長い間天気が悪かった。もう青空は戻ってこないんじゃないかと思ったりした。でもようやく開けた青い空。心は躍ったが、現実のスケジュールはなかなかそれに合わせてくれない。晴天を2回やり過ごした後の昨日、朝から晴れている。よし、今夜は星を撮るぞと出勤前に決めてカメラを車に入れた。
仕事が終わるのを待ちかねて車を走らせ、みかんの丘に着いた時、時計の針は午後8時を少し回っていた。エチオピアの美女アンドロメダ姫が出迎えてくれる。竹取庵の屋根を開けて望遠鏡にカメラをセット。今日狙うのはほぼ真南に浮かぶみずがめ座の惑星状星雲「らせん」だ。この星雲は、僕らの太陽と同じくらいの大きさの恒星が一生を終えて爆発した姿だと言う。距離650光年と地球に一番近く、調査もいろいろ進んでいる。星雲のガスを放出して縮んだ中心の星の周りに、最近塵の円盤が見つかった。そこからはX線も出ていると言う。爆風を受けた中心星の近くには、もう何も残っていないはずだった。天文学者たちの推測では、爆発の影響をほとんど受けなかった恒星系辺境の彗星たちが今、重力の均衡を失って中心星に落ち込んでいるのではないか。X線はその時失われた位置のエネルギーの代償だと言う。
星の死後、みなし児とも言えるほうき星たちがX線を発しながら、元の星の骸(むくろ)へと次々に落ちてゆく。それはまるで、母の死を悲しんで、泣きながらその後を追う子供達にも見える。「らせん」。そんなタイトルの映画も有った。ただ、星の死には怨念も悲しみも無い。有るのは次の生への希望だけだ。
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ホラーとして有名なこのお話、鈴木光司さんの原作本は、しっぽなにとって、怨念の物語というより、ファンタジーでした。
原作では、「らせん」の続きが「ループ」。
「ループ」は、しっぽなには難解なところも多々ありましたが、最後は、切ないけれど、生命への希望が感じられる、ホラーとは、ほど遠い内容でした。
これをきっかけに鈴木光司さんの作品をいくつか読ませていただきましたが、どれも、面白かったです。
もしも、読まれていて、解釈が違ったら、ごめんなさい。
リコメは無し、でいいです。