轟クルマ文化研究所

日本のどこかの片田舎、今日も所長の声が響いています。
「馬鹿モン!あれほど雑誌を鵜呑みにするなと言うとるじゃろ!」

アストンマーティン・シグネット

2010-03-26 18:49:47 | British Car
助手 「アストンマーチンのシグネットで知ってますか。」

所長 「ああ、iQのアストン版じゃろ。」

助手 「どう思います。」

所長 「なかなか上手いことやりよるの。」

助手 「そうですかぁ。ボクはダメだと思いますけどね。」

所長 「ん、どうしてじゃ。」

助手 「だってiQの顔をアストン風にしてるだけじゃないですか。」

所長 「サイドやリアも少し変わっとるぞ。」

助手 「いやいや、そういうことじゃなくって、あれだったらそこらの中古車屋でベンツ顔に改造してるのと変わらないでしょ。原型がわからないという意味では、ミツオカの方がよっぽど上手いですよ。」

所長 「アストンマーチン自らがやっとるわけじゃから、そこいらのバッタモンとは全然違うじゃろ。」

助手 「いや、それがダメなんですよ。アストンマーチンが自分で自分のブランド価値を下げてるとしか思えませんよ。これが許されるなら、どんなクルマでもいいって言う風になってしまうじゃないですか。」

所長 「そうかのぉ。」

助手 「まぁ、CO2排出量の規制で燃費のいいクルマが必要なのはわかりますけど、やるのなら化粧直しなんかじゃなくって、ちゃんとアストンマーチンのクルマをつくって欲しかったですね。」

所長 「そんなコトしたら金がいくらあっても足らんじゃろうが。ノウハウも持っとらんしの。」

助手 「いや、だからシャーシやエンジンなんかはトヨタでもどこでも買ってくればいいと思うんですよ。でも出来上がったクルマをそのまま持ってくるのは違うと思うんですね。」

所長 「中途半端にいじる方が効率が悪いと思うけどな。」

助手 「効率云々の問題じゃないでしょ。考えてみて下さいよ、アストンマーチン風の内外装にはなってますけど、走り出したらiQそのまんまなわけでしょ。そんなクルマがアストンマーチンのバッジを付けること自体ダメだと言ってるんですよ。アストンマーチンのオーナーも納得するとは思えませんけどね。」

所長 「ワシはアストンマーチンのオーナーじゃないからよぉわからんが、多分何台もクルマを持っとるじゃろうし、下駄代わりと考えればこれで十分じゃと思うがの。」

助手 「下駄代わりでもダメですよ。例えばアストンマーチンだったら素材や品質、あとデザインに拘った最高級の下駄でないとダメなんですよ。見た目だけ高級に装って中身は量産品の下駄では高級品とは呼べないでしょ。」

所長 「まぁ、そう言われればそうかもしれんの。」

助手 「でしょ。」

所長 「じゃが、ワシはそれでもアリじゃと思うんじゃ。」

助手 「どうしてですか。」

所長 「アストンマーチンにとってシグネットって、アストンのラインナップに連ねるクルマじゃないと思うんじゃ。」

助手 「えっ、どういうことですか。」

所長 「これが例えばDBなんとか、って名前が付いとるとか、このあとヴィッツやカローラに発展していくんじゃったら、もちろんワシも反対じゃ。それこそ、これまでアストンマーチンを信頼して買っとったお客に対する冒涜以外の何モンでもないわ。」

助手 「ボクもそう思います。」

所長 「じゃが、今度のは根本的に違うと思うんじゃ。」

助手 「どこが違うんですか。」

所長 「なんて言うか、シグネットってオプションやアクセサリーカタログにでも載せるべきモンじゃと思うんじゃ。」

助手 「アクセサリーですか。」

所長 「そうじゃ。うーん、例えるとペダルカーみたいなモンかのぉ。」

助手 「全然、意味がわかりませんけど。」

所長 「例えばワシがアストンマーチンを持っとるとするじゃろ。」

助手 「全く想像がつきませんけどね。」

所長 「黙って聞いとけ。で、孫にペダルカーを買ってやろうとすると、やっぱりアストンマーチンの格好をしたヤツが欲しくなると思うんじゃ。」

助手 「最近、多いですよね。フェラーリとかポルシェとか。」

所長 「そうじゃな。それがアストンマーチンの認可を受けとったり、オーナーのみが買えるカタログに載っとったりしたら、どうじゃ。多少高くても買うんじゃないかのぉ。」

助手 「そうでしょうね。ペダルカーに限らずアストンマーチンのグッズがあれば揃えたくなるでしょうね。確か時計でありましたよね。どっかの有名ブランドとコラボしたヤツ。」

所長 「じゃろ。で、そのノリで普段使いの足グルマをつくったのがシグネットじゃと思うんじゃ。今まではよそのメーカーのをセカンドカーに使っとったけど、アストンマーチンのが手に入るんなら、それに越したことはないんじゃないかの。そこに向けたアクセサリーの一種じゃと考えればアリじゃろ。」

助手 「・・・・。」

所長 「ペダルカーの性能や品質が、他のペダルカーと一緒じゃったとしても誰も文句なんか言わんじゃろ。それよりも自分の乗っとるアストンマーチンそっくりの顔をしとることが重要なんじゃ。」

助手 「それは、・・・そうですね。チョロQみたな外観もかえって愛着が持てるのかもしれませんね。」

所長 「確かシグネットってオーナーしか買えんのじゃろ。じゃったらオーナーさえ満足すれば問題ないわけじゃ。それ以外のワシらがどう思おうと買うことすら出来んしの。」

助手 「確かにそうですね。」

所長 「それに普通のiQより格好もいいしの。」

助手 「それは言えてますね。iQのデカい顔がウソみたいに整ってますね。」

所長 「iQの特徴的なライトと違っとるのかと思って見たら、内側に空洞をつくってライトのカタチを変えて見せとるんじゃ。上手いことやりおるわい。」

助手 「へぇー、そうなんですか。」

所長 「あと、排出量規制の話じゃけど、一番燃費のマシなV8でも一台に対してシグネットを7台以上売らんと規制をクリア出来んのじゃ。ま、多少は罰金の額を下げることにはなるんじゃろうけど、正直期待はしとらんじゃろうな。それよりも生き残るために、燃費のいい小型車やハイブリッド、EVなんかを出さんといかんから、そのための免疫効果を狙っとるんじゃないのかのぉ。」


参考資料
アストンマーティン・シグネット(株式会社アトランティックカーズ)
トヨタ iQ(轟クルマ文化研究所)
ジャガールクルト AMVOX(Manufacture JAEGER-LeCoultre)
toys toys(ペダルカー)(株式会社豊島製作所トイ事業部)

Yahoo!グループ 轟クルマ文化研究所


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