Single『ヒロイン』/BUCK-TICK(1997年11月12日発売)
Album『SEXY STREAM LINER』/BUCK-TICK(1997年12月10日発売)
参加楽曲
Single:全2曲参加
Album:全楽曲参加
横メモ
<BUCK-TICK>がレコード会社を移籍しスタッフさんが変わる中、直接事務所から今回のお誘いを受けました。(感謝です)
長年ご一緒だったTさんがいらっしゃらない環境の中、97年の夏に山中湖合宿レコーディングからスタートしました。
初日に事務所集合でチャーターバスに乗ってスタジオに行ったのですが(ちょっと遠足気分^^)、道中今井さんは当時購入したオープンカーで颯爽と中央道を突き抜けていったのが印象的でした。(ブルーの髑髏アロハシャツと、ピンと伸びた両腕^^)
スタジオにつく頃に虹が出ていて、その下をくぐった時「今回は何か自分にとっても大きな作品になる」予感がしました。
今作の今井さんのデモテープは、生ドラムに絡む打ち込みのリズム(ドラムンベース的、もしくはドリルンベース的)が多く入っていたので、作業量は大変でした。
仮り音の打ち込みパターンを最初に創り、それを聴きながらアニイさんとユウタさんの録音をする。
テイクが決定したら(今回からリズムPにベーシストの<奈良敏博>さんがジャッジしています。この時はあまりお話出来ませんでしたが、今後の自分にとって大きな出会いでした^^)、それに併せて僕の本番の音に差し替える、という感じでリズムを完成させていきました。
ギターもある程度録音したら残りは都内でダビングする予定だったので、この合宿時の僕はリズムの打ち込みに集中してました。
この合宿時ですが・・・
毎日毎日終わったら楽しい酒宴です(^^)。
ビールから始まり、バーボンにって感じだったので、途中から「今日は酒抜きたい」と思った事もありましたが・・・無理でした(^^;)。
事務所のマネージャーが都内に戻る日があった時、アサキちゃんを(有無も言わさず^^)合宿場に招待して1週間滞在していった事もありました。
そんなある1日、「今日はオフにしよう」という事になりヒデさんは釣りに行くなど皆さんリフレッシュされる中・・・
今井さんの手に持った缶ビールたちを見て、「オフは無いなぁ」と思いました。
「アサキちゃん、なんか歌ってよ♪」という今井さんの一言でスタジオに入り、ワイワイやっていました。
そしたらアニイさんが入ってきて「録音しよう!」って事になりました(^^)。
ここにアニイプロデュースの幻のバンド<ヴァヤリース>が誕生し、60分カセットたっぷりのマスターが出来上がりました。
(多分僕が保管していると思います。ここでオペラ歌手が誕生しました。探して聴いてみたい^^)
思い入れの強いアルバムなので(書き出したら長くなっちゃうので^^;)、抜粋した僕目線楽曲解説を・・・
1:『タナトス』
1分近いイントロや間奏は、打ち込みの自由時間です。ゾクゾク感を意識しました。
この中で、ハイハットのチキチキした音があるのですが、シンセっぽいの音に変化します。
これは今の機材だと創りにくい技なので、個人的には地味なのに派手な音です。
あとは、今井さんギターパートを自分のモーグシンセのフィルターに通して録音し直しました。
後半に出来上がった曲です。
2:『SEXY STREAM LINER』
このインスト曲は一番最後に今井さんとアシスタントエンジニアA君(これがきっかけで某氏ソロの録音時に紹介させてもらいました)で創りました。
まず3つのドラムキット的なのを創って(同じドラムパターンでも音色が違う)、玩具のマイクに通して録音などもしました。
今井さんのギターが入った時はこの音色のドラム、という風にコラージュ的な切り替えをバシバシしました。
(今は画面上で出来るから楽ですが、この時はまだ「トリガー(ゲート)信号」を使って創りました。)
録音途中、スタジオに誰かが爆竹を投げ込んだ日がありました(いけませんよ!)。
その音を二人で聴いた瞬間に「リズムにしよう♪」と閃き、スタッフさんに買ってきてもらってトイレでならし、スネアの一部として活用しました。
シンセのSEQが次曲のギターのリフだと知ったのは、完成してからでした。(^^;)
3:『ヒロイン』
ドラムに絡む打ち込みを意識した曲です。
打ち込みだけだとドラムンベースになりやすいでしょうが、バンド主体のビートですからやっぱり大変です。
間奏のチキチキチャカチャカいってる部分は、櫻井さんの「おまえとひとつだ」という声を素材に、ドリルンベース風にしました。(前曲にも入ってます)
イントロのシンセは、元々デモでは2オクターブ低いものでしたが、高周波に変えました(^^)。
4:『無知の涙』
この曲も打ち込みが多いですが、結構メイン(イントロやサビ)で入っているパーカッシブな音は最後まで悩みました。
6:『螺旋虫』
シングルでは打ち込みメインのヴァージョンですが、アルバムではバンドアレンジです。
シンセパッドの音色に満足してます。
キラキラ飛んでる音色はモーグを使って手動で録音しました。
9:『迦陵頻伽』
ユウタさんフレットレスベースが気持ち良い曲です。
そして摩訶不思議な雰囲気を醸し出しているシンセですが、全て今井さんのギターシンセです。
僕はパーカッシブな音とSEQを担当しました。
10:『MY FUCKIN' VALENTINE』
生ベースとシンセベースの共存がいつも僕のテーマですが、この曲もその一つでした。
今回からギターとベースのスタッフとしてMさんが入り、より音が強力になりました。
「自分音色がどうしても高い周波数にしないと聞こえてこない、でもシンベは低くないと」というジレンマに陥りました。
(出来には満足しています^^)
12:『キミガシン..ダラ』
この曲のBメロは確かデモでは違っていたと記憶しています。
曲順を決める時に、「この曲が最後がいいなぁ」と言わせてもらったのですが通ったので嬉しかったです。
サンプラーをかなり多用して、自分の少ない機材をフル活用して創りました。
今回もやはり実験が出来、たくさん学んで、楽しくも辛くて良い経験をさせてもらいました。
打ち込みを多様してますが(聴き直してみて思いましたが)、やっぱりバクチクというバンドサウンドだと思いました。
5人の作り出す表現は、唯一無二なんでしょうね。
僕にとってまた、思い入れのある大切な作品になりました。
新たに飛び出す勇気は大事だと思うのでした。・・・つづく
Album『SEXY STREAM LINER』/BUCK-TICK(1997年12月10日発売)
参加楽曲
Single:全2曲参加
Album:全楽曲参加
横メモ
<BUCK-TICK>がレコード会社を移籍しスタッフさんが変わる中、直接事務所から今回のお誘いを受けました。(感謝です)
長年ご一緒だったTさんがいらっしゃらない環境の中、97年の夏に山中湖合宿レコーディングからスタートしました。
初日に事務所集合でチャーターバスに乗ってスタジオに行ったのですが(ちょっと遠足気分^^)、道中今井さんは当時購入したオープンカーで颯爽と中央道を突き抜けていったのが印象的でした。(ブルーの髑髏アロハシャツと、ピンと伸びた両腕^^)
スタジオにつく頃に虹が出ていて、その下をくぐった時「今回は何か自分にとっても大きな作品になる」予感がしました。
今作の今井さんのデモテープは、生ドラムに絡む打ち込みのリズム(ドラムンベース的、もしくはドリルンベース的)が多く入っていたので、作業量は大変でした。
仮り音の打ち込みパターンを最初に創り、それを聴きながらアニイさんとユウタさんの録音をする。
テイクが決定したら(今回からリズムPにベーシストの<奈良敏博>さんがジャッジしています。この時はあまりお話出来ませんでしたが、今後の自分にとって大きな出会いでした^^)、それに併せて僕の本番の音に差し替える、という感じでリズムを完成させていきました。
ギターもある程度録音したら残りは都内でダビングする予定だったので、この合宿時の僕はリズムの打ち込みに集中してました。
この合宿時ですが・・・
毎日毎日終わったら楽しい酒宴です(^^)。
ビールから始まり、バーボンにって感じだったので、途中から「今日は酒抜きたい」と思った事もありましたが・・・無理でした(^^;)。
事務所のマネージャーが都内に戻る日があった時、アサキちゃんを(有無も言わさず^^)合宿場に招待して1週間滞在していった事もありました。
そんなある1日、「今日はオフにしよう」という事になりヒデさんは釣りに行くなど皆さんリフレッシュされる中・・・
今井さんの手に持った缶ビールたちを見て、「オフは無いなぁ」と思いました。
「アサキちゃん、なんか歌ってよ♪」という今井さんの一言でスタジオに入り、ワイワイやっていました。
そしたらアニイさんが入ってきて「録音しよう!」って事になりました(^^)。
ここにアニイプロデュースの幻のバンド<ヴァヤリース>が誕生し、60分カセットたっぷりのマスターが出来上がりました。
(多分僕が保管していると思います。ここでオペラ歌手が誕生しました。探して聴いてみたい^^)
思い入れの強いアルバムなので(書き出したら長くなっちゃうので^^;)、抜粋した僕目線楽曲解説を・・・
1:『タナトス』
1分近いイントロや間奏は、打ち込みの自由時間です。ゾクゾク感を意識しました。
この中で、ハイハットのチキチキした音があるのですが、シンセっぽいの音に変化します。
これは今の機材だと創りにくい技なので、個人的には地味なのに派手な音です。
あとは、今井さんギターパートを自分のモーグシンセのフィルターに通して録音し直しました。
後半に出来上がった曲です。
2:『SEXY STREAM LINER』
このインスト曲は一番最後に今井さんとアシスタントエンジニアA君(これがきっかけで某氏ソロの録音時に紹介させてもらいました)で創りました。
まず3つのドラムキット的なのを創って(同じドラムパターンでも音色が違う)、玩具のマイクに通して録音などもしました。
今井さんのギターが入った時はこの音色のドラム、という風にコラージュ的な切り替えをバシバシしました。
(今は画面上で出来るから楽ですが、この時はまだ「トリガー(ゲート)信号」を使って創りました。)
録音途中、スタジオに誰かが爆竹を投げ込んだ日がありました(いけませんよ!)。
その音を二人で聴いた瞬間に「リズムにしよう♪」と閃き、スタッフさんに買ってきてもらってトイレでならし、スネアの一部として活用しました。
シンセのSEQが次曲のギターのリフだと知ったのは、完成してからでした。(^^;)
3:『ヒロイン』
ドラムに絡む打ち込みを意識した曲です。
打ち込みだけだとドラムンベースになりやすいでしょうが、バンド主体のビートですからやっぱり大変です。
間奏のチキチキチャカチャカいってる部分は、櫻井さんの「おまえとひとつだ」という声を素材に、ドリルンベース風にしました。(前曲にも入ってます)
イントロのシンセは、元々デモでは2オクターブ低いものでしたが、高周波に変えました(^^)。
4:『無知の涙』
この曲も打ち込みが多いですが、結構メイン(イントロやサビ)で入っているパーカッシブな音は最後まで悩みました。
6:『螺旋虫』
シングルでは打ち込みメインのヴァージョンですが、アルバムではバンドアレンジです。
シンセパッドの音色に満足してます。
キラキラ飛んでる音色はモーグを使って手動で録音しました。
9:『迦陵頻伽』
ユウタさんフレットレスベースが気持ち良い曲です。
そして摩訶不思議な雰囲気を醸し出しているシンセですが、全て今井さんのギターシンセです。
僕はパーカッシブな音とSEQを担当しました。
10:『MY FUCKIN' VALENTINE』
生ベースとシンセベースの共存がいつも僕のテーマですが、この曲もその一つでした。
今回からギターとベースのスタッフとしてMさんが入り、より音が強力になりました。
「自分音色がどうしても高い周波数にしないと聞こえてこない、でもシンベは低くないと」というジレンマに陥りました。
(出来には満足しています^^)
12:『キミガシン..ダラ』
この曲のBメロは確かデモでは違っていたと記憶しています。
曲順を決める時に、「この曲が最後がいいなぁ」と言わせてもらったのですが通ったので嬉しかったです。
サンプラーをかなり多用して、自分の少ない機材をフル活用して創りました。
今回もやはり実験が出来、たくさん学んで、楽しくも辛くて良い経験をさせてもらいました。
打ち込みを多様してますが(聴き直してみて思いましたが)、やっぱりバクチクというバンドサウンドだと思いました。
5人の作り出す表現は、唯一無二なんでしょうね。
僕にとってまた、思い入れのある大切な作品になりました。
新たに飛び出す勇気は大事だと思うのでした。・・・つづく