快読日記

日々の読書記録

「あなたの隣の精神疾患」春日武彦

2021年06月30日 | 暮らし・健康・理科っぽい話
6月16日(水)

「あなたの隣の精神疾患」春日武彦(集英社インターナショナル新書 2021年)を読了。

春日武彦の「読解力」はすごい。
すごいっていうか「凄い」。
人間の精神の脆さやグロさやキッチュな様子を解説するために、
症例以外によく文学作品を例に使うけど、
その読み解きが見事で、
ああ、そう読み取るんだ!とはっとさせられることが多いです。
精神科医になるべくしてなったというかんじ。

特に完全に“狂っちゃった”人より、
普通の生活のなかに生きる“ちょっとおかしい人”を受信するアンテナが高性能すぎます。

「「がん」も「うつ」も体温が低い」川嶋朗

2020年07月10日 | 暮らし・健康・理科っぽい話
7月10日(金)

「「がん」も「うつ」も体温が低い」川嶋朗(KAWADE夢新書 2020年)を読了。

わたしも今のところがんでもうつでもないけど、
若いころから体温が低いんです。

でもそれは日本人全体に言えることで、
例えば1957年の日本人の平均体温は36,9℃、
2010年ころには36,1℃になっており、
日本人の体温は下がり続けているんだそうです。

で、低体温がどれだけ健康被害を生むか、
さらには精神状態にも影響するという話に続き、
その対策がいろいろ提案されていますが、
結局、毎日の“心がけ”が大事なんですよね、
だけどその“心がけ”が一番頼りにならないんだよな~、というのが大問題で、ちょっとへこみます。

このじめじめした季節、冷たいものをグイグイ飲み干す幸せを手放せない意思の弱さよ。
健康な体を手に入れるのは難しいっす。

「絶対に休めない医師がやっている最強の体調管理」大谷義夫

2020年06月01日 | 暮らし・健康・理科っぽい話
6月1日(月)

「絶対に休めない医師がやっている最強の体調管理」大谷義夫(日経BPマーケティング)を読了。

刊行は昨年の12月9日のコロナ騒動前ですが、「エビデンス・マニア」を自認する筆者の解説はとにかくわかりやすい。
人柄もよさそうだし。
ここで教えてくれる体調管理術は、そんなに無理なかんじではなく、しっかり理解したら誰でも実践できそうです。
そして、確かに病気にかかるリスクは下がりそう。


でも、いつから人間は“体調管理”なんてことしなきゃならなくなったんですかね。
食べたいものを食べ、飲みたいものを飲み、眠りをむさぼる一方で夜更かしをし、それで不摂生がたたって病気になって死ぬ、じゃダメになったんですね、いつの間にか。


それから、自分を「絶対に休めない」って追い込むのはつらそうです。
さらに帯には「代わりのいないあなたへ」とまで書いてあるけど、代わりがいない人なんかいないよ~、みんな死ぬから大丈夫だよ~、と聞こえないように言いたいです。

読了『すべての疲労は脳が原因』梶本修身

2016年09月25日 | 暮らし・健康・理科っぽい話
8月14日(日)

人が「あ〜、疲れた」ってため息つくときは、体じゃなくて心なのよ、と美輪さまもおっしゃっていましたよ。
だから、『すべての疲労は脳が原因』(梶本修身/集英社新書)というタイトルを見ても、「そうであろうそうであろう」としか思わなかったけど、じゃあどうしたらいいの?の答えがそこにあるんではないかと、つい買ってしまいましたよ。

「疲労」と「疲労感」は別物だ、脳疲労の最初のサインは「飽きた」である、「乳酸」は疲労の原因ではない、栄養ドリンクは効果がないどころかかえって疲れを溜める、ビタミンCで疲労回復はしない、などといった話に「えー!まじか〜!」とがっかりしているうちは楽しい。

でも終盤、「じゃあどうする?」の段になるとあんまりおもしろくなくなってくる。
だって、筆者が売っている「快眠健康ナビ」という「室内空間快適制御システム」というのがその「解決法」で、それがなければの代替案が提示されるんだもん。
なんか冷めてしまった。

大事なのは、規則正しい生活リズムだったりバランスの良い食事や体操だったり、地味〜なことの積み重ねなんです、と言われれば「そうだよなー」と思えるけど、「そうすれば僕のシステムがなくてもなんとかなるよ」と続いたら「けっ!」となる、そんなかんじ。

読書中『動物たちの奇行には理由がある』V.B.マイヤーロホ

2016年07月26日 | 暮らし・健康・理科っぽい話
7月25日(月)

『動物たちの奇行には理由がある』(V.B.マイヤーロホ/技術評論社)を読み始める。

生卵を割って、黄身が2個出たら双子だ双子だと喜ぶが、双子の受精卵をそのまま温めると、どちらかが片方を圧倒して殺してしまい、ひよこになるのは1羽だけなんだそうだ。

ニワトリの世界も厳しい。

読書中『すべての疲労は脳が原因』梶本修身

2016年07月21日 | 暮らし・健康・理科っぽい話
7月20日(水)

立て続けにポカをして気が滅入る。
とにかく集中力や緊張感がなくなってきている。
これが老化というやつか、それとも能力の問題?たいしたことしてないくせに疲労?

思い出したように(思い出したんだけど)『すべての疲労は脳が原因』(梶本修身/集英社新書)を手に取る。
よく疲労の原因として「乳酸」があげられるけど、本当の原因は〈脳内で神経細胞を攻撃している「活性酸素」〉(65p)なんだそうだ。

具体的にどうしたら「疲労」や「疲労感」から解放されるのか、それは終盤にあかされるようなので、苦手な理科っぽい話だけどがんばって読もうと思う。

読書中『すべての疲労は脳が原因』

2016年07月13日 | 暮らし・健康・理科っぽい話
7月12日(火)

わたしには、ものすごく疲れてくると左手の中指と薬指の付け根から第一関節に赤くて小さなぷつぷつができて、2・3日経つとそこが固くなって、最終的にはその皮膚がぽろぽろとはがれる、という変な癖がある。
だいたいいつも10日前後で終わるのに、今回は(実は今その状態)3週間くらい続いている。

これは何だろう…という謎を解こうとしたわけではないが『すべての疲労は脳が原因』(梶本修身/集英社新書)を読み始める。

「疲労」と「疲労感」は別のものなんだそうだ。
前者は主に脳内の自律神経の中枢が起こすもの、後者は前頭葉 にある眼窩前頭野というところ。
帯によると、栄養ドリンクや運動に効果があるというのは嘘なんだって。まじか。

読書中『いちばんわかりやすい漢方の基本講座』佐藤弘 監修

2016年06月07日 | 暮らし・健康・理科っぽい話
6月6日(月)

片付けのコツの本を読めば、部屋が片づいたような爽快感を味わえるし(錯覚)、旅の本で充分行った気になる体質(錯覚)なので、『いちばんわかりやすい漢方の基本講座』(佐藤弘 監修/成美堂出版)を開いて、漢方薬とかツボとかを眺めてるだけで、自分が健康になる気がする(錯覚)。

あなたのタイプはどれ?みたいなチェックをしてみたが、よく考えたら特に不調もないのであった。

寝る前、『辻占売 十四』(池田さとみ/ぶんか社)を読む。
安心感が違う。
ちょっと木皿泉に通じるものがある気がした。

読書中『認知症をつくっているのは誰なのか』村瀬孝生・東田勉

2016年05月31日 | 暮らし・健康・理科っぽい話
5月30日(月)

「はじめに」で「認知症は、国や製薬会社や医学会が手を組んでつくりあげた幻想の病です」(4p)と言い切る『認知症をつくっているのは誰なのか』(村瀬孝生・東田勉/SB新書)を読み始める。

最近、祖母が認知症と認定されて施設にお世話になっていることもあって、認知症や老人介護をテーマにした本をよく読むのだが、冒頭の村瀬孝生の「家族や今の社会が「老いとは何か」をわからなくなってきているのかなと思います」(19p)という発言を読んで、わたしが読みたかったのはこういう本だ!と思う。

夜『白鵬のメンタル』(内藤堅志/講談社+α新書)の続きをちょっと読んで寝る。

読了『ニセ科学を10倍楽しむ本』山本弘

2016年05月30日 | 暮らし・健康・理科っぽい話
5月29日(日)

『ニセ科学を10倍楽しむ本』(山本弘/ちくま文庫)を読了。

ニセ科学やオカルトといえば、ネッシーやミステリーサークル、ノストラダムスなどの“大きい話”が浮かぶが、こうしてみると今はもっとスケールが小さくて身近で、だからこそうっかり信じてしまうやつが多い。
巧妙化してるのか。

「水からの伝言」みたいな“道徳系”、脳トレや有害食品EM菌などの“暮らし系”、9.11はアメリカ政府の自作自演とかアポロ11号の月面着陸映像はハリウッドで作られたといった“陰謀系”、マヤ暦の予言やフォトンベルトの“人類滅亡系”など、ひとくちにニセ科学と言っても奥が深い。
進化論を認めないID論に至っては背後に統一協会が控えていたり、ホメオパシーを信じて我が子を死なす親もいたりして、笑い事では済まない。

と学会のおかげで、血液型による性格判断が全くのホラ話なのは理解したつもりだが、話を向けられるとつい乗ってしまう。
そういえば、血液型の話が好きな人には、人間関係で悩んでいる人が多い気がする。

筆者は「中学生程度の理科の知識でわかるニセ科学も多い」というけど、中1で理科につまづいたわたしには耳が痛い。

とりあえず今気になるのは、銀イオンと水素水だ。

読了『認知症の人がスッと落ち着く言葉かけ』右馬埜節子

2016年05月21日 | 暮らし・健康・理科っぽい話
5月18日(水)

『認知症の人がスッと落ち着く言葉かけ』(右馬埜節子/講談社)を読む。

新しい記憶からどんどん失ってしまう認知症患者への対応方法を教えてくれる本。
基本は、患者の世界にあわせて言葉をかけること、患者を説得しようとしないことだそうだ。

例えば、自宅にいるのに「家に帰る」と言う人に、風が強い日だったら「外は嵐なので、今日は泊まってください。明日送っていきます」とか。
死んだ飼い猫が「いない」と騒ぐ人に「猫は入院中です」とか。
他にも、お風呂を嫌がる人を入浴させたり、モノが盗まれたと訴える人を落ち着かせたりする効果的な言葉がたくさん紹介されている。

他人事として読めばちょっと笑ってしまうけど、いつか役に立つ日が来ると思うので覚えておきたい。

一方で、こういうやり方は患者をだましているんじゃないか、道義的にどうか、という見方もあるだろうが、筆者もそれに対する意見を述べていて、概ね賛成だ。

そして何より、介護の仕事に携わる人や、認知症患者の家族を抱えている人にとって本当に“助かる本”であることは間違いないと思った。
そこにこそ、この本の価値はある。

読書中『ニセ科学を10倍楽しむ本』山本弘

2016年05月20日 | 暮らし・健康・理科っぽい話
5月17日(火)

『ニセ科学を10倍楽しむ本』(山本弘/ちくま文庫)、図書館でふと手に取ったら、最初のテーマが「水からの伝言」だったので、さっそく借りる。

以前勤めていたところでも、「ありがとう」とサインペンで書かれた容器に生花が活けられたものがあちこちに置かれていた。
うわー、オカルトだ!と鳥肌を立てたが、こういうものに眉をしかめていると“心が汚れた気の毒な人”(それは否定しないが)扱いを受けそうなので見て見ぬ振りをした。
こういうのが好きな人は、日木流奈くんや「現代のベートーベン・佐村河内守」に熱狂した人に違いない、と一方的に決めつけた(心の中で)。

あの花を置いていた彼女たちはまだ信じているのだろうか、あるいはそんな自分をはじているのか、いや、すっかり忘れて別の何かに乗り換えている、が正解かもしれない。


そんなことを考えながらこの本を読んでいたら、「認知負荷」という言葉を思い出した。
オカルトや陰謀説が楽しいのはこの「認知負荷」が軽い、つまり理解するのに頭にかかる負担が少なくて“わかる快感”だけを味わえるからだ、という話。
それに比べて本当のことというのは、たいていパッとしなくて刺激もない、地味で複雑なものだ。
そりゃそうだ、陰謀説って聞いてるだけでおもしろいもんな~と納得しながら寝る。
ノストラダムスの夢を見るかもしれない。

読書中『図説 不潔の歴史』キャスリン・アシェンバーグ

2016年02月15日 | 暮らし・健康・理科っぽい話
2月14日(日)

『図説 不潔の歴史』(キャスリン・アシェンバーグ/原書房)を読み始める。
ここだけの話、わたしは風呂があまり好きではない。
子供のころは、「入らないとお母さんに怒られる」という理由だけでしぶしぶ入っていた。実は今もそうだ。
だからといって、ここに出てくる昔のヨーロッパ人みたいに、体に油をつけてストリギリスという道具で引っ掻くだけってのも御免だ。

だけど、考えてみれば外で飼ってる犬やのら猫は、風呂なんかに入れなくても健康でさえいればけっこういいにおいがする。
人間もそれでいいのかもな~、とか思いを巡らせながら途中まで。

寝る前、『行方不明者』(折原一/文藝春秋)を読み始める。
埼玉県のある地域で一家四人が忽然と姿を消す事件と、通り魔事件、ふたつの話が交互に語られる。
折原一の書く偏執狂的な人物の一人称には独特の味がある。
続きが楽しみ。

読了『モツの歴史』ニーナ・エドワーズ

2016年01月18日 | 暮らし・健康・理科っぽい話
1月17日(日)

図書館で、この『モツの歴史』(ニーナ・エドワーズ/原書房)の表紙を見てちょっとびっくりする。
モツって、血なまぐさくて、噛んでも噛んでも飲み込むタイミングがつかめなくて、子供のときは苦手だったんだけど。
中年にさしかかるころから、レバ刺しとか内臓系も食べられるようになり、気づけば好物。

まず、モツが洋の東西を問わず世界中で食べられてるということを知る。
そして、その意味合いや印象が、世界中どこでもほぼ同じというのに驚いた。
曰わく、血を感じさせ、動物的・男性的で、呪術的な面も持ち、官能的・蠱惑的な意味もある。
上下で言えば明らかに下等。
そこにこそ込められた野蛮さと裏返しの力強さもあり、奥深い。

ただ、最後の方、牛タンを丸々1本モヒカン状に頭上に載せて、なぜかびしょびしょに濡れてるスキンヘッドの男性の写真(アートなんだそうだ)は謎。アートって何?

わたしはモツというと、血よりもその脂が好きで、だから太るんだという問題はさておき、本書にも出てくる血液のソーセージだけはひとくち食べてみたい。


そういえば、大掃除は中断されたままだ。
やる気スイッチを押すべく『くらしは楽しみ』(大橋歩/講談社文庫)を再読する。
本読んでないで掃除すれば?という良心の声は無視。

「いい感じのすてきな部屋に住みたいんなら、自分の中のだらしないところを、まず反省してからですかしら。」(17p)

ははーっっ。(ひれ伏し)