24日夜、身体の一部に異常を感じたので、翌朝行きつけの病院に。主治医から専門医のいる某病院を紹介され送迎車で直行。ひとまずの検査のあと入院ということになった。いろんな器械で詳しく検査される。結果は悪くなかったので退院となったが、私にはとても長い2日間だった。それでも退屈の虫を追い出してくれる大ニュ―スにぶつかった。妻が持ってきた26日朝の新聞だ。「マスコミを懲らしめる」(自民)「沖縄の二紙つぶせ」(百田)の大見出しにびっくりした。
その記事は自民党の若手・中堅議員(安倍応援団)が25日に開いた「文化芸術懇話会」を報じたもの。議員は「マスコミを懲らしめるには広告収入がなくなるのが一番。経団連に働きかけてほしい」との声を上げる。幅広い国民の戦争法案反対に苛立っているのだろう。講師によばれた作家の百田直樹氏は「沖縄の二つの新聞社はつぶさないといけない。沖縄のどこかの島が中国に取られてしまえば目を覚ますはずだ」。さらに「普天間飛行場はもともと田んぼの中。商売になると人が住みだしたのだ」と沖縄県民への暴言を吐いた。
報道、言論の自由に対する弾圧の意図、沖縄県民への許しがたい侮辱であることは誰の目にも明らかだろう。この日は衆院安保法制特別委員会が行われている。早速イヤホ―ンでテレビ中継を見る。私の関心は安倍首相がこの件でどう答えるかだったが、首相の態度は「党の正式な会合ではない。その方に成り代わって勝手にお詫びすることはできない」だった。仲良し作家と"お友達議員 "からの暴言だが、首相の本心を代弁しているのだから庇うしかないのだろう。ヘンな納得をしてイヤホ―ンを抜いた。
退院後の私の目に入ったのは、百田直樹元NHK経営委員が自分のツイッタ―で、沖縄の二紙(琉球新報と沖縄タイムス)にとどまらず「本当につぶれてほしいと思っているのは朝日、毎日、東京新聞だ」だと言ったとの報道である。安倍自民党ともども、どこまで堕ちていくのか、腹立たしさを超えた軽蔑の念が湧いてきた。なにが文化芸術だ!ジャ―ナリズムを敵にまわした権力者がどんな運命を辿るのだろうか。それを決定づけるのは国民の意思と行動だろうと確信している。