快読日記

日々の読書記録

「走らないのになぜ「ご馳走」? NHK 気になることば」NHKアナウンス室

2014年11月09日 | 言語・文芸評論・古典・詩歌
《10/28読了 新潮文庫 2014年刊(東京書籍より2008年に刊行された単行本「NHK ますます気になることば」を改題して文庫化) 【日本語】》

「「サバを読む」の「サバ」の正体」の続編。
よくネタがつきないなー。さすが。
ひとつひとつの話題が短いので、ちょっとした時間にぽちぽちと読めてうれしい。
へえ~!とかほぉ~!の嵐なんだけど、読む端からポロポロと忘れちゃうんだよねえ、情けなし。
そんな中でも、誤解してた!ってことが2つほどあったのでメモします。
まず「せいぜいがんばって」って表現は必ずしも皮肉というわけではないんだそうです。
かつて福田元首相がオリンピック(だったかな)に今から出場する人たちにかけた言葉として、その陰気な雰囲気とともに記憶に残っておりますが、そもそも「せいぜい」は「力の限り、精一杯」という意味で、それが「高くてもせいぜい1万円」「長くてもせいぜい3日」みたいな使い方をされて、ちょっとニュアンスが変わってしまった。
ちょうど「適当」のように、同じ言葉で正反対の意味を持ってしまう、こういうこと他にもありそうですね。
あと、以前から気になっていた「お申しつけください」。
「申す」は謙譲語だから「仰せつけください」が正しいのかな、じゃあ「申し出る」は?「申し込む」は?などと思いつつ調べもしなかったのですが、
この本によると「申す」には謙譲の意味を持たないものもあるんだそうです。
だから「申し出る」は自分にも相手にも使っていいらしい。
同じく謙譲語じゃない「申す」の複合語として「申し込む」「申し送る」「申し合わせる」「申し立てる」がある。
でも、よく時代劇で「殿が申された」とかいうのは違いますよね。あれは気になっちゃう。

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