明日につなぎたい

老いのときめき

への字も言わずに

2018-02-06 19:31:33 | 日記

 4日投開票の沖縄県名護市長選挙の結果は、残念に思うとともに、何とも言えぬ不明朗を感じた。辺野古新基地建設に一貫して反対してきた、現職の稲嶺 進候補が敗れ、自民、公明、維新の推す渡久地武豊候補が当選した。堂々と四つに組んだフェア―な論戦の結果なら、悔しくても”力負け”だと合点する気にもなるのだが、そうではなかったらしい。渡久地陣営は「辺野古のへの字もいわない」という選挙戦略に徹し、有権者に一度も辺野古新基地の賛否を明確にしなかった、本音隠しに終始したそうである。

 

 名護市民の多くは新基地ノ―である。NHKの出口調査でも、75%が「辺野古新基地反対」と回答。沖縄タイムス、琉球新報、共同通信の合同調査でも、64・6%が「辺野古移設反対」だったと報じられている。渡久地陣営も、この市民意識は分かっていたのだろう。基地建設容認の本心を表に出したら敗北必至だと踏んで、辺野古のへの字も言わない道を選び「地元の経済、教育、福祉、地域活性化、振興」を表看板にしたのだ。あとは、大がかりな自公維連合の力づくと、企業・団体の締めつけだったそうである。

 

 安倍晋三首相は「市民の理解をいただきながら・・・辺野古新基地工事を加速させる」との考えを表明した。だが、今回の選挙結果は決して基地容認ではなかった。当選した渡久地氏自身も「辺野古容認の民意とは思っていない。複雑な民意が示されている。私を支持した人にも、辺野古に反対する人がいる」と言っている。基地に関して一定の行政権限をもつ市長は、許認可事項の一つひとつで態度を迫られることになる。安倍政権と市民との深刻な矛盾の狭間(はざま)での苦労は避けられないだろう。前市長の稲嶺氏はすっきりしていたが。”沖縄戦”はこれからも続く。


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