「旅は道連れ世は情け」。旅行には道連れが、世渡りには人情が大切だと解釈される言葉だが、始めと終わりの漢字を合わせると旅情になる。これが身に沁みた旅であった。道連れに恵まれた。みんな頼もしく優しかった。一行23名のなかの最高齢が私。それが幸いしたのだろう、気遣いが伝わってくる。さらに我が町・旭区の住人や縁(ゆかり)のある人が傍にいてくれたのが心強かった。知らなかった人、久しぶりにあった人とも親しく話し合えた。これが旅というものなのだろう。
おかげで心身ともに爽快。夕食のときは笑いのまじった話題が次々、こんな雰囲気のなかで、久しぶりに飲む泡盛が滅法うまかった。圧巻だったのは「民謡ライブと琉球料理の店」での夕食会だった。全員参加、沖縄革新懇の方々が加わる。交流会で熱弁を振るわれた弁護士さんが「これは格別にうまい泡盛です」と注いでくれる。そのとうりだった。座はついに宴会に発展する。民謡に乗って踊りが始まる。私もいつしかその輪の中にまきこまれていた。生まれてはじめての体験。道連れの一人がわが意をえたとばかりに笑っていた。
宴のあと、沖縄の人たちと握手をかわす。すごい力が伝わってくる。私も渾身の力をこめた。まさに「沖縄の心とつながるツアー」だった。"旭グループ "は私の妻への土産物選びまでつきあってくれた。にぎあう国際通り・公設市場で昼食、そして帰阪。「旅は道連れ世は情け」だ。これが私の旅情であった。