轟クルマ文化研究所

日本のどこかの片田舎、今日も所長の声が響いています。
「馬鹿モン!あれほど雑誌を鵜呑みにするなと言うとるじゃろ!」

スバル・レガシィ

2006-06-08 19:48:35 | SUBARU
助手 「スバルのレガシィがマイナーチェンジしましたね。」

所長 「毎年恒例の熟成・進化じゃな。国産メーカーでは数少ない真っ当なマイナーチェンジじゃ。」

助手 「あれっ、珍しく褒めますね。マイナーチェンジはお嫌いじゃなかったんですか。」

所長 「マイナーチェンジが嫌いなんじゃないわ。内容がダメなんじゃ。それにいつも褒めたいと思っておるんじゃけど、なかなか褒めるところがないだけじゃ。」

助手 「そうなんですか。てっきりあら捜しが好きなんだとばっかり思ってました。」

所長 「誰があら捜しが好きなんじゃ、んな訳ないじゃろ。どこのメーカーにしても小手先だけのマイナーチェンジばっかりじゃから、つい突っ込みたくなるだけじゃ。」

助手 「そうだったんですか。」

所長 「売れ行きの芳しくないクルマの見てくれを、変えとるようなのばっかりじゃろ。そこそこ売れとるクルマの場合は、バンパーのモールを同色にしたり、リアコンビライトの配列をいじったり、どうでもいいようなことをしよってからに。いつも言うとるが、良くも悪くもオリジナルのデザインが一番完成されとるんじゃ。それをいじくったって良くなるはずがないんじゃ。」

助手 「でも新鮮味がなくなって来るのも事実ですし、実際マイナーチェンジのあとは販売台数も盛り返すじゃないですか。」

所長 「一時的にはな。じゃがそこから落ちていくペースは、明らかにマイナーチェンジの前よりも早いんじゃ。まあ中には、マイナーチェンジで息を吹き返すクルマもあるが、そんなのはホンの一部じゃ。」

助手 「そうかもしれませんね。で、レガシィですけど、どこがいいんですか。」

所長 「見てくれよりも中身を熟成させとるところじゃ。レガシィは初代モデルのころから、毎年そうやって進化しとるんじゃ。そういうマイナーチェンジを繰り返すことによって、どんどんクルマもよくなっていくし、ユーザーからの信頼も増すじゃろ。」

助手 「ポルシェでよくつかわれる『最良のポルシェは、最新のポルシェ』と言うことですね。」

所長 「そうじゃ。その信頼の積み重ねが、レガシィがベストセラーの座を続けとる最大の要因じゃと思う。あのトヨタでさえ、レガシィだけは崩せんじゃろ。」

助手 「確かにそうですね。」

所長 「レガシィ以外でトヨタが崩せんのは、フィットぐらいじゃないか。あとは全部トヨタにひっくり返されとるじゃろ。」

助手 「そうですね。特にホンダがマーケットを開拓して、トヨタがあとからやって来たてさらうというのが顕著ですね。オデッセイにステップワゴン、あとストリームも。」

所長 「レガシィにはカルディナをぶつけたんじゃが、売れ行きはさっぱりじゃろ。」

助手 「それはカルディナに問題があるような気がしますが。」

所長 「もしカルディナが良かったとしても、レガシィを崩すのは難しいと思うんじゃ。なぜならレガシィがいいのはもちろんのこと、スバルのやり方に賛同しとるモンが多いからじゃと思う。」

助手 「そうかもしれませんね。」

所長 「何もブランドをつくるのに見てくれの高級感なんて必要ないと思うんじゃ。要はつくり手の思いが買うモンにちゃんと伝わればいいんじゃ。そうすれば自ずからメーカーイメージが高まり、ブランドとして認知されると思うんじゃ。」

助手 「そのいい例がスバルであり、レガシィだということですね。」

所長 「そういうことじゃ。じゃがレガシィ以外にブランド効果が浸透しとらんのがスバルの弱いところなんじゃがな。」

助手 「そうですね。インプレッサなんかはコアなファンがいますけど、軽自動車はかなり苦戦してるみたいですね。」

所長 「スバルの性格上どうしてもクルマ好きに限定されてしまうじゃろう。そこがツラいところじゃな。少車種精鋭で経営が成り立てばいいんじゃが、モデルサイクルを考えれば新型車がなかなか出せないと、売り上げがバラついてしまうからな。」

助手 「そうですね。それで他メーカーの資本が必要な訳ですね。トヨタが新しい筆頭株主になりましたけど、今後どうなりますかね。」

所長 「トヨタもスバルの強みはわかっとるじゃろうし、今のやり方から大きくは変えられんじゃろうな。この間も言うたが、スバルのいいところを伸ばして弱いところを補充して、スバルの利益を上げるのが最善じゃろう。」

助手 「そうですね。クルマづくりに関しては正反対なキャラクターですし、歩み寄るよりは独自性を生かした方がいいですね。」

所長 「もっともトヨタの生産システムなんかのノウハウは注入されるじゃろうけど、それによってスバルの魅力が損なうと言うことはないじゃろう。」

助手 「そこが気になるところですけど。」

所長 「よくトヨタ生産方式やカイゼンなんかのせいで、トヨタ車がつまらんクルマになっとるという意見を見掛けるんじゃが、あんなのはデタラメじゃ。あれはあくまでも品質向上や原価低減なんかのための製造ノウハウであって、クルマの魅力を左右するのは、デザインやコンセプト、マーケティングの問題じゃと思うんじゃ。それもトヨタのクルマがクルマ好きを対象にしとらんだけであって、魅力がない訳じゃないんじゃ。」

助手 「そうなんですか。じゃあスバルやレガシィは安泰ですね。」

所長 「まあ、売れとるうちはな。」

助手 「え、どういうことですか。」

所長 「売れんクルマをつくり続けさすほどトヨタは甘くはないということじゃ。ワシは、いい緊張感の中で開発することになるから、いい方向に向くと思うんじゃけどな。」

助手 「そうですね。」

所長 「あと、新しいレガシィなんじゃが、グリルのバーが斜めになって少し子供っぽくなったところがマイナスじゃな。それでも国産車の中で一番魅力的なサルーンには違いないんじゃけどな。」

助手 「所長ってレガシィがお好きなんですか、なんか意外ですね。僕は3ナンバーになったのと洗練され過ぎって言うか、スバルらしさが薄れたところが気になりますけど。」

所長 「洗練されて何が悪いんじゃ。スバルのイメージを勝手につくっとるだけじゃ。それに3ナンバーにしても高々3センチ5ミリ大きくなっただけじゃろ。1650ミリのクルマが1695ミリになっても何にも言わんのに、1700ミリを超えた途端騒ぐ方がどうかしとるわ。ワシからすれば、今までのいびつな縦横比が改善されたんじゃから歓迎すべきことじゃ。」

助手 「そうかもしれませんね。」

所長 「それに前後を絞り込んどるから、先代モデルより小さく見えるんじゃ。あの凝縮感は他の国産車にはない出来映えじゃ。ま、売れて当然と言ったところじゃ。」

助手 「うーん、今度よく見ておきます。」


参考資料
スバル・レガシィ(富士重工業株式会社)


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