快読日記

日々の読書記録

「古典を読んでみましょう」橋本治

2014年09月03日 | 言語・文芸評論・古典・詩歌
《8/14読了 ちくまプリマーブック 2014年刊 【日本文学】 はしもと・おさむ(1948~)》

この本を高校時代に、いや、大学時代でもいいから読みたかったなあ。
古典を読む“意義”を理解してるのとしてないのとじゃ大違いだもん。

なるほどー!とうなったところはたくさんありますが、中でも、“何が書かれている文章か”より“何を言いたがっている文章か”を読み取るべき、という指摘には、今まで読んだすべての本を読み直したいとさえ思いました。
(みんながもやもや感じているところをクリアな言葉でスパッと言い当て、導いてくれる。)
古典・現代に関わらず、自分のこの読解力のなさや浅さは、“何が書かれているか”の層でストップしてたことが原因なんだわ!と目が覚めた気がする。
目が覚めた、わかったって言っても、実践できるかどうかは別問題だけど。

「よく考えてみれば分かりますが、掛け詞という表現テクニックは、「論理的つながりなんか問題にしない」という恐ろしい表現方法なのです」(81p)

「古典というものは「そんな考え方があるの?」と教えてくれるようなもの」(132p)

「どんな本でも、初対面の時には「なにが書いてあるのかよくわからない本」です。それに対して、「読者である私に分かるように書いてないからダメな本だ」と言うのはただのわがままです。「一体この人はなにを考えて、なにを書いているのだろう? この本で大切なことはなんだろう?」と考えながら探り探り読んでいくと、《智解》という読解能力も身について、「めんどくさい歴史の本」である『日本書紀』だって、もしかしたらおもしろく読めるようになるのかもしれません」(218p)

/「古典を読んでみましょう」橋本治