卒寿祝賀会をやってもらった翌々日の7月23日、予定のブランに従って旅に出た。行く先は足摺岬と四万十川。日本の美しい原風景に触れる旅である。昔、所用で高知を訪ねたことはあるが、プライベートの観光は初めてだ。わが老夫妻、孫の運転で明石大橋を渡り、徳島を経て高知自動車道に入る。四国山脈をくぐるのだからトンネルの連続だ。午後3時頃、足摺岬に到着。遥かな水平線、青い海を眺め、岩に砕ける白い波を見下ろした。ああ良かった。この瞬間は、いつも懸念している地球環境の悪化、海洋汚染なども念頭から消えていた。
山道をくねくね、スリルを味わいながら四万十のホテルに着く。夕食で鯛の刺身かと思って口に入れたら、この川の鯰(なまず)だと教えられた。これも初体験だ。心ゆくばかり、清流を眺め、沈下橋を歩く。大きな魚が泳いでいたがカメラに撮り損なう。帰途につく。街道には共産党の「憲法9条を守れ」のポスタ―が目立つ。時折、社民党のも見かけた。さすが高知県。「自由民権運動発祥の地やからな」。横の孫に囁く。ときどき休憩で立ち寄るドライブインやコンビニで、西日本水害救援募金箱に、いくらかの硬貨を入れる。無事帰阪。孫は疲れただろうが、楽しい旅だった。