ある日、孫が私のブログを見てつぶやいた。「ボケてへんなあ」。遠慮、気兼ねのない間柄だから、ごく自然にこんな言葉が出るのだろう。悪い気はしなかった。要するにブログをやっているのは、他人様の反応はともかく、本人の身には役に立っているということだろう。見て聞いて感じたことをまとめる、拙い文章でもそれなりの苦労がある。それが衰えを遅らせているのであればよいではないか。自己満足だ。新聞記事などの音読は認知症の予防の一つだと聞いて、私は送信前の原稿を妻に読んでもらっている。
老夫妻の私たちも「明日はわが身」の予感めいたものが働くのだろうか。まじめに地域の医療生協の「脳いきいき懇談会」に顔を出したり、ニュースを見たりするようになっている。あるお医者さんが書かれた『ニートについて』が面白かった。走ったり泳いだりの運動ではなく、座る時間を減らし、立ち仕事を増やす、立ってテレビを見るなど、日常生活のなかでこまめに体を動かす習慣をと説かれる。私は糖尿病患者でも肥満体でもないが、長時間PCの前に座っている私には有難い話のように思えた。
旭区・介護を考える会の会報(3月号)に、ヘルパー学習会の記事が出ている。ベッド生活をしている老人の介護が主題であり、私には縁遠い?話なのだが、よくよく見れば体を動かし自立することの大切さが強調されているように思った。「オムツを外してトイレを使え」「座ることで筋肉を活性化、寝たきりにさせない」「本人の起き上がろうとする動作を邪魔せず、身体機能を生かした介助を」など。なぜか、よくいわれる”福祉は人なり”という言葉を思い出した。・・近所の桜も満開近い。その下を高齢者が歩いている。私である。