轟クルマ文化研究所

日本のどこかの片田舎、今日も所長の声が響いています。
「馬鹿モン!あれほど雑誌を鵜呑みにするなと言うとるじゃろ!」

ルノー・ルーテシア

2006-04-14 18:48:19 | RENAULT
所長 「ルノーのルーテシアが3世代目になったようじゃな。」

助手 「そうですね。このところルノーもどんどん日本で見掛ける機会が増えてきましたから、プジョーみたいにメジャーな存在になるかもしれませんね。」

所長 「どうじゃろうな、一般のヒトからするとベンツ、BMW、ポルシェにゴルフなんかのドイツ車、あとはせいぜいボルボのワゴンにプジョー、ミニぐらいしか認知されとらんじゃろうからな。」

助手 「そうなんですかね。」

所長 「そんなモンじゃろ。そういうヒトたちに認知されんことには、商売としてはキツイんじゃ。じゃからインポーターがころころ変わったりするんじゃ。」

助手 「でも今のルノーは日産がインポーターになってますから、その点では安心ですよね。」

所長 「そうじゃな。ようやく認定中古車も始めたようじゃし、徐々に認知度も上がっていくじゃろう。」

助手 「で、認知度アップの責任重大なルーテシアですが、どうですか。僕はイマイチすっきりしなかったんですが。」

所長 「どういうところがじゃ。」

助手 「上手く言えないんですが、全体的に新しさを感じないというか、どこかで見たことあるような印象のクルマなんですよ。」

所長 「例えば。」

助手 「え、そうですね、顔つきは先代のルーテシアというより日産車のグリルに近づいた感じがしますし、リアのデザインは、最近のルノーのアイデンティティなんでしょうか、メガーヌそっくりでしょ。あとリアクォーター・ガラスとCピラーなんかは、明らかにプジョーの206を意識してると思うんです。」

所長 「ふーん。」

助手 「所長はどう思いますか。」

所長 「うーむ、写真でしか見とらんが、正直お前と大差ないわ。顔つきなんかは日産のアルメーラかと思ったわ。まぁ、ルノーにとっては最量販車種じゃから手堅くいきたいんじゃろ。」

助手 「やっぱり、そう思いますよね。」

所長 「じゃがここんところのルノーのクルマを見とる限り、ルノーの持ち味と言うか、個性を前面に打ち出しておったじゃろ。先代のルーテシアも登場したときは、ギョっとしたモンじゃ。」

助手 「確かにそうですね。特にリア・ハッチのカタチなんて今見ても個性的ですしね。」

所長 「そう考えると量販車種じゃから手堅くいくなんて考えられんのじゃ。メガーヌにしてもそうじゃろ、Cセグメントのクルマじゃから、欧州ではルーテシアと並んでルノーの稼ぎ頭じゃろ。そのクラスであれだけ個性を出しとるんじゃからな。」

助手 「言われてみればそうですね。」

所長 「じゃからルーテシアのデザインを語るのは、もう少し時間を置いてからの方がいいかもしれんのぉ。もっと街中を走るクルマが増えて来れば、見え方も変わるかもしれん。」

助手 「でもなんか変ですね。最近のルノーって、出たときが一番奇妙に見えて、見慣れるにつれてだんだん馴染んでくるっていう感じだったじゃないですか。それが今度のルーテシアでは、出たときから個性がないように見えて、時間が経つと見え方が変わるって言うのは。」

所長 「方向性が変わってきたのかもしれんのぉ。イメージとしてはレクサスなんかに近いかもしれん。」

助手 「レクサスですか、そう言えば出たときは個性が弱いように見えましたね。」

所長 「そうじゃろ、それがだんだん理解出来てくると魅力的に見えてきたわけじゃ、ISにしてもGSにしても。」

助手 「うーん、そうですか。」

所長 「あと、中身はどうじゃった。」

助手 「そうですね、質感や装備なんかは日本車みたいに充実してましたね。ただクラス最長のホイールベースということだったんですけど、後席の足もとスペースが思ったより広く感じなかったですね。」

所長 「そうか。」

助手 「あと座り心地ですけど、前席はさすがフランス車っていう感じでしたね。包まれるような感じでした。でも後部座席は正直疑問に思いましたね。」

所長 「どういうところがじゃ。」

助手 「背もたれの角度が合わないんでしょうか、背中をもたれるのが辛いんですよ。イメージが良すぎたせいもあるかもしれませんが、フロントシートの方が随分と良かったですね。」

所長 「ふーん、そうか。」

助手 「座り心地と言えば、やっぱりフランス車の真骨頂ですから、すこし厳しかったのかもしれませんが。」

所長 「何を言っとるんじゃ、じゃからお前は雑誌を鵜呑みにしとると言われるんじゃ。」

助手 「え、違うんですか。」

所長 「確かに一昔前のフランス車は、厚くてアンコたっぷりのシートのクルマが多かった。じゃがそれもせいぜい80年代までの話じゃ。」

助手 「えー、そんなことないでしょ。」

所長 「いーや、そうなんじゃ。国際化が進むにつれて、シートの厚みもどんどん薄くなって行ったんじゃ。」

助手 「どうして国際化するとシートが薄くなるんですか。」

所長 「そんなモン、コストダウンとマーケットのニーズに決まっとるじゃろ。クルマっていうのはトータル性能が重要なんじゃ。限られたコストをどこにどう使うかで、競争力が違ってくるじゃろ。しかも相手は優秀なドイツ車や日本車じゃからな。」

助手 「でも座り心地の良さってフランス車の持ち味ですよね。なくしてしまうと返って競争力が弱くなるじゃないですか。」

所長 「じゃからそれがマーケットのニーズなんじゃ。考えてもみろ、座り心地がいいからって他のクルマよりも10万円高かったとしたら買うか、買わんじゃろ。」

助手 「それは、そうですけど。でも同じぐらいの値段だったら、座り心地がいいクルマを買うんじゃないですか。」

所長 「その分、どこかでコストダウンをしないといけなくなるじゃろ。座り心地なんかよりも馬力やハイテク装備の方がお客にアピールできると言うことじゃ。」

助手 「そう言われれば、そうですけど。」

所長 「もし座り心地でクルマが選ばれるんじゃったら、トヨタなんかがとっくに座り心地のいいシートをつくり出しとるわ。そうなってないのはニーズがないからなんじゃ。」

助手 「そうかもしれませんけど、日本でもフランス車を乗り続けてるヒトなんかは、みんな座り心地の良さを挙げてますよ。」

所長 「じゃあ日本でフランス車に乗っとるモンがどれだけいるというんじゃ。」

助手 「それは・・・。」

所長 「それぐらいしかニーズがないと言うことなんじゃ。残念な話しじゃけどな。」

助手 「・・・そうですか。」

所長 「確かに、コストを掛けなくても座らせ方やセッティングなんかで、座り心地をよくしとる。さっきお前が言うたように包まれるように座らせたり、体重を分散させとるから、長い時間乗っても腰が痛くなりにくいのは、そういうノウハウを持っとるからじゃ。」

助手 「はい。」

所長 「これは長年蓄積されたモンじゃから、日本のメーカーにもそうそう真似が出来んじゃろ。そういう部分が日本でもっと理解されれば、日本でのフランス車のシェアも増えるじゃろうし、そうなると国産車のシートももっと研究を重ねてどんどん良くなっていくんじゃがな。」

助手 「そうですか。ところで所長は、フランス車が嫌いなんですか、それとも好きなんですか。なんかボロクソ言ったり、持ち上げたり。」

所長 「ワシもサンクのシートにやられた口じゃからな。」

助手 「えー、そうだったんですか。」

所長 「じゃから子孫のルーテシアにはもっと売れて欲しいんじゃ。」


参考資料
ルノー・ルーテシア(『webCG』 日経デジタルコンテンツ)

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2 コメント

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4代目が出ましたね (306乗り)
2013-08-02 12:52:56
3代目についての書き込みじゃなくてごめんなさい。

4代目のルーテシアが発売されましたね。
まだ先行予約中でディーラーで実車に触れられるのは9月下旬になるようですが、地味だった3代目とは打って変わってかなり魅力的な車に(中身も含め)生まれ変わったようですね。
シートの座り心地も含め、乗り心地を早く試してみたいと思っています。
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Re:4代目がでましたね (宇垂)
2013-08-05 20:27:59
306乗りさん

4代目の発売は9月24日なんですね。もう出てるモンだとばっかり思ってました。
新型のデザイン、写真で見る限り結構好みです。早く実物を見てみたいですね。
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