惑星の表面から見た母恒星とその惑星の衛星が、大きさも形も全く同じ。そんな偶然の一致がこの広大な宇宙にどれくらい存在できるのだろう。地球と太陽と月。その奇跡のような位置関係が織り成す天体ショー「皆既日食」を見るため、今月20日にみかんの丘を離れて飛行機に乗った。行く先は上海だ。
月の影が落ちるのはインド西部から太平洋の真ん中辺りまで。上海はその旅程の真ん中より少し手前にある。皆既日食はけっこう頻繁に起こるが、これまでは日本から遠くてそこに行くための時間も費用も捻り出すのは難しかった。それが今度は手の届くところで起こるのだ。心がおどった。
ただ出発の前、友人の気象予報士がすまなそうに言う。
「天気が悪いかもしれません。」
「どうして、梅雨明けたんじゃないの。」
「それが、太平洋高気圧が、ちょうどこの頃勢力弱めるんです。」
月の影が落ちるのはインド西部から太平洋の真ん中辺りまで。上海はその旅程の真ん中より少し手前にある。皆既日食はけっこう頻繁に起こるが、これまでは日本から遠くてそこに行くための時間も費用も捻り出すのは難しかった。それが今度は手の届くところで起こるのだ。心がおどった。
ただ出発の前、友人の気象予報士がすまなそうに言う。
「天気が悪いかもしれません。」
「どうして、梅雨明けたんじゃないの。」
「それが、太平洋高気圧が、ちょうどこの頃勢力弱めるんです。」