タイガーのFun-Loving Way of Life

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村上春樹さんの「海辺のカフカ」:心を浸されました。

2009年07月29日 | 読書
村上春樹さんの「1Q84]が大ベストセラーになっています。
イスラエルでの授賞式で、「イスラエル批判」のスピーチを行った勇気、
それも今回の大人気の大きな要因かもしれません。
 それで、以前から買ってあった「海辺のカフカ」を読んでみました。
最初のうちは、なかなか入れこめない状態でしたが、下巻に入っていくと
引き込まれて、ぐいぐい読んでしまい、今は主人公達、15歳の家出少年・
田村カフカ君、カフカ君が好きになる50歳の佐伯さんという素敵な女性
(少女時代の最高の恋人の世界に埋もれています)、ナカタさんという
戦争時代に超常現象に遭遇した結果、智恵をなくし猫との会話が出来る
おじいさん、そのおじいさんを助けるトラック野郎の星野さん、高松の
図書館を預かる大島さんという性不明の静かな存在 などなど全員が
好きになっています。何故か優しさが流れている小説、若い人には是非
読んで欲しい自己確立を描いているような思いもしています。
 カフカ君は、自分を捨てたお母さんとかぶせあいながら佐伯さんを好き
になり、交わります。佐伯さんの愛した人への思いの深さには感動し、
また様々な経験の後での静かな姿には、私もすっかり好きになってしまい
ました。カフカ君15歳がライバルです(笑)。
 久しぶりに読み終わった後も感動と好きだ!という想いが心に響く小説
でした。春樹さんの翻訳ものも是非読みたいと思います。

 カフカは不条理な小説で有名なフランツ・カフカとの関連、かつチェコ語で
カフカはからすという意味だそうです。
 村上さんの小説は、とても読みやすい日本語です。素敵な言葉や文章も
多く散りばめられています。是非、読んでみてください。