釋超空のうた (もと電子回路技術者による独断的感想)

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雑談:10層プリント基板での電子回路設計

2013-12-14 10:32:06 | その他の雑談
趣味人趣味人倶楽部のマイフレさんが真空管アンプの回路図を写真欄にアップされていたので、ついつい昔の苦労話を思い出してしまった。

最近の電気会社等の電子回路設計部門での設計事情は知らないが、私が電気工場の実験室の片隅で自身が設計した回路基板と格闘していた頃・・・もう20年程の昔話だが・・・回路設計での至上命令の一つは、いかにして電子回路の実装密度をあげるか、だった。

恐らく現在もそうだろうが、一般に電子回路機器は、当時は多くて20枚程度のプリント基板 (この各基板に電子回路部品が実装される)と、それらの基板を電気的に接続するマザーボードと称するプリント基板から構成されている。それらに必要に応じて他の部品が適宜接続されている。

通常、各基板はK1サイズ ( 横幅:30cm,縦幅:20cm,厚さ:数mm程度だったと思う) のものが使用されていた。

その各基板の実際の電子回路図はA2用紙一枚に原則として書かれた。だから一般に一つ電子回路機器の回路図はA2用紙で数十枚になった。

当時は余程の制約がない限り、両面に配線パターンがある2層基板が使われた。原則として部品そのものは片面に実装される。

ところが機器の制約上、私は10層基板を使用して回路設計をしなければならなくなった。実装密度をあげるため、そうせざるを得なかった。

その基板の10層のうち1層はベタアース面、他の1層は電源面として、他の8層で実装部品間の接続をした。

これにはマイッタ。

比喩として言うと、10次元空間を考えているようなものであった。2層基板程度なら、まぁ、どうということはない。

しかし、10層となると、そのヤヤコシサは経験した者でなければ分からないだろう。

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さて、その試作品の姿は・・・当然、ジャンパー線だらけであった。

ジャンパー線とは、これは業界用語だろうが、パターン設計ミスで其の箇所を切断し、通常の細い電線で正常に接続することである。まぁ設計ミスの具体的象徴のようなものだ。

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ともあれ、正直なところ、よほど好きでないかぎり、電気工場の電子回路設計屋などになるものではありません・・・

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