助手 「ようやくインプレッサが出ましたね。」
所長 「じゃな。」
助手 「3月のニューヨークショーで発表して、7月にはホームページで国内向けモデルも公開されてますしね。」
所長 「ギリギリまでひた隠しにするのもどうかと思うが、あんまり早くから見せるのも考えモンじゃな。出たときに新鮮味が感じられんしの。」
助手 「ですよね。」
所長 「ま、メーカーによっていろんな考え方があるんじゃろう。ワシらがどうの言ってもしょうがないわ。」
助手 「それもそうですね。ところで新しいインプレッサですけど、どう思います。新世代のスバル・グローバル・プラットフォームを使った初めてのクルマとか、デザイン面でも新しいデザイン・フィロソフィーのダイナミック×ソリッドを初めて採用して、あとアイサイトの最新版のバージョン3を全車に標準装備したとか、話題性に富んでますけど。」
所長 「そうじゃな、初めて実車の写真を見たときは、正直ガッカリしたんじゃが。」
助手 「えっ、そうなんですか。」
所長 「なんかあんまりピンとこんかったんじゃ。ダイナミック×ソリッドじゃったかの、大層な名前を付けとる割りに、レヴォーグやレガシィなんかとあんまり変わらんように見えたんじゃ。」
助手 「ま、確か顔つきなんかは、あんまり変わってませんよね。」
所長 「あと去年のモーターショーに出とったコンセプトモデルの格好がよかったんで、期待値も高かったっていうのもあるんじゃが。」
助手 「ああ、それは言えてますね。今度のインプレッサに限らず、スバルのコンセプトカーって、なんて言うかエッジが効いててカッコいいんですけど、市販車になると途端にぼやけてしまいますよね。」
所長 「特にセダンの厚みのあるボディサイドがトランクに向かって一直線に駆け上がるラインなんか近年のセダンの中でも秀逸じゃと思っておったんじゃが、市販モデルでは随分と凡庸に感じたんじゃ。」
助手 「そうですか。」
所長 「じゃが、スバルのホームページを隅から隅まで見とるうちに、それこそ説明の動画なんかも全部見たんじゃが、見え方が変わってきたんじゃ。」
助手 「どう変わったんですか。」
所長 「なんて言うか、久しぶりにこのクラスのクルマが魅力的に見えてきたって言うか。ま、端的に言って欲しくなったワケじゃ。」
助手 「そうなんですか、えらい変わりようじゃないですか。」
所長 「自分で言うのも何なんじゃが、今まで如何に上っ面しか見とらんかったか、反省させられたわ。」
助手 「今日はいつになく謙虚ですね。」
所長 「うるさいわ。お前にだけは言われたくないわ。で、じゃな、このクラスってこれまでゴルフなんかの外車が引っ張ってきとったじゃろ。そこの市場に向けてシビックとかアクセラとかオーリスなんかの国産勢が名乗りを上げとるんじゃが、正直国内ではあんまり見向きはされとらんかったんじゃ。」
助手 「ですね。ヨーロッパなんかでは、もっともスタンダードな市場なんですけどね。」
所長 「最近ではベンツやBMW、アウディなんかの高級ブランドも参入してきとるし、ボルボやアルファなんかの個性的なのも加わって、各メーカーの思惑が入り乱れて面白い市場になっとるんじゃ。」
助手 「ですね。Bセグメントなんかもおんなじ展開になってますけど、サイズやコストの縛りがきついですから、Cセグメントの方がよりメーカーの個性が表れてる気がしますね。」
所長 「じゃろ。日本で買えるクルマだけでもいろんなのがあるし、その市場の中で、現行のマツダのアクセラや今度のスバルのインプレッサって、まったく引けを取ってないんじゃないかのぉ。」
助手 「確かにどっちのメーカーも主張がはっきりしてますし、走行性能にしても環境や安全面を見ても引けを取ってるとは思いませんね。」
所長 「じゃろ。これまで日本車が不得意だと言われとったデザインにおいても、アクセラより格好いいクルマってそう見当たらんじゃろ。」
助手 「言えてますね。」
所長 「そんなコトを考えて見とるうちにインプレッサの見え方も変わってきたんじゃ。なんて言うのかの、これまでどっちかっていうと走りの良さを売りにしとったスバルの核の部分にじゃな、アイサイトが加わったコトによって安全性っていう一本の柱が通った気がするんじゃ。」
助手 「柱ですか。」
所長 「そうじゃ。安全に速く快適に移動するためのクルマって感じかのぉ。そう考えると、悪天候に威力を発揮する四駆にしても、低い重心で安定感に寄与する水平対向エンジンにしても、これまでスバルが進めてきた技術もきれいに結び付くしの。」
助手 「まぁ、元々スバルの理念って『人を中心としたクルマづくり』ですからね。」
所長 「そんなきれいごとなんて、どこのメーカーでも言っとるじゃろ。ワシが言いたいのは、それを軸にしたクルマづくりに完全にシフトしたんじゃないかって気がするんじゃ。」
助手 「はぁ。」
所長 「それに沿って開発した新しいプラットフォームに、その考えを体現したデザインと、やっとるコトがどれも一本筋が通っとるように思えるんじゃ。」
助手 「まぁ、確かにそうかもしれませんね。」
所長 「そう考えて新しいインプレッサを見ると、これが実に魅力的に見えてきたワケじゃ。」
助手 「はぁ、そうですか。」
所長 「慌ててディーラーに見に行ってきたんじゃが、さっき言ったコンセプトカーと比べてどうのっていうのも、まったく気にならんかったしの。」
助手 「はいはい。」
所長 「真剣に聞いとるのか。」
助手 「ちゃんと聞いてますよ。」
所長 「このインプレッサで、スバルは一段階上に行くんじゃないかって気がするんじゃ。初代のレガシィが出たときとか、マツダが魂動デザインにシフトしたときみたいな大転換期になるんじゃないかのぉ、メーカーのイメージや販売面も含めて。」
助手 「そんなに、ですか。」
所長 「そうじゃ。それほど惚れ込んでしもうたわ。」
助手 「これは買うしかないですねぇ。期待してますよ。」
所長 「買えるモンならすぐにでも買いたいんじゃが、年金暮らしのワシには正直贅沢すぎるしの。そうじゃお前が買えばいいんじゃ。」
助手 「ボクもいいと思いますけどね。ただ・・・。」
所長 「ただ、なんじゃ、気に入らんのか。」
助手 「いや、ボクは所長と違って最初っからいいと思ってましたけど、新しいインプレッサをベースにしたXVも気になりますしね。ジュネーヴショーに出てたコンセプトカーが、またカッコいいんですよ。」
所長 「・・・XVがあったかぁ、うーん、確かに気になるのぉ。」
参考資料
スバル・インプレッサスポーツ(富士重工業株式会社)
スバル・インプレッサG4(富士重工業株式会社)
SUBARU XV Concept(富士重工業株式会社)
スバル・インプレッサ(轟クルマ文化研究所)
スバルXV(轟クルマ文化研究所)
所長 「じゃな。」
助手 「3月のニューヨークショーで発表して、7月にはホームページで国内向けモデルも公開されてますしね。」
所長 「ギリギリまでひた隠しにするのもどうかと思うが、あんまり早くから見せるのも考えモンじゃな。出たときに新鮮味が感じられんしの。」
助手 「ですよね。」
所長 「ま、メーカーによっていろんな考え方があるんじゃろう。ワシらがどうの言ってもしょうがないわ。」
助手 「それもそうですね。ところで新しいインプレッサですけど、どう思います。新世代のスバル・グローバル・プラットフォームを使った初めてのクルマとか、デザイン面でも新しいデザイン・フィロソフィーのダイナミック×ソリッドを初めて採用して、あとアイサイトの最新版のバージョン3を全車に標準装備したとか、話題性に富んでますけど。」
所長 「そうじゃな、初めて実車の写真を見たときは、正直ガッカリしたんじゃが。」
助手 「えっ、そうなんですか。」
所長 「なんかあんまりピンとこんかったんじゃ。ダイナミック×ソリッドじゃったかの、大層な名前を付けとる割りに、レヴォーグやレガシィなんかとあんまり変わらんように見えたんじゃ。」
助手 「ま、確か顔つきなんかは、あんまり変わってませんよね。」
所長 「あと去年のモーターショーに出とったコンセプトモデルの格好がよかったんで、期待値も高かったっていうのもあるんじゃが。」
助手 「ああ、それは言えてますね。今度のインプレッサに限らず、スバルのコンセプトカーって、なんて言うかエッジが効いててカッコいいんですけど、市販車になると途端にぼやけてしまいますよね。」
所長 「特にセダンの厚みのあるボディサイドがトランクに向かって一直線に駆け上がるラインなんか近年のセダンの中でも秀逸じゃと思っておったんじゃが、市販モデルでは随分と凡庸に感じたんじゃ。」
助手 「そうですか。」
所長 「じゃが、スバルのホームページを隅から隅まで見とるうちに、それこそ説明の動画なんかも全部見たんじゃが、見え方が変わってきたんじゃ。」
助手 「どう変わったんですか。」
所長 「なんて言うか、久しぶりにこのクラスのクルマが魅力的に見えてきたって言うか。ま、端的に言って欲しくなったワケじゃ。」
助手 「そうなんですか、えらい変わりようじゃないですか。」
所長 「自分で言うのも何なんじゃが、今まで如何に上っ面しか見とらんかったか、反省させられたわ。」
助手 「今日はいつになく謙虚ですね。」
所長 「うるさいわ。お前にだけは言われたくないわ。で、じゃな、このクラスってこれまでゴルフなんかの外車が引っ張ってきとったじゃろ。そこの市場に向けてシビックとかアクセラとかオーリスなんかの国産勢が名乗りを上げとるんじゃが、正直国内ではあんまり見向きはされとらんかったんじゃ。」
助手 「ですね。ヨーロッパなんかでは、もっともスタンダードな市場なんですけどね。」
所長 「最近ではベンツやBMW、アウディなんかの高級ブランドも参入してきとるし、ボルボやアルファなんかの個性的なのも加わって、各メーカーの思惑が入り乱れて面白い市場になっとるんじゃ。」
助手 「ですね。Bセグメントなんかもおんなじ展開になってますけど、サイズやコストの縛りがきついですから、Cセグメントの方がよりメーカーの個性が表れてる気がしますね。」
所長 「じゃろ。日本で買えるクルマだけでもいろんなのがあるし、その市場の中で、現行のマツダのアクセラや今度のスバルのインプレッサって、まったく引けを取ってないんじゃないかのぉ。」
助手 「確かにどっちのメーカーも主張がはっきりしてますし、走行性能にしても環境や安全面を見ても引けを取ってるとは思いませんね。」
所長 「じゃろ。これまで日本車が不得意だと言われとったデザインにおいても、アクセラより格好いいクルマってそう見当たらんじゃろ。」
助手 「言えてますね。」
所長 「そんなコトを考えて見とるうちにインプレッサの見え方も変わってきたんじゃ。なんて言うのかの、これまでどっちかっていうと走りの良さを売りにしとったスバルの核の部分にじゃな、アイサイトが加わったコトによって安全性っていう一本の柱が通った気がするんじゃ。」
助手 「柱ですか。」
所長 「そうじゃ。安全に速く快適に移動するためのクルマって感じかのぉ。そう考えると、悪天候に威力を発揮する四駆にしても、低い重心で安定感に寄与する水平対向エンジンにしても、これまでスバルが進めてきた技術もきれいに結び付くしの。」
助手 「まぁ、元々スバルの理念って『人を中心としたクルマづくり』ですからね。」
所長 「そんなきれいごとなんて、どこのメーカーでも言っとるじゃろ。ワシが言いたいのは、それを軸にしたクルマづくりに完全にシフトしたんじゃないかって気がするんじゃ。」
助手 「はぁ。」
所長 「それに沿って開発した新しいプラットフォームに、その考えを体現したデザインと、やっとるコトがどれも一本筋が通っとるように思えるんじゃ。」
助手 「まぁ、確かにそうかもしれませんね。」
所長 「そう考えて新しいインプレッサを見ると、これが実に魅力的に見えてきたワケじゃ。」
助手 「はぁ、そうですか。」
所長 「慌ててディーラーに見に行ってきたんじゃが、さっき言ったコンセプトカーと比べてどうのっていうのも、まったく気にならんかったしの。」
助手 「はいはい。」
所長 「真剣に聞いとるのか。」
助手 「ちゃんと聞いてますよ。」
所長 「このインプレッサで、スバルは一段階上に行くんじゃないかって気がするんじゃ。初代のレガシィが出たときとか、マツダが魂動デザインにシフトしたときみたいな大転換期になるんじゃないかのぉ、メーカーのイメージや販売面も含めて。」
助手 「そんなに、ですか。」
所長 「そうじゃ。それほど惚れ込んでしもうたわ。」
助手 「これは買うしかないですねぇ。期待してますよ。」
所長 「買えるモンならすぐにでも買いたいんじゃが、年金暮らしのワシには正直贅沢すぎるしの。そうじゃお前が買えばいいんじゃ。」
助手 「ボクもいいと思いますけどね。ただ・・・。」
所長 「ただ、なんじゃ、気に入らんのか。」
助手 「いや、ボクは所長と違って最初っからいいと思ってましたけど、新しいインプレッサをベースにしたXVも気になりますしね。ジュネーヴショーに出てたコンセプトカーが、またカッコいいんですよ。」
所長 「・・・XVがあったかぁ、うーん、確かに気になるのぉ。」
参考資料
スバル・インプレッサスポーツ(富士重工業株式会社)
スバル・インプレッサG4(富士重工業株式会社)
SUBARU XV Concept(富士重工業株式会社)
スバル・インプレッサ(轟クルマ文化研究所)
スバルXV(轟クルマ文化研究所)
モーターショーでコンセプトモデルを見た時からですが、特徴的な部分が無い車だと感じました。
そんなインプレッションに無理矢理な理由をつけるとすると、
今のインプレッサはWRXと完全に切り離され、WRXの土台としてはレヴォーグという車がすでにあり、
かつて持っていた”意義”を失った状態と言えます。
安全性も、望んで得た個性ではなく、それしか選びようが無かったという解釈もできると思えます。
まあ穿った見方でしょうが。
>新インプレッサに対して、個人的には何も感想がありません。
>モーターショーでコンセプトモデルを見た時からですが、特徴的な部分が無い車だと感じました。
そうですか、受け止め方はヒトそれぞれですね。
>今のインプレッサはWRXと完全に切り離され、WRXの土台としてはレヴォーグという車がすでにあり、
>かつて持っていた”意義”を失った状態と言えます。
ボクは反対にWRCの呪縛が完全になくなったので、先々代当たりから違う方向を歩み始め、
それが新型で結実したように思えるんですよ。
デザイン等はあれこれ賛否ありそうですが、スバルっぽくてレガシィより好感がもてます。
もしかしたらレガシィ=北米。インプレッサ=欧州の雰囲気を感じるからかもしれません。
しかしながら、スバルの5ナンバークラスのコンパクトを見てみたいものです。ダイハツやトヨタのバッチ替えでないもので。
スバルの5ナンバークラスのコンパクト、見たいですねぇ。
残念ながら、もうすぐダイハツ製のラクティス・bBを統合した後継車が発売され、それのスバル版も用意されるって話がちらほら。
そんなのより水平対向エンジンを積んだスバル・オリジナルのコンパクトを!
それが無理ならせめてデザインだけでも・・・。
アクセラよりもコンサバなインプレッサの方が売れているを見ても
日本人がこのクラスに求めるのはシンプルな質感の高さだと思います。
アメリカの方々もシンプルでコンサバなデザインを好むユーザーは多いですし
新型インプレッサのデザインはそうしたシンプルな品質の良さを全面に押し出した正常進化であると思います。
言われてみれば、シンプルな質感の高さっていうのは、ニーズとして確かにありますよね。
特に最近、押し出しの強いカスタム系のデザインが幅を利かせてるんで、余計に魅力的に見えるのかもしれません。
てかあのまま出てきたら本当に欲しいです(笑)
国内メーカーのCセグメントで頑張ってるのはアクセラとインプレッサぐらいなので、これからも磨きをかけていって欲しいです。
XVコンセプト、カッコいいですよね。
ボクも今一番気になるクルマです。
>国内メーカーのCセグメントで頑張ってるのはアクセラとインプレッサぐらいなので、これからも磨きをかけていって欲しいです。
ですね。ホント最近のマツダとスバルは素晴らしいですね。
トヨタ、日産、ホンダ、特にシビックなんかもっともっと頑張ってほしいところです。
個人的にはデザインはとても好みです。
アクセラの鼓動デザインもとても美しいとおもいますが、ちょっとクセがありますよね。
その点インプレッサは地味だけど、さっぱりしてて誰でも選び安い感じがします。
本当に和製ゴルフといった感じで、、、それを狙ってるのでしょうが。
今私は25歳ですが、同期にはアクセラ買った者もいますし
このクラスなら、少し頑張ればなんとか若者でも買えるラインですねぇ
ちょっと考えちゃます(笑)
>今私は25歳ですが、同期にはアクセラ買った者もいますし
>このクラスなら、少し頑張ればなんとか若者でも買えるラインですねぇ
>ちょっと考えちゃます(笑)
若い方に支持されるアクセラにインプレッサ。
未来は明るそうですね。
是非、買っちゃて下さい!