さてさて、大工の学校では、当然実技の他に座学があります。
これは、3学期に行われる、技能検定の為である事はもちろんだけど、基本的な家造りの知識については、やはり勉強が必要なのです。
あまり長くはないけど、最低限必要な知識は身につけてもらわないといけませんからね。
確かに読みづらくて、古くて解りづらいけど、教科書は間違ったことは書いていません、それでも久しぶりに机に向かいであろう訓練生の皆さんには、苦痛である事は容易に想像がつきます。
そこで、スライドを駆使しなるべく素通りして欲しくない情報のみ、学んでもらっています。
これを呼水に教科書などで、知識を増やしてくれるとありがたいものです。
なるべく現物を見てもらう為に取りだめた写真を貼付け、写真の無い部分はスケッチアップで簡単に作成する事が出来ます。
本当に便利な時代ですね。その進歩の速さに大事な事を見落としそうで怖い気もしますが・・・・
最後の、現場NG集が目玉です、これは今をさかのぼる事5年前ホームズチェック社さんのホームページを見て、恐ろしいほどの手抜き工事の様子をみて、これを授業で見せたいのですが?と聞いた所、快くDVDを貸して頂きました。
こちらの会社は、欠陥住宅を防ぐ為の民間の第三者機関なのですが、そもそもこういう機関があるという事は、いかに公的な検査が無力なのかを表してますよね。
それにしても、よくもまぁここまでやるもんだと思います。この中には大手の現場も含まれています。
施主さんは、一度お願いする会社の仕事をよく見てから依頼する事をおすすめします、値段やデザイン、ましてやTVコマーシャルや新聞広告の売り文句などで騙されてはいけませんね。
ところで、土台の授業ですが、写真にあるように基本的な名称や、土台の時は材料の腹を上に使う事や、継手を別れ継ぎに使う事はNGなど,結構マニアックな事も教えています。
そして、使用する材料は栗が最上で、最も安価なものは、注入土台と呼ばれる米栂に薬剤を注入した材料ですね、やっぱりおすすめはヒバやヒノキかな?長い目で見ると土台は最も大事な部分なので、すこしお金をかけても良いと思います。
継手は蟻継ぎでいいと思うけど、所によっては追掛継ぎなどの丁寧な仕事もありますね。ポイントは継手の男木の部分にアンカーボルトがある事でしょう。
意外と、継手の位置とアンカーボルトの位置が連携してない現場が多いのです、継手の位置を決めてから基礎伏図を描くとこのようなミスは起こらないけど、なかなかそのようになっていないのが現実です。
これから家を頼もうという人は、土台とアンカーボルトの位置関係をチェックするとその会社の現場管理の実力が解りますよ。
写真のように、柱の下に換気口が来るなんてもってのほか、でもCADの関係で意外とこんな現場はあるのです。
・・・・とこのような感じで授業してます。勉強になったかな?
おしまい
ここらでは、注入材は、まずアピトン(外材)が多いですね
栂、杉などの注入材は見た事ないですね~
栂、杉の注入材は安いのかなぁ~?
でも、ここらの主流は桧ですね~
コストもアピトンの注入より安いのが現状です。
そして、個人的考えで、教科書とは違うんですが、土台は背が上に使っているんですよね~
継ぎ手部分が下がってくるから自動的に押さえつける事になる
その他(中心部分)は大体柱が乗ってくるので、上からの加重で押さえつける=力が掛かってくる方向に力掛かるであろう(反る)ので受けるってな考えなんですけどね。
柱が乗らない部分はアンカーボルトで補うってな考えです。
ま~、結局、プレカットした時は、背も腹も関係な構造材を使ってきているけどね
とそのような事も、教科書以外の事も教えていたんですよ~
そうですね、逆も又真なりと言った所でしょうか?
教科書以外の事・・・・ホント教えたい事、伝えたい事などたくさんあります。
結局最高の教科書は”実践あるのみ”ということですね。
経験に勝る学習はなし、気付きを大切に学んで欲しいものですね。
最近のブログの内容、私が知りたいな~とか、どうやったけ~とか思ってることがたくさん載っててめちゃめちゃ参考になります。
(そう、すっかり忘れてることばかりで・・・)
で、さっそく質問ですが、アンカーボルトの位置を
「継手の位置を決めてから基礎伏図を描くとこのようなミスは起こらない」
てあるけど、継ぎ手の位置は設計者が考えるの?
図面を見て大工さんが決めるの?
継ぎ手の位置は、材の長さで決めればいいの??
ちょうど今日基礎伏図を考えてて、
換気口とアンカーボルトの位置と、継ぎ手の兼ね合いがどうも曖昧で・・・。
「現場を知らん人が作った図面」と言われたくないし、
ヒント プリーズ!
設計士さんが考えてくれたら楽ですが、そこまでは考えてくれない物なんですよね~
大工さんは、材料が無駄にならないように継ぎ手位置を考えていくんですよ
当然、その時にアンカー伏図があれば両方を考慮しながら継ぎ手位置を考えますが、大体はアンカーの位置が解らない状態なので、困るんですがね
基礎伏せ書いて、柱伏せを書いて、アンカーが柱下に来ないようにして、継ぎ手の位置は、材料が定尺4Mだから、無駄のない使い方をして、男木付近にアンカーと柱が来るような継ぎ方がベストですね
個人的には、女木付近にもアンカーを入れてますが・・・
プレカットだと見積の段階で基礎伏せをくれるので、その図面でアンカー伏せ、換気口位置を考えています。
要するに、基礎伏せを書く人が考える事かな~
その図面を大工さんに見せて意見を聞くのが良いですね
って岡山校では説明していましたが、TOM-Pさんのお考えはいかほどに
でも、大体のビルダーさんはそこまで考えてアンカーを入れて無いのが現実かも・・・
よくホソ穴にアンカーがいたりしますからね~
さて、回答はあっちゃんが殆ど答えてくれているのでよく読んどいてください。
僕がアドバイスするとすれば・・・・
継手の位置を決める時のポイントは、モジュールを幾らにするか?ということやね、三尺(910mm)だと福祉住環境を考慮した住宅だと廊下の幅などに不具合がでます。
かといって、むやみにメーターモジュールにすると、継手の位置などで材料のロスが意外とでるよ。
950前後のモジュールが地場工務店では一般的かな?
ということで、モジュールいくらで設計している?
材料は、基本的に4mが一般的です、継手の基本は蟻継ぎなのでそんなにロスが出ません、僕はサンスケと蛍光ペンを使って平面図に土台を簡単に配置してから、基礎伏せを描いていました。
その時に気をつけることは
継手の男木から、150mm前後に柱がある事。
910mm以下の短い材料は極力避ける事。
パズルのようだけど、突き詰めていけば導かれる答えは限られてきます。
そうすれば素人が考えた図面にはなりにくいと思うよ。
継手が決まればアンカーボルトもきまったようなものです。
法規的には2.7m以内が基準だけど、少し短めで、2.4m程度で配置した方がよいね。
とにかく理想は継手・仕口の男木・女木にアンカーがあると良いです。(継手男木には必須です)
一本の材料に対し確実に二本以上のアンカーで固定する事。
このような事が基本的な考えです。
それを踏まえた上で、どうしても無理な所は根拠を明確にした上で省略してください。
換気口は絶対にグリット上に配置しないこと、これさえ守れば基本的に柱の下に換気口が・・・・なんてことは無くなります。
あっこれはアンカーも一緒やね。
換気口は法律的には5m以内だけど、できれば4m前後でなおかつ、空気の通り道、メンテ用に床下収納庫または和室から全ての部屋の床下に移動できるように通気口をもうける事(法的義務なし)、これもポイントです。
基本的に構造は、出来上がりからさかのぼって考える事が大事です。
おそらく、実際に軸組を刻んで家を建てた人間は同級生には居ないと思うので、少しでも「大工の学校」時代を思い出してください。
頑張ってね~
追伸、授業で使った資料をメールしときます。
それと、できれば課題を送ってちょうだい、とても興味があるので・・・・
こう書いていて思う事は、僕自身そこまで考えて、基礎伏せを書いていたか?という事です。
プレカットの図面を見ながら書くと本当に良いですね。
土台敷きの時に「今回のアンカーの位置はいいな~」
とか大工さんに褒めてもらうと心の中で小さくガッツポーズもんです。
後の仕事の人がやりやすいように、この気持ちは最初に図面を描く人から始まっているんだな~
と改めて思いました。
これからもよろしくね。
回答 継手の位置は大工さんが材料、柱の位置、材料の定尺などを参考に決めます。
設計士が決めることはあまり聞いたことがありません。
プレカットではマニュアルに従い、オペレーターさんがCADで決めます。
現場の経験が浅いのでおかしなことになることもしばしば・・・・
以上追記です。
そしてしっかりメモとらせてもらいました!
どこで継ぐかは大工さんが最終的に決めるけど、
設計の段階でそれをちゃんと考えておかないと、おそろしい土台と基礎になってしまうってことですね。
男木から150前後に柱があってアンカーボルトがくること、
女木付近にも入れるとベターだということ、
1本の材料に対して2本以上のアンカーで固定すること
等など、実践で必要になること盛りだくさんですごく嬉しいです。
アンカーボルトの位置を考えるだけで、こんなに頭をグルグルさせちゃってますが、
「大工の学校」での1年がなかったら、全くついていけてないと思います。
ほんの少しだけど、作り手側の立場で家づくりを経験できてることが、
今の私の大きな財産になってるなぁと日々思ってます。
今日ほどこのブログをありがたく思ったことはないですよ~。
また分からないことがあったら、質問させて下さいね。
丁寧な説明、ありがとうございました。
2人の説明を踏まえて、もう一度考えてみます。
頑張ります