釋超空のうた (もと電子回路技術者による独断的感想)

文系とは無縁の、独断と偏見による感想と連想と迷想!!

及び釋超空のうたとは無縁の無駄話

27. 『をとめ居て、ことばあらそふ声すなり・・・』

2011-08-23 07:25:53 | 釋超空の短歌
『 をとめ居て、ことばあらそふ声すなり。
    穴井(あない)の底の くらき水影(みずかげ) 』
***
いままでみてきた釋超空のうたには、「をとめ」が登場するうたが二つあった。
それらは下記のうただ。

『をとめ一人 まびろき土間に立つならし。くらきその声 宿せむと言ふ』
『邇摩(にま)の海 磯に向かひて、ひろき道。をとめ一人を おひこしにけり』

掲題のうたを含めて、これらの三人の「をとめ」には共通点があるように私は思う。
その共通点は、まさに 『穴井(あない)の底の くらき水影(みずかげ)』だと私は感じる。

私は男性だから女性のかたがどう思うか分からないが、「をとめ」と聞いたとき男性は、(と男性一般に広げるのは誤りだろうから、少なくとも私は)その「をとめ」に何か不気味なと言うと語弊があるが、ある謎めいたものや原初的なものを感じる。

おそらく人間の根源的なものは女性、とりわけ「をとめ」と表現される処女にあるような気が私はする。男性は所詮の女性の属性の断片に過ぎないのではないか。

掲題のうたには、『ことばあらそふ声すなり』とある。
何をあらそっているのだろう。
何をあらそうにせよ、あらそっているのは男性たちに違いない。

その、あらそいの圏外で、ぼんやりと佇んでいるのは・・・『穴井(あない)の底の くらき水影(みずかげ)』 のような「をとめ」である。

当然、人間実存の探求者である釋超空の関心は、この「をとめ」にある。
男性と女性とは、この宇宙での実存の次元が異なっているのだから。
(高低を定義ぬきで言えば、女性は男性より高次元の存在なのだ)