらどんなに幸せだろう?

「…幸せなヤツだよな、そいつはさ、」

あなたの声がつぶやく、赤い唇に雪が舞う。
端整なきれいな唇、きれいな深い哀しい声、でもそれだけじゃないあなたは。
あなたはただ「きれいな人形」なんかじゃない、そう信じたくて声にする。

「英二…英二は、歌姫はどちらと似てると思う?」

呼びかけて見つめて、切長い瞳が自分を見る。
ふかい深淵が雪に見つめる、冷えてゆく風に息が白い。

「歌姫は家が没落して、それでもがんばってプリマドンナを目指したんだ…苦労から夢を叶える逞しいひとだよ、」

没落、それとは真逆に生きてきたひと。
それでも「目指した」強さは同じでしょう?

「ね、英二…ふたりは一生懸命に生きるひとなんだ、ひとりはご飯の心配したこともないのに…歌姫はご飯が食べられなくても舞台を選んだひとだよ?」

ただ一生懸命に生きる、そんなあなたが好きだ。
どうしても。

―山に駈ける英二が好きなんだ僕は…美代さんのこと好きになっても、まだ僕は、

一生懸命に生きる、そんな女の子を僕は好きになった。
それは恋かもしれない、それが「普通」で幸せかもしれない、ただそれだけじゃなく彼女を好きだ。

『誰もいなかったら独りで決めるしかないでしょう?孤独なぶんだけ歪んで、強くなって、』

そう彼女が言ってくれたから僕は、今、ここにいる。
あなたを独りにしたくないと気づけたから。

『でも私は醜くても生きる強さが好きよ、だって逃げるよりずっといいでしょ?』

そう彼女が言ってくれたから僕は今ここにいる。
あなたを肯定したいと気づけたから、だから声にしたい。

「そういう歌姫に、ほんとうに寄り添えるのはどっちだと思う?」

あなたに寄り添いたい、独りにしたくない。
だって逃げるよりずっといい、今、こうして向きえる一瞬が幸せで。

「ね、英二…もしファントムが天使みたいに美しいひとだったら、それでもラウルを選んだかな?」

あなたが美しくなかったら、選んだろうか?

そんな自問めぐりかけて、そんなこと無意味だと瞳に見つめられる。
だって結局あなたは美しい、今、こんなにも凍え傷んで、無理解でも。

「歌姫はファントムのこと、音楽の天使って呼んで憧れてたのに素顔を見て変わるよね…でも英二、もしファントムの素顔が綺麗だったら?」

声にして呼びかけて、切長い深淵が自分を見つめる。
白皙まばゆい貌に瞳ただ黒くて、それが闇でもきっと美しい。

―僕は英二のこと怖いんだ、でもそれだけじゃない、

あなたの闇を知っている、そのたび厭きれて傷んで。
けれど何も知らなかった感情より今がいい。

「英二…もしファントムの貌が天使だったら、歌姫はどちらを選ぶかな?」

天使だと、あなたを想っていた。

自分を救ってくれたひと、優しいひと、天使のように美しい心と体の人。
ただそう想い慕っていた、でも今は違うと知っている。

“Fantome”

醜い、けれど才能あふれた男。
醜い、それ以外すべて備えているのに選ばれない。
その醜さは外見じゃない、孤独でもない、あなたは気づいている?

「そうだな…、」

あなたの口もと微笑む、赤い唇に銀色くゆる。
なんて答えてくれるのだろう?想い、低い声かすかに哂った。

「ようするに周太が言いたいのはさ、歌姫は内面じゃなくて顔で選んだってこと?」

きれいな低い声が雪に舞う。
凍てつく森のふところ、切長い瞳に答えた。

「そう、だから…もし見た目が同じくらいだったらって…そういうの英二はわかるよね?」

声にして白く凍える、とけてゆく吐息に記憶うつろう。
あなたが教えてくれた過去の言葉、そのままに赤い唇が微笑んだ。

「きれいな人形って言われてる俺なら、ってことだろ周太?」

母親にとって俺は、人形なんだ。

そう告げた瞳が忘れられない、深淵ふかく傷んだ孤独。
あなたの母親だけが原因じゃない、そうして抉られた視線を見つめた。

「そう…だから美代さんは歌姫に怒るんだ、」

だから好きだ、あの女の子が。

『だから逃げないで?醜くても生きるひとが大好きなくせに、』

あなたの仮面ごと彼女は見つめてくれる、あの実直な勁さが眩しい。
ただ真直ぐに見つめる大きな瞳、あの明るい眼が好きだ。
だから解ってほしい、けれど赤い唇が哂った。

「は、なんだそれ?」

きれいな低い、冷たい声。

「…、」

英二、そう名前を呼びかけたい。
でも動けない唇の雪、切長い瞳が刺した。

「怒る?あの女も俺のこと顔だったくせによく言えるな、」

冷たい声が大気つらぬく、冷厳の森に刺しこめる。

「なあ周太?俺とあの女をデートさせたこと、憶えてるだろ?あのとき言われたよ俺、」

赤い唇やわらかに微笑む、赤色なめらかに硬く鋭い。

「光ちゃんよりも宮田くんの方がどきどきしますってさ?アレって顔だけ見てたってことだろ、同類だから怒ってんのか?」

きれいな低い声、たぎる冷厳の底から瞳が嗤う。

「そういえば言われたよ?俺のこと憧れで好きだけど今は湯原くんが一番大切なの、ってさ?あの頃から狙ってんたんだろ、貌だけの俺より周太をさ?」

冷たい声、冷たい視線つめたい言葉。
どうしてこんなに追いつめるのだろう、あなたは?

「思うんだけどさ、ラウルは顔がイイだけじゃなくて優しいだろ?ファントムと比べられない能無しだけどさ、優しい男は女を幸せにできるだろ?」

あなたの声が白く凍る、冷厳ふかく森が白い。
白銀きらめく山懐、それなのに今あなたの貌が苦しい。

「周太も優しい男だよ、あの女が周太を選ぶのは当然だろ?周太は能無しじゃないし見た目も中身もきれいだよ、でも俺はそうじゃないだろ?」

そうじゃない、なんて僕こそ言いたい。
どうして?

「周太にも前に言われたよな、俺は綺麗な人形の仮面を被ってるってさ?たしかに俺は顔いつも褒められるし無能でもないよ、でも素顔は醜いよな?」

醜いなんて知っている、でもそれだけじゃない。
それだけじゃないのに?

「でもあの女は周太とお似合いだよ、二人とも子どもっぽいけど賢くて大人びてるとこ似てる、一緒にいて楽しいだろ?」

ああまた「あの女」なんだ、どうして?
あなたも知っているはずなのに、そういう存在のこと。

「だから周太、もういいだろ?早く行けよ、」

もういいだろ、だなんて嘘。
もう知っているのに?

「ふつうに幸せになれるよ周太は、だからごめんな?男同士で恋愛とかさ、巻きこんで悪かったな?」

赤い唇が嗤う、その言葉に鼓動たたく。

“巻きこんで”

その言葉ずっと前に僕が言った、あなたに。
その想いずっと変わらない、今も、だから追いかけてきたのに。

「だから周太もうあの女のとこ行けよ?このまま俺に嫌なこと言わせるなよ、巻きこんで悪かった、ごめん、」

ごめん、

そんな言葉こんなふうに言わないで?
どうせ使うならもっと別のこと、それに気づいてほしいのに。

「もう行けよ嫌なこと言わせるなよ?それとも、もっと俺を悪役にしたい?ファントムみたいに、」

切長い瞳が嗤う、濃やかな陰翳から孤独が見あげる。
白銀まばゆい大樹の根もと、赤い唇しずかに動く。

「もうとっくに悪役だよな俺、ファントムは歌姫を閉じこめてラウルを殺そうとしたけどさ、俺も同じこと周太にしたもんな?」

ああ、あの夜のこと言うんだ今?

“Le Fantome de l'Opera”

あの物語の恋は「からくり」そのままに僕とあなたも同じ?
あの夜あのベッドで起きたことは「閉じこめ」かもしれない。
そうかもしれない、でも違う道の分岐点に美しい声が笑った。

「周太も憶えてるだろ?初任総合の夜、俺、周太の首を絞めたよな?」

ああ、それじゃないのに?

「忘れてないよな周太、離したくないからって自分勝手に殺そうとするような俺だよ?」

忘れていない、でもそれじゃない。
僕があなたに厭きれるのは、違う。

「もう周太は警察を辞めるんだ、もう俺に守られる必要もないだろ?俺の傍にいる必要はないんだ、もう行けよ周太?同性愛なんかに巻きこんで悪かった、」

守られるとか、そんなことじゃない。
巻きこむとか、なんてもっと違う。

「ごめん、もう行けよ嫌なこと言わせるなよ?もう俺の汚いとこ曝させるなよ?」

汚いところなんてもう驚かない、知っているから。
醜くて独りよがりで、けれど今ここに僕はいる。

「ごめん周太、もう行けよ?」

きれいな低い声が凍てつく、でも僕は知っている。
こんなにも傷んで無理解で身勝手で、それくらい柔らかすぎる素顔。

『醜くても生きるひとが大好きなくせに、』

あの女の子が言ってくれた、そのままにこのひとが好きだ。

「…だから怒ったんだよ、」

ほら唇うごく、僕の声だ。

「だから美代さんは怒ったんだよ?美代さんはファントムが好きなんだ、ファントムは酷いめに遭っても自分を諦めなかったんだ、」

白い靄くゆらす声、僕の声だ。
そうして声に見つめてくれる、あなたの眼。

「醜い貌もバネにして成功して、そういう強さが美代さんは好きなんだ、だから、」

あなたが僕を見つめる、僕の声に。
このまま視線に声に掴まえさせて。

「だから歌姫に怒るんだよ、歌姫は醜い顔を言訳にファントムを棄てたでしょう?天使って呼んで愛したくせに、だから、」

あの女の子が怒ってくれた、それは肯定だ。
守られるとか巻きこむとか、そんなことじゃない等身大ただの肯定。

「だから僕にも怒ったんだ、だいすきだから歌姫にならないでって、」

だいすき、大好き、大切なひと。

そんな想い抱きしめてしまった、あの女の子にも。
だからこそ彼女に言われて今ここに辿りつけた、大切なひとが願ってくれたから勇気を抱けた。

―美代さんが怒ってくれなかったら僕は追いかけられなかった…怖くて、

怖い、あなたが大好きだから。

大好きだから拒絶が怖い、けれど願ってくれた勇気が足を動かした。
捻挫まだ治りきっていない、それでも辿りついた森にあなたが微笑んだ。

「なに言いたいのか分からない、俺、」

拒絶の言葉が微笑む、でも瞳が自分を映す。
ただ見つめ返して想い声になった。

「ファントムで天使なんだよ英二は、僕にも美代さんにも、だから美代さん怒るんだよわかって英二!」

わかって、どうか。

叫んだ想い腕がうごく、ひろやかな肩を掌つかむ。
切長い瞳が近くなる、その深淵まっすぐ叫んだ。

「どんな貌でも逃げないことが愛することなんだよ英二!だから僕はここにいるんだっ、」

なぜ僕がここにいる?

そんなこと自分でも不思議だ、2年前の自分が首傾げるだろう。
それでも辿りついた三月の雪の森、深紅あざやかな肩をつかむ。

「そうだよ英二は最低だよっ、他のひとにせっくすしちゃうしお父さんの日記も勝手に隠すし、いつも身勝手で独り決めでほんとおせっかい困るよ!」

体も心も、あなたは僕だけを見てはいない。
こういうこと誠実だなんて言えないだろう、こういうこと身勝手と言うのだろう。

でも、

「でも最低なバカだから愛してるくせにって怒られたんだっ、醜くても生きるひとが大好きなくせにって!」

最低なバカだ、あなたは。

―ほんとばかだ英二は…あの雪崩にまで傍にいて、

あの雪崩、高峰はるかな雪中狙撃。
あのとき隣にあなたがいた、あの雪が今この奥多摩の森に舞う。
あのとき追いかけてくれたひとを追いかけて今ここにいる。この覚悟くれたのは奥多摩の女の子。

『醜くても生きるひとが大好きなくせに、』

あの女の子が言ってくれた、この奥多摩に生まれた女の子。
だから今こうして僕は肩を掴めた、それが僕にどんなに大切か解って?

―美代さんが受けとめてくれたから僕は認められたんだ、英二のことも、

同性愛で、警察学校の同期で、そんな恋愛は否定されて当り前。
そんな「普通」だと諦めていた、けれど彼女は真直ぐ肯定してくれた。
そんな彼女だから大切になった、好きになった、だからきっとあなたを好きな分だけ彼女を好きになる。

「そんなこと言ったのか、あの女が?」

ほら?あの女って言うんだ、あなたは。
こんなにも伝わらない、解ってもらえない、認められない。
それでも僕は僕で、こんな自分のまま答えた。

「そんなこと言うよ美代さんは、そういう美代さんだから僕は好きなんだ、」

好きだ、

好きだ、だから今ここに追いかけてこられた。
ただ好きなひとが肯定してくれたから、ただ僕のままで走れた。

「好きなんだ、恋愛としてだろ?」

あなたが問いかける、その瞳かすかに銀色ゆれる。
あなたは泣くのだろうか?

「僕の大事な女性だよ、浮気じゃなくて本気です、悪い?」

本音そのまま声になる。
どこも隠したくない、偽りなんて嫌だ。
あなたに偽られて隠されて、その哀しみ知ってしまったから。

※校正中
(to be continued)
【引用詩文:William Shakespeare「Shakespeare's Sonnet 104」】

第85話 春鎮act.58← →第85話 春鎮act.60
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皐月破風

2018-06-29 11:06:09 | 写真:建築点景
葉光かざす、
建築点景:金櫻神社


梢×屋根のラインきれいな社殿、鬱金桜ウコンザクラの名所で有名なところです。
撮影地:金櫻神社@山梨県2016.5※破風はふ=屋根の部位

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深山灯籠

2018-06-28 08:29:20 | 写真:建築点景
石より啼く、
建築点景:三峯神社


モノクロ写真だけど実際も霧ふかいモノトーン。
撮影地:三峯神社@埼玉県2015.11

パワースポットで有名らしく観光バスも見かける人気の神社で、東京都最高峰の雲取山の登山口でも知られています。
狭いワインディングロードも多いので、登山者との接触事故や車同士のすれ違いに注意してくださいね。
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石垣古道

2018-06-27 11:05:28 | 写真:建築点景
草むす石、深く
建築点景:金櫻神社


モノクロ写真だけど青葉あざやかだった山懐、年経た石垣が好きで、笑
撮影地:金櫻神社@山梨県2016.5

薄黄色に咲くウコンザクラで知られる古社の参道です、神社への道は狭いワインディングロードなので運転要注意。
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secret talk88 安穏act.25 ―dead of night

2018-06-26 23:14:30 | dead of night 陽はまた昇る
君に醸す、
英二23歳side story追伸@第6話 木洩日


secret talk88 安穏act.25 ―dead of night

窓あかり、月が照る。

開いた扉くるむ闇、かすかなオレンジ温かい。
壁映るランプあわい部屋、切りとられた銀色やわらかい。

―月明かり、ってやつだな?

閉じないカーテン縁どる夜の光、やわらかな輝度に惹きこまれる。
あの窓はるかに月は照るのだろう、そんな優しい窓際に笑いかけた。

「湯原?なに読んでんの、」

ランプやわらかな光、黒髪やわらかな艶かすかに動く。
その首すじ薄紅きれいで、ページ繰る手もと覗きこんだ。

―あ、匂いが違う?

デスクライト開かれたページ、石鹸の香が甘い。
寮の風呂あがりと違う甘い匂い優しくて、つい傾けた頬に椅子が鳴った。

かたん、

ひかれたデスクチェアふわり、風そっと頬ふれてページが消える。
甘い優しい香なびいて白シャツ翻す、洗い髪ふわり艶のこして立ち上がる。
閉じられた本すこし小さな手に抱いて数歩、月の窓そっと小柄な輪郭うかんだ。

―きれいだ、

銀色あわい横顔、月光やわらかに黒髪を梳く。
波うつ洗い髪いろどる耳、その紅色が鼓動ふれる。

―照れてるのかな湯原?

薄紅色が君を描く、そんな横顔に鼓動が打つ。
鼓動ひとつごと期待が育つ、君の母親が言ったこと本当みたいで。

『宮田くんのこと待っているわ、あの子…たぶん顔、赤いと思うけど?』

君の顔が赤い、それは待っていてくれたから?
そうだとしたら嬉しい、それになんだか可笑しい。

―初対面の時じゃ考えられないよな、あの湯原が照れてるとか?

春三月、警察学校の門。
あのとき自分が何を想っていたかなんて君は知らない。
もし君が知ったら怒るのだろうか、呆れるのだろうか、もう二度と会えなくなる?

―湯原がどう考えるかとかわかんないけど今、かわいいな?

かわいい、赤くなる君が。
かわいくて、ちょっと可笑しくて微笑んでしまう。
そんな想い月ふる窓辺、横顔かすかに唇うごいた。

「…ありがとう」

ぼそり、君の声かすかに横顔ふりむく。
月光なめらかに輪郭えがいて、おだやかな声そっと言った。

「…母、今日はたくさん笑ってたから…楽しかったとおもう、」

おだやかに消えそうな声、でも君の唇が告げてくれる。
そうしてまた黙りこんだ唇に微笑んだ。

「俺こそ楽しかったよ、ありがとうな?」

笑いかけて踏みだして、月あかり床を踏む。
同じ部屋おなじ空間、けれど遠い横顔に一歩が震えた。

―緊張してる俺?

ただ君の隣に立ちたい、それだけ。
それだけなのに爪先ふるえる、月光の輪郭に鼓動さざめく。
これが「緊張」だとしたら今、自分は初めての感覚を刻まれている。

―誰の隣でも緊張なんかしなかったのに、俺…そっか?

そっか?

そんな言葉ことん、肚に落ちる。
落ちて沁みて墜ちてゆく素足の肌、木の床ひそやかに隣ならんだ。

「お…月、」

声こぼれた唇、月光やわらかい。
仰いだ夜はるか銀色かかる、もたれこんだ窓枠の腕に木肌やわらかい。
素肌ふれる木目なめらかに温かで、磨きこまれた住人の端正に微笑んだ。

「湯原の家って居心地いいな、」

この自分の家と違って。

そう言いかけた唇を閉じて、けれど比較めぐりだす。
なぜこんなにも違うのだろう?同じ「母親」という名前なのに。

―うちの母親も掃除はするけど?

息子の部屋を掃除する、それは同じ。
同じなのになぜこんなに違うのだろう?想い、隣が呟いた。

「…そうかな」
「そうだよ、」

あいづち自分の唇が笑う。
こんなふう確信してしまって、そんな自虐と憧憬に微笑んだ。

「湯原の親父さんとお母さん、俺、好きだな、」

君の両親みたいな、自分の両親だったなら?

そんな願いごと溜まりだしている、君の隣から。
こんな願い叶えようもない、そんなこと知っている自虐に声が言った。

「…父と母も宮田のこと…好きだとおもう、」

くぐもりそうな小さな声、けれど穏やかに響く。
こんな優しい言葉どうして言ってくれるのだろう、君は?

「お、嬉しいこと言ってくれんじゃん?」

かろやかに返して笑って、でも鼓動ふかく疼いて熾きる。
燈されてしまう温もり静かで、それなのに消えてくれない。

『好きだと』

君の声が言ってくれた、その一言が熱ともす。
ふかく深く温度ゆるやかに沁みてゆく、明るんで響いて、そして悶える。

―父と母も、って、湯原はどうなんだよ?

君はどう想ってくれる自分のこと?

そう訊いてみたい、けれど訊けないまま月が光る。
残暑の夜やわらかな風の粒子、それから君の部屋きらめく香。

※加筆校正中
secret talk87 安穏act.24← →secret talk89
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霧鳥居

2018-06-26 07:28:07 | 写真:建築点景
霧に坐わす、
建築点景:三峯神社


モノクロ写真だけど実際も霧でコンナ感じでした、伝説の日本武尊やお犬様が現れそうな。
撮影地:三峯神社@埼玉県2015.11

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楓屋根

2018-06-25 08:52:22 | 写真:建築点景
黄葉の屋根、霧に光る。
建築点景:三峯神社


モノクロ写真だけど黄色あざやかな楓×杉木立。日本武尊伝説が残る古社です。
撮影地:三峯神社@埼玉県2015.11

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花鳥居

2018-06-24 10:21:10 | 写真:建築点景
花くぐる、
建築点景:金櫻神社


モノクロ写真だけど朱塗り艶やかな鳥居×ウコンザクラ、鬱金桜ウコンザクラの名所です・手前の葉桜はソメイヨシノだけど。
撮影地:金櫻神社@山梨県2016.5

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