福島県二本松市に新しく出来た
ワールドワイズボクシングジム(宍戸会長)の
300人もの観客を集めて行われるオープニングイベントの「異種格闘技トーナメント大会」に、
宍戸会長から直々に、我が
TI山形ボクシングジムのボクサーに「TI山形ジムのボクサーはボクシングルールでしかやらせませんから」何人か参加させて欲しいとの要望があり、ボクサーの今後に為に良い経験になるかと思い、ボランティアで参加させたのですが....
優勝賞金や副賞の外車を勝ち取る為に来た「フトドキモノ」もいるにはいましたが...
当日、会場に着いたら...話が大きく変わっているんです...
「寝技も有りにしました」....だって....
だいたい、弱い選手ばっかり集めたって言ってたでんです...
選手の控え室を見回してみると...
プロボクサー斉藤君の強さは知っていますが...
黒帯しめた極真の空手家が、ブンブン、ローキックの練習しているし....
かとと落としやハイキックで空ビンを割って遊んでいる
テコンドーの選手は居るし...
3年前位から練習している
プロボクサーを目指しているボクサーもいるし...
一人寡黙に寝技のシュミレーションをしてタックルの練習を続ける人もいます。
シュートをしていたそうです....
120㎏のデブのオッサンが出てくるとは聞いていましたが...とても120㎏ではないでしょう?背丈格好から言っても少なくとも
150㎏はあるのではないでしょうか...しかも動きが速いし、オッサンじゃない...聞いたら18歳でした...
因みにこの日連れてきた、うちのボクサー全員高校三年生なんです...
私は「ふざけんな!ボクサーが寝技なんて出来る訳無いんですから、蹴りだって突然やるんでは対処出来ませんよ。話が違いすぎだろー!帰るわ!」と文句と言うと...
主催者は、「その都度、その都度、対戦する選手によってルールを決めていくつもりなので大丈夫です」との回答...
信じる訳もないんですが...「選手同士だけでルールを決めるのには反対して、うちの選手のルールは会長が決めると言う事を無理矢理了承させました。」となり...
そして注目のトーナメントの抽選は
1回戦
180㎝150㎏の
ブヨブヨボクサー(ワールドワイズ)...ただし格闘技経験3ヶ月、対する我がジムのボクサーは
「森谷梅林」160㎝61㎏...こちらも格闘経験3ヶ月です
2回戦
テコンドーの達人(ワールドワイズ)(推定26歳)と我がジムのボクシングしかできない、1年間も練習から遠ざかっていてブランクがある
「マウンテン伊藤」です。
3回戦
「プロボクサー斉藤」(ワールドワイズ)と
極真空手経験5年以上の猛者(ワールドワイズ)
4回戦
シュートの達人(ワールドワイズ)打撃は自信がないが寝たら強いと自信満々の選手と、ボクシング経験3年以上で
プロボクサーを目指す高校生(ワールドワイズ)
1回戦は体重差が80㎏位違うので本来は危ないのですが...2人とも格闘経験が間もないという事なので、森谷のみヘッドギア着用というハンデを主催者にごりおしし奪い取り、3分2ラウンドの試合でした。このデブ、ボクシングのルールを知らないらしく投げてくるわ、押してくるわ、ビンタするわ、あげくあまりにパンチが当たらないので「うおーーーーーっ」....なんて雄叫びあげてもねー....
森谷の楽勝でした。(森谷はドラエモンの着ぐるみを着てドラエモンのテーマで入場しました。まーまーうけました)
2回戦は、相手はテコンドーの選手らしいんですが...インチキ臭い回し蹴りしてたのを避けたら、相手は後向いていたので、後からフック打ったらダウンしちゃって、立っては来ましたがレベルが違うからだと思いますが、会長から「後はボディて゛倒せ!」と言う指示を
マウンテンは素直に聞き、1発のボディブローで試合終了(マウンテンは笑点のテーマで入場しました。少しうけました)
3回戦はプロボクサー斉藤と極真空手の有段者の対決とあってこの日1番の盛り上がりの試合となりました。ヘッドギアも着けずに、ワンツーとローキックのドツキ合い....斉藤のモモが倍に腫れ上がり...フットワークも使えなくなり、ダウンも取られ「もう駄目かという所で見せた根性!」凄かったです....立ち上がって猛ラッシュかけて、2度ダウンを奪い返し....レフェリーストップ...この根性を日々の練習で見せられないものなんでしょうか
斉藤君....世界行けるよ...
4回戦は
シュートの子がワールドワイズのボクサーを寝かせて決めて秒殺でした
1回戦が終わった段階で行われた
チェリー岡崎と女子プロボクサーの公開スパーリングアトラクション...
これも話が先方に通って無くて...相手方が「着ぐるみ着た奴と何かやりたくない」「着ぐるみ脱げ」なんて言ってこられる始末...
チェリーはタラコ.タラコ..のテーマで入場し、音楽では微妙にうけたんですが....
スティッチが入場すると「しーーーーーーーーん。しーーーーーーーん......」...年齢層が高かったのでスティッチを知らないんです...
(試合後チェリーは会長に怒られていました「だからドラエモンにすればよかったんだよ、馬鹿ヤロー」「でもー...」と素直でないチェリーはいじけていました。)
2ラウンドの予定だったのですが、相手方から3ラウンドにして欲しいとの要望が...どうでも良い事なのでお受けしましたが...
始まってみると、やはり男と女のディフェンス、オフェンス技術が違いすぎ、スピードもまるで違い、...かみ合わないかみ合わない...手を抜くしかなかったんです....
1ラウンド終了後、何故か相手のセコンドがエキサイトして着ぐるみを取れと言ってきました。さらに、本気で殴りにきてくれと....困っちゃいますよ、ここまで話が違うと...だいたいチェリーの着ぐるみの中は、スッポンポンに空手用の小さいカップで愚息をカバーしているだけなんですから...着ぐるみ脱いで、女子と戦ったら、女性と、スッポンポンで股間にプラスチックのチンチンカバーだけで戦ったら、美女と変質者の戦いになってましたからねー...(ま、それでもよかったか)...
2ラウンドは「怪我させないように適当に軽く打ち合ったりしてみれば」と言って出してやり、チェリーが軽く当てたり、打たれてあげたりで多少お客さんも盛り上がっていってたんです。
2ラウンド終了後、さらに相手側セコンドから「大丈夫だから本気で来てくれ」との要望があり、色々な事で頭に来ていた私は「じゃージャブだけ本気で打ってあげろ」と嫌がるチェリーに指示してしまいました。
3ラウンド目は、正直、どっちらけでした、大人が子供をいじめているようで、見ている方もどっちら気、こちらサイドもどっちら気、チェリーもどっちら気...こういうのもきちんと最初に段取りして貰わないと...いやーーーな気持ちになりました...
そして準決勝....
一試合目は、うちのボクサー同士!(これも少し考えてくれよ主催者)
ガチンコでやらせる訳がありません体重もボクシングのレベルも全然違いますから...
プロレスのように台本を作り、練習させて、茶番試合をしてマウンテンの勝ちで決勝出場!...,(因みに入場曲は、マグナムが与作...森谷が飯島愛のパンパかバーン)
2試合目は天才ボクサー斉藤と、シュートの達人です。
優勝候補の斉藤君は1回戦で痛めた、モモにローキックを1発貰っただけでへたり込み、首を絞められ秒殺で抹殺されました...
そして、
決勝は我がジムのマウンテン伊藤とシュート君...
ここで問題になってくるのはルールです。マウンテン君は寝技なんてやった事無いですから...
当然私は、「蹴りはしょうがないけど、寝技無しのルールでやらせます。寝技なんて素人が何とかなるものではないです」と主張しました。でも相手のシュート君は、「僕から寝技取ったら何も残らないですよ、何とかして下さいよ」....
「パンチと蹴り出来るだろーが」「だから最初っから寝技があるなんて聞いていたらこっちはこんな所まで来てないんだよ」....と、主催者側に詰め寄ってしまいました。
そこにマウンテンが登場し、突然「寝技でも蹴りでも何でも良いですよ。寝技やらなかったら逃げたと思われたと思われるじゃないですか」...
この場でマウンテンを勝利させる為に一生懸命、戦っている私の立場も考えず...(本当にこの男も人の気持ちを分かる繊細な神経を持ち合わせていない人種なんですよねー)
で、マウンテンのイラン言葉で、まとまりそうだった話は壊れ、
寝技は15秒までと言うルールになりました。
ここまで来たら優勝しか狙っていない私にとって、このルール変更は納得いかないままでしたが、時間は止まってくれず...試合開始となりました。
伊藤は最後の曲はロッキーのアイ オブ ザ タイガーでノリノリ気合の入場!
相手のシュート君も賞品の車に釣られ気合入りまくり...
カーン!
前半は降着して、シュート君はマウンテンの出すジャブやストレートを貰わないようにタックルしようとするもバックステッブでかわすという展開...攻めてこなくなったシュート君に苛立ったマウンテンが、中盤強引に連打でしかけたが、タックルされ寝技に持ち込まれてしまいました。....ピーンチ...しかし意外にも寝技が出来るんですこの男...必死にもがきながら相手の首を取ろうとしたり...15秒間マウンテンが攻めたイメージでした...立たせられればこっちのもの、何発かパンチをヒットするも、また寝技に持ち込まれ...でも、しかし決められる様子はないんです。....また15秒経ち...スタンドで1ラウンド終了
そして2ラウンド、正直、マウンテンの独壇場でした立ってもパンチを繰り出しことごとくヒットさせ、倒されても逆に押していましたから、チョークスリーパーがもう少しで決まる所だったんです。で、ゴング....
判定となったんですが...当然勝ちはうちの...なんて思っていたら...
主催者が...ドロー!...延長3分間...
そして「延長では寝技の時間制限はありません」...だって...
「何で突然ルール変えるんだよ」....お客さんは盛り上がっていましたが、私は怒りに燃えていました。
そして、マウンテンに耳打ちしました「寝技なったらあいつの顔を目掛けて思いっきり殴れ!」マウンテンは「駄目なんじゃないですか?良いんですか?」なんて言ってましたが、「主催者が勝手にルールを変えやがったんだから何も問題はない、責任は俺が取るから大丈夫だ」...と言う事で延長戦に挑ませました。
延長戦にはいると、寝技が無制限なのでシュート君は初めからタックル狙いで腰を折った構えです、これではボクサーにとってパンチは届きません。でも、何とかパンチを当てようとした所にタックルされ...寝技に持ち込まれましたが....マウンテンの馬鹿力が炸裂し、マウントポジションを取ってしまったんです。...
そこからは、シュート君の顔面に岩石のような拳を思い切り振り下ろし...振り下ろし...振り下ろし...していたら、シュート君が目に涙をためて、「こんなの聞いてないよー」と泣きが入ってしまったんです....ここで試合終了かと思いきや、寝技無制限の筈なのに、スタンディングにさせ、主催者はまだやらせようとするんです。
熱くなったマウンテンをなだめ、「もう、勝ったんだから後は適当に時間つぶして終われば」という言葉に、マウンテンは「はい」と答え、ダメージでフラフラのシュート君の廻りをフットワークで回っていたら....そのまま試合終了...
そして、勝敗の判定なんですが....判定....判定....
なかなか出ないんです...
ついに激怒した会長が...
リングに登り...
ワールドワイズジムの会長に向かって
「てめー、再延長なんて考えてねーだろーな!この子ら何ラウンド戦ったんだよ。少しは選手の事考えろよ、」と言ってしまいました...
そしたら...また時間が経ち....「まさか、うちが負けたのか、」...なんて言う怒りがわき起こってきた、その時...
顔が引きつったワールドワイズジムの会長が...
「えー....またドローなんです...で、勝敗はジャンケンという事にしまーす」....だって
チャンチャン...
会場全体ドン引きの中...今まで死闘を繰り広げていた2人がリングの上で...
「最初はグー...ジャーンケーンポーン」
..............でした。
パーで勝ったのはシュート君でした。シュート君は中古車ではありますが、「フォルクスワーゲン.ゴルフ」とでかいトロフィーを貰い、颯爽と帰っていきました....
試合には負けていないのにジャンケンに負けたマウンテン君は...米とビールとジュースを持ちきれない程貰い...「こっちの方が良いですよ」と目に涙を貯めながら、負け惜しみを言っておりました。結局ジャンケンで負けただけなんですけどね...
主催者さーーーん。やるんならちゃんとやろーよ...