goo blog サービス終了のお知らせ 

Think Yokoyama Weblog

50代のお部屋へようこそ…

お昼寝

2010-09-27 19:52:29 | 子噺し
ある日少年が学校から帰ってくると、お母さんに「少し寝なさい」と言われました。
「なんでだろう?」
そう思いながらも言う通りに布団に入って寝ました。
すると起きた頃には熱が上がっていました。

ある時も「少し寝なさい」と言われ、その通りにすると夜に熱が出ました。

「なんで寝ると熱が出るんだろう?学校休めるから嬉しいけど・・」

その都度病院に行っていたので、何度も通っていたらそのうち少年はある言葉を覚えました。

『扁桃腺肥大』

「へんとーせんっていうのが大きくなったら熱が出るんだ」

行く病院には、少年にとって少し苦手なH君がいました。
なんと、彼も同じ症状で通っていたのでした。

「これを切れば熱が出なくなるんだよ。僕は今度切ってもらうけどね!」
彼は得意気でした。
「ヨコも切っちゃえばいいのに。」

でも少年は痛いのは怖いから切りたくないので、ずっとお薬で治していました。
・・・

しばらく経つとH君は手術を終えて学校に戻って来ました。
でも彼の声は「おふくろさんよ~♪」みたいだった。

少年は切らなくて良かったと思うのでした。
しかし、相変わらずお母さんが「寝なさい」という度に熱を出していました。


解説:小学低学年の頃のはなし。

 昼寝をすると熱が出ると思ってたくらいなもんでした。 
 具合が悪そうな状態を母親は毎回気が付いていたようです。

 ただ、次の日が休みの時は寝ないで過ごしました^^
 遊びに行けないのが嫌ですから♪
 でも案の定、熱が出て寝込んでました。

 未だに扁桃腺は残っています。
 大人になってから、仕事で知り合った人に「切ると身体からホントに楽になるよ」と言われました。
 そうなんでしょう・・・でもね^^;

 H君は多分その頃辛い時期を過ごしていたんだと思います。
 1年くらい経ったら元の声に治ってました。
 今ではハスキーな声にもあこがれはありますが、その頃の僕には早すぎる^^

 熱と残酷な記憶
コメント (6)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

さんかく

2010-08-22 20:07:50 | 子噺し
少年はある時気が付きました。

「あれ?僕の右膝小僧に飛び出した何かがある!」

お母さんに聞いたら「それはイボだよ」と教わりました。
痛くも痒くもないから少年は気にしませんでした。

しばらく経つと隣にもう一つ新しいイボが出来ました。

二個もあると少年は気になり始めました。
「お母さん、二つになったよ」
「そんなの、放っとけばいいのよ」
「ふ~ん」

いじりだす少年。

そしてまたしばらく経つと三個に増えました。
綺麗な正三角形。

「お母さん、また増えた。ほら、三角!」
「そんなに気になるなら病院に行くよ!」

病院の先生はメスというものを使って、少年のイボの一つを切りました。
「何するの!!!痛い!!!」
血が出たから少年はもう切らないでとお願いしました。

家に帰って二つ残っているイボを見てなんか変だと思い、一つを爪で引っ掻いてむしり取りました。

そしてしばらく経つと、残っていた一つは不思議と自然に消えていきました。

解説:小学生の時の話。
 この時のせいか知りませんが、算数の授業では円すいが好きでしたが、正三角形も好きでした。
 今でも右膝に綺麗な正三角形の凹みが残っています。

 徐々に増えていった時は気になりましたが、母親も気になったんだろうと思います^^

 3という数字には色々意味や力があるそうですが、イボの正三角形・・・
 不思議な力が世の中には存在するものです^^

 人体の不思議の記憶
コメント (7)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

スピードをあげて

2010-08-12 21:37:32 | 子噺し
少年の乗り慣れたオレンジ色のF1カー。
お気に入りの4輪車だ。
それまで乗っていた3輪車より見た目から速そうだ。

しかし小学生になった少年の視界から見る、自転車に乗っているまわりのお友だちの頭の位置は高い。
「そろそろ卒業かな・・・」

少年は自転車を買ってもらった。
「これでみんなと同じ位置だ。後ろに付いている小さな車輪がいいな」
この特別4輪車を得る事によって、少年の活動範囲はとても広くなりました。

お父さんとサイクリングをしていたある日、事件は起きました。

初めてやって来た道で、少年の前に姿を現した坂道。
直線の急斜面から右に曲がる道。
お父さんが先に下に降りました。
一度躊躇した少年ですが負けず嫌いなので、勇気を振り絞って降りました。

初めて体験するスピード。
「すごいぞ~。もう下に着いちゃった~。あっ!右にハンドルを切らないと~、あぁ~っ!!!」

ブレーキの存在も忘れスピードが付き過ぎた少年の自転車は、
右に曲がりたくても補助輪のせいで曲がれなく・・・
見事に顔面からアスファルトに突っ込みました。

少年にとって初めての事故
顔から擦り切れた左半身

しかし少年は涙と共に何故か興奮していました。

解説:4輪車は車に乗ってる感じが大人っぽくてボロボロになるまで乗ってました^^;
 自分で漕いだり友達に押してもらったり。
 でも普通に自転車に乗りたくなるものです。
 当然補助輪がなければ乗れないのですが、かなり乗り倒していました。
 しかしこの事故がきっかけでスピードの目覚めとともに補助輪無しを決意しました^^
 そして、あの坂をクリアしてやると!

 痛みを伴う高速移動の記憶

追記:さっきまで友達と一緒の出来事だと思ってましたが、父親でした^^
 思い出したので訂正します。 (22時47分)
コメント (8)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

個人戦

2010-05-26 18:15:00 | 子噺し
朝6時
「パン!パパパパーン!!」
小学校の校庭から花火の合図が鳴りました。
今日は運動会。

少年はかけっこが大好き。
お弁当を作って家族も応援に来てくれます。
少年はこの日を楽しみにしていました。

たくさんの人がグランドに集まり、運動会が始まりました。
赤組になった少年は、白組との抜きつ抜かれつの攻防に一喜一憂していました。

参加した競技で勝つとリボンを貰えました。
1位は赤、2位は青、3位は黄色といったふうに。
全く入らない玉入れや大玉転がしなど「ただ居るだけ参加」でしたが、少年の胸にはいくつもリボンがついてニコニコ顔。

ただし、少年は自分だけの勝負「徒競走」には気合いが入っていました。
「絶対1等賞を取って赤組が優勝するんだ」
6人ずつスタートしていく中、徐々に少年の番がやってきました。
「転ばない」


「やった~!!」
見事1等賞を取って胸に赤いリボンを付けてもらい、1位の旗の後ろに並びました。
すると僕の前には白組のH君が居ました。
彼は保育園の時に僕の粘土作品をタコに変えさせた恐い子。
「H君も1等賞なんだ・・・なんか面白くない・・・」

かけっこのライバル誕生でした。


解説:見事赤組が優勝して僕は「勝ち続けないといけない症候群」になりました^^;

 この季節の運動会と秋のマラソン大会が、僕の見せ場でした^^
 ただ、ワクワクしたのは4年生くらいまでで、その後は憂鬱になっていきました。
 騎馬戦とか棒倒しとか、あと恐い怖い応援練習が嫌で^^;

 H君との長い攻防はこの頃から始まりました^^

 好敵手の記憶
コメント (8)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

プロ

2010-05-06 14:41:56 | 子噺し
少年の近所には同い歳くらいのお友だちが沢山いました。
でも女の子。その女の子たちには妹がいました。
少年は一人っ子。

ミシンで裁縫しているお母さんにこっそりおねだりしてみました。
「弟が欲しい」
お母さんは「大変なのよ」と言って手が止まりました。

「ミシンで人形作るように出来るでしょ~。欲しい~。」

少年が初めて駄々をこねました。

その後・・・

少年の希望通り大きな大きな弟が産まれました。
みんなで喜びました。

少年は念願のお兄さんになったのでした。

解説:保育園の年長時に弟が産まれました。
 大変嬉しかったです。
 可愛がろうと手を出せば泣かれ^^;一生懸命でした。(その後、イジメた事多々あり・・・スマンm(_ _)m)

 今では立派に1男1女のパパ。一家の大黒柱ですからねぇ。すばらしい!
 君のお陰で僕は長男のくせに、こっちで音楽やれているのですよ♪
 身体に気を付けて、しっかり働きたまえ^3^vー~


 子供の名前が習字で神棚に飾られていたのを憶えています。
 二つ飾ってあって、一つは弟用、もう一つは妹用(当時は出て来るまで解らなかったので)。
 もし妹だったらという保険だったのでしょう^^

 でも・・・弟が欲しいって言って、妹だったらどうなっていたのでしょうか?
 まぁそれでも関係ないと思いますけど、親は大変だったでしょうね^^

 結果を出す者の記憶
コメント (6)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

メタル

2010-04-14 23:24:18 | 子噺し
少年が以前住んでいた家の真裏に、電車が走っていました。
少年は電車が通る音が大好きでした。
ガタンゴトン、ガタンゴトン・・・
近づいて来る音、目の前を通り過ぎる音、去って行く音。
たくさん通り過ぎるので、ずっと楽しんでいました。

引っ越して雪深い新しい家に住んでも、ちょっと遠くになったけど線路がありました。
電車の音が聞こえると一目散に向かって行きました。
でも線路の途中に大きな道路があったので、後ろから追いかけて来るお母さんにいつも引き戻されてしまいます。
「近くで通り過ぎる音を聞きたいのに・・・」

そんな少年の住んでいた所に変化が起こりました。
鉄筋の大きなアパートを作り始めたのです。
大きな鉄の塔が建って、「コーン、コーン、コーン」と繰り返し地面に打ち付けています。
ずっと鳴っています。繰り返し繰り返し・・・

少年はある時、気が付きました。
「コーンという前にシュッって音がする!このシュッって音がまた気持ち良いなぁ」
繰り返される金属音。
彼はいつもうっとり聞き入っているのでした。

少年にはまだそれが、テクノやインダストリアルミュージックの原型だとは気が付きませんでした。

解説:近くで聞くと騒音でしかない音。
 何故か規則性に惹かれていました。
 アート・オブ・ノイズ^^
 たまにリズムが狂うとイラッとしたりして^^;

 北高崎に住んでいた時は、裏に信越本線が通っていたので、かなりの電車量を楽しんでました♪
 引っ越してからは上越線の音。
 途中の国道17号線に阻まれ、(僕の行動にヒヤヒヤしている)母親に阻まれ^^中々近くでは堪能出来ませんでしたが、遠くから聞こえる音も楽しめました。(夜の貨物列車の通過音とか好き^^)

 その後アパートの建設ラッシュが始まり、結果順々に3棟建ったので相当の年数で堪能出来ました^^

 別の子守唄の記憶
コメント (6)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

うそ

2010-04-01 17:50:01 | 子噺し
少年は素直でいい子に育っていました。
友達もたくさん出来ました。
でも家や学校で女子の話をすると照れるので少し苦手でした。

ある日学校から帰ってくると少年は少しぎこちない様子。
カンのいいお母さんはすぐに気が付きました。チョコをもらったなと。

母「何か隠してるでしょう?」
少年「なんで!?」
母「いくつ貰えたの?」
少年「何が!?」
母「バレンタインでチョコ貰えたの?」
少年「貰ってないもん!」

少年は初めて母親に嘘をついてしまいました。

「なんでわかったのかなぁ??」
少年は不思議でしたが、絶対にバレないように机の引き出しにチョコを隠し、こっそり食べていました。
「おいしい♪絶対ヒミツ」

でも、食べた箱はきちんとゴミ箱にしまう素直な少年でした。

解説:小学3年のバレンタインの時の話。
 それ以前に小さな嘘はあったかもしれませんが、このことが印象に残っています。
 その後、色々な嘘をついていく人生になるわけですが^×^;
 嘘の無い世の中になれば素敵・・・か?・・・世界が凍り付くことになるでしょうかね?

 甘い罠の記憶
コメント (8)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

事件起きず

2010-03-28 21:47:04 | 子噺し
少年は作りかけの新しい鉄筋の校舎にやって来た。
4月から小学生。
その学校に入ることは決まっていたが、その前に簡単なテストを受けに来たのだ。

知能テスト
少年は積み木を使った問題が得意だった。
「この積み木はここに入れると・・・ほら入った!」
すっぽりハマるのが嬉しかった。
「もっといっぱいあったらいいのに」

無事テストは終了。
休憩時間に先生に場所を教えてもらったトイレに向かった少年。
「新しい校舎は嬉しいなぁ。来月からここに通うんだ。」
キョロキョロあちこち見ていたら、元の教室がわからなくなってしまいました。

ソワソワしている少年。

そこに優しいおねえさんが声をかけてくれて、無事戻って来れました。
「なんで同じようなお部屋なのにわかるんだろう?」

少年は期待と不安がいっぱいの新生活を楽しみにしていました。

解説:ちょうど南校舎といわれる校舎が木造から鉄筋へと工事中の時でした。
 ビニールに覆われた壁とか、ベニアで敷かれた廊下とかを憶えています。
 ペンキやら誇りっぽい工事中特有の匂いが、なんか好きでした^^

 そして今でも積み木系というか、パズル系ゲームが好きです。
 いただき物で「何個を使ってこれを作れ」みたいな立体ゲームも最後までやり遂げましたし^^
 (DSのソフトでお奨めないかなぁ・・・)

 困った時、女性が助けてくれるという理想的(情けない^^;)なタイミング・・・

 希望の記憶
コメント (5)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

探検家

2010-03-10 21:06:59 | 子噺し
少年は保育園に入る前から元気で、よくチョロチョロと動き回っていました。

お母さんと一緒にデパートへ買い物に出掛けたある日・・・
エスカレーターというものに乗って2階に上がりました。
初めて来た時はお母さんと一緒に乗っていましたが、少年はコツを掴むのが得意でした。
この日は勝手に一人でドンドン乗っていってしまいました。

乗る時と降りる時に楽しさを感じる少年。
「隣にもまだある!」
ウキウキしながら、繰り返し上っていく笑顔の少年。

そして事件が起こりました。
気が付くと少年は独りぼっち・・・

少年にとって、初めての迷子でした。

しかし彼は泣いてお母さんを探す事も無く、洋服の下に潜って「やっほ~!」と言いながら遊んでいました。
その声を頼りに急いで駆けつける少年のお母さん。

少年はこの時既に、自らの道を模索し始めたかのようでした。

解説:2~3才の時、北高崎に住んでいた時の話です。
 この頃、円盤形のスカイラウンジがある建物とか、カッパピアとかを覚えています。

 一人でタッタカタッタカ歩くのが好きでした^^
 引っ越してからも何度か迷子になりました。
 病院に誰だったかのお見舞いに行く時に、一人でエレベーターに乗って行き先に着いたけど誰も来てなくて、戻ったら誰もいないから看護婦さん達のいる部屋で遊んでもらったりとか^^;

 最初の親離れの記憶
コメント (4)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

聖バレンタイン

2010-02-14 21:39:01 | 子噺し
1時間目が終わり、休み時間に少年は教室を離れトイレに向かった。
戻ってきて次の授業の教科書を出そうと机の中に手を入れると何やらぶつかった。

「???」
覗き込んでみると何か入っている。
取り出してみると綺麗にラッピングされた小さな箱。
「あれ?チョコレートだ♪」

少年は初めて2月14日にチョコレートを貰ったのだ。

急にソワソワしだす少年。
「他の男子は貰ったのかな?」
嬉しさで授業も上の空になる。
「はずかしいから内緒にしておこう♪」
「トイレに行ってたらもっと貰えるかな?」

少年は調子に乗りやすいタイプでした。
そして休み時間になる度に、無駄に席を外してトイレに向かうのでした。

解説:確か小学3年の時、初めて女子からチョコを頂きました^^
 名前は書いてなかったので、誰からかはわかりませんでしたが、嬉しかったです。
 この時は結局その時の1個だけでした。(無駄にトイレが近かった少年^^;)

 小学生の時はバレたら冷やかされるので、ずっと友達には黙ってました。
 家に持って帰っても親にも言わず、こっそり机の引き出しに入れてチマチマ食べていました^^

 翌年迎える絶頂期(^^;)とその後の転落期の話もありますが、とりあえず省略します^^

 人生の甘みを知った記憶
コメント (6)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする