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Think Yokoyama Weblog

50代のお部屋へようこそ…

冬の迷い路

2010-02-08 21:24:40 | 子噺し
少年の住んでいる所は雪が深い。
家の周りの広い広場には3Mは積もっている。

少年は今日もスコップを持って遊びに出た。
彼は雪の壁を見るとトンネルを掘りたくなるのだ。
お父さんの仕事がトンネル工事だった影響もあるのだろうか?
今日もまたトンネル堀りに精を出す。

少年はトンネルを掘り進んで、ふと思い階段を作って地上に出てみた。
「立体交差って凄いな!」
地上(雪上)は道を造れば楽だ。
でもそれだけでは芸が無い。
また地下に潜る道を創ってみる。
「分かれ道も欲しいな!」
「あそことここをトンネルで繋げてみよう!!」
彼の作る巨大な迷路が姿を表し始めました。

するとある日からその光景を見ていた近所のお友だちが1人2人と集まってくるようになりました。
一緒に迷路を作って、その迷路で鬼ごっこをして遊びました。

解説:小学校の頃の話。
 アパートに住んでいたのですが、裏の敷地で冬には迷路を(掘って)創っていました。
 僕は何故か迷路が大好きです。
 これは冬だから出来る迷路遊びです^^
 まだ季節やシチュエーションによって迷路遊びのやり方があります^^;
 いつもでしたが、1人でやり始めていつしか皆がその迷路遊びに参加していました。

 この歳になっても雪深い地元で雪壁を見たら、ムズムズしました^^

 労働から遊び(楽しみ)への記憶
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おどり

2010-01-14 22:23:47 | 子噺し
少年の通っている保育所で「お遊戯会」が迫ってきました。
お父さんやお母さんが観に来る一大イベントです。

少年はウキウキしていました。
「どんな役をするんだろう??」

先生が「ユリ組は桃太郎をやりま~す」と言いました。
そして役が決められていき、その役の『着るもの』や『かぶるもの』を画用紙に書いて、色を塗り、はさみで切って作るのでした。
少年は絵本を手本にして、自分の付けるものを一生懸命つくりました。
「上手く出来た!」

そして、みんなで踊りの練習が始まりました。
少年はコツを掴むのが上手いようで、とても輝いて踊っていました。

そして発表の日

お母さんに役を内緒にしていた少年。
「お母さん、びっくりするかな?」

ステージの真ん中に立った少年は、ピンクの大きな桃を頭に付けて、ちょろちょろ踊っていました。
少年にとって初めての主役です。
彼の顔は自信に満ちあふれていました。

いよいよクライマックスの時に事件がおこりました・・・

少年の桃がずり下がってきて、大事なお顔が見えなくなってしまいました。
直そうにも他のお友だちと手を繋いだ状態。
まさに桃になった少年・・・

直せず不本意なままカーテンがそっと閉まり、桃少年は輝きを失ったかわりに悔し涙を浮かべていましたとさ。

解説:この時は多分セリフは無かったと思います(少しはあったかもですが)。音楽に併せて踊る感じだったと記憶しています。
 母親はステージを観てビックリしていました^^b

 実家に写真が残っていたんですが、出演者みんなで最後に手を繋いで終わるところで僕の顔は桃に隠れていました^^;
 悔しかったですねぇ。
 最後にケチをつけたくないものです^^

 天国と地獄の記憶
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ひかり号の終着駅

2010-01-06 17:56:34 | 子噺し
少年のお父さんは国鉄員、おじいさんも国鉄員。
その影響もあって少年は電車が大好きでした。

そんな少年の通う保育所では班分けがありました。
1班6人くらいで、自由時間には絵を描いたり積み木をしたりと、楽しい時間を過ごしていました。
この日は粘土遊び。
「ひかり号がいいかな?蒸気機関車がいいかな?」
ニコニコしながらモクモクと大好きな電車を作っていました。

その時事件は起きました。

年長組になってクラス替えをしたので、新しいお友だちが出来ました。
その中の男の子が突然僕に命令をしました。

「タコを作れ」

「???」

周りを見ると隣のお友だちは彼の命令通り、蛸に作り直しているではないですか!?
「僕は嫌だな・・・電車がいいもん」
少年は彼の言う事を無視しました。
少年にとって初めての「お友だちに反抗」でした。

しばらくするとまたその男の子は僕に「タコ作れ!」と言ってきました。
「やだ!」
「タコ作れ!!」
「やだ!」

果てしなく続くと思われる攻防。
すると彼は僕の出来かけの電車を「ぐちゃっ」と握り壊して改めて、
「タコ作れ」

・・・少年のひかり号は目の前で無惨な姿・・・

「Hくんなんて嫌いだ!でも恐いから・・・」
少年は諦めてぶつぶつ言いながらも、1本づつ足から作っていくのでした。

その日のHくんのお弁当に「タコさんウィンナー」が入っていたのを少年は見逃さなかったのでした。

解説:このH君との初対面の印象は最悪でした^^
 この事件で、「リーダーとは?」みたいな事に触れました。(暴君だったりして^×^)
 あと、自分の作品を全否定された時の何とも言えない怒りと悲しみとか^^;

 彼にはライバル心を持ってその後進んで行くのですが、今思うと大事な時に的確に道標を与えてくれたんだなぁと思います。
 マラソン大会の事や、文化祭でのバンドだったり、東京に出てからの事だったり・・・(追々登場すると思います)
 H君は大切な友です。
 でもこの事件では酷い奴です♪

 全否定からの創造の記憶
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メリークリスマス

2009-12-25 19:15:41 | 子噺し
家の中で父親がキラキラしたものを飾り付け始めました。
「クリスマスがあるんだよ」と教わりました。

少年が朝目覚めると、枕元に何かが置いてあった。
早速開けてみると、そこにはおもちゃが入ってあった。

嬉しくて布団から飛び起き、急いで両親の所へ行きました。
「おもちゃがあるよ~!!」
親はニコニコしながら、「いい子にしていたから、サンタさんがプレゼントをくれたんだよ」

少年は初めてサンタクロースの存在を知ったのだ。
「いつもいい子にしているよ!」

それから毎年12月になるとソワソワする毎日。
「今年も来てくれるかな?」

そんなある年、12月になると新聞にクリスマスプレゼントのおもちゃチラシが入っているのに気がつきました。
それを見るのが楽しい時間。
「このおもちゃいいなぁ~。あっ!これもいいなぁ・・・」
親にねだってみました。
すると「サンタさんに頼めば1つだけ貰えるかもよ~。いい子にしていたらね。」

少年は親がサンタクロースに僕の欲しいものを交渉出来る事を知りました。

それから毎年欲しいものをサンタさんから貰える様に、スクスク育って行きました。


解説:小学校の頃からプレゼントを貰い始めました。
 25日といえばもう楽しい冬休み。
 朝目を覚ましてプレゼントがあった時の嬉しさは忘れられません^^
 ず~っとず~っと遊んでて、最終的に「宿題しなさい!!」という感じでした^^;

 中学に入る頃まではサンタを信じていたと思います。
 知ったきっかけは、親が用意をしていたところを見ちゃったから^^
 ショックも無かったし、プレゼントを貰えて嬉しかったものです♪

 あったかい記憶
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ねこ

2009-12-20 22:59:20 | 子噺し
少年はいつもM子ちゃんと遊んでいました。
外で遊ぶ『おままごと』ではいつもお父さん。
少年は「砂ご飯」や「草のおかず」「泥水のお汁」などの手料理を出してもらっていました。
ミツバチに刺されて泣きながらも、『家庭科』を学んでいたのでした。

そんなある日・・・

いつものようにM子ちゃんちに遊びにいくと・・・
小さな音の出るモノがありました。

少年は初めて「電子ピアノ」という楽器を知りました。

M子ちゃんはどうやら近所で習っているらしい。
彼女が『ねこふんじゃった』という曲を弾いてくれました。
「僕も弾いてみたい・・・」

ず~っと弾けるようになるまで教わっていました。
「曲の中半で両手をクロスして弾くところがカッコイイ~」
遊びに行く度に弾かせてもらい、マスターした頃には演奏の虜になっていました。

母親に「僕も一緒に教室に通いたい!」と言いました。
少年の初めての自己主張でした。

後日教室をのぞきに行くと、「グランドピアノ」という楽器でM子ちゃんが弾いていました。
しかしふと隣に目を移すと、「エレクトーン」という楽器がありました。
「鍵盤が2個もある!?・・・なんかボタンとか沢山あるなぁ・・・あれ?下にも何か鍵盤みたいのがある!!」

少年は出逢ってしまいました。

実際触らせてもらったら、沢山のボタンの設定の仕方で音色が変わる事も知りました。
「カッコイイ・・・」

音楽の扉を開いたのでした。


解説:保育所に通っている頃の話。(音楽教室には、それから5年間通いました。)
 初の音楽体験は「ねこふんじゃった」という曲です。
 曲を知っていて弾いた事のある人はわかると思いますが、それまでベースラインを担当していた左手が9小節目から右手より上の音域でメロディーを弾くのです。
 だから手がクロスするわけです。
 そこがカッコイイと思っちゃったんです^^;

 あと、エレクトーンの衝撃が凄かったんです。
 未来的に感じました^^;
 何故か「ピアノは女の子の楽器」というイメージを持ってしまったんです(今でもピアノを習っておけば良かったと思います)。

 初自己主張(自発)の記憶。
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奇襲戦法

2009-12-16 17:14:35 | 子噺し
冬・・・少年の住んでいた場所は雪が深い。
自分の背の高さは優に越えて積もっている。

「今日も真っ白だ!!」
降り続く白い雪を眺めているのが少年は大好きだった。
「音がとても静かだ・・・」

ある日少年は親に「年賀状をポストに入れて来て」と頼まれた。
少年の家からポストまで、大人の足で雪道を考慮しても往復15分はかかるだろうか。

少年の雪原大冒険の始まりだ!
あっちふらふら、こっちふらふらしながら、一歩一歩確実に前進して行く。
力強い足取りである。

その途中で事件は起こった。

少年の行く手から何かが聴こえてきたのである。
「この声は、まさか?・・・イヌ!?!」
しかし前を見ても敵は見当たらないし、本来『犬』に付いているはずの人間も居ない。
確実に近づく激しい唸り声・・・
「ありえない・・・」

突如として少年の目の前に現れたのは、首輪すら付いていない白くて大きなイヌだった。
保護色・・・
敵は確実に少年の行く手を阻んで威嚇している。
今にも噛みつきそうだ・・・

勝負はあっけなかった。

少年は学んでいたのだ。

「引き返そう!」

一歩一歩確実に後進して行く。
力強い足取りである。
少年は清々しかった。

解説:『犬』完結編
 怪我せず戻って来ました^^;
 でも何故野良犬がいたのでしょうか?
 犬が苦手になってしまったダメ押し事件でした。
 (その後は平気になりましたが、僕は足にまとわりつかれ易い^^;ので、完全に犬になめられているのでしょう)

 年賀状はその後やっぱり親に「もう1度行って来なさい」と言われ出して来ました^^b
 (頼まれたら最後まで責任もってやりなさいという教育だったのでしょうか?)

 安全神話崩壊と、引き際の見極めの記憶
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芽生え

2009-12-08 13:03:43 | 子噺し
少年はいつもM子ちゃんと一緒に保育所に通っていた。
その道の途中には、少年の知っている犬とは違うモノがいた。
常に大声を出してくるのだ。

ある日事件は起こった。

お気に入りのウルトラマンの靴入れカバンを持って、いつもの様にM子ちゃんと家に帰る途中だった。
今日の犬はいつもと何かが違う。
しかも可動範囲が今日は広い。
僕らに最大限の威嚇をしてくるのである。
怯えるM子ちゃん・・・

少年に初めて「僕が守ってあげる~!」という感情が芽生えたのである。

「僕には正義の味方がついている」
思いっきり右手を振り上げた。
少年にとって初めての暴力行為である。

振り下ろしたウルトラマンは、そいつの口の中入った。
激しい引っ張り合い・・・
僕のウルトラマンは傷つき、連れ去られて行ってしまったのである。

完敗だ・・・
少年は涙が止まらなかった。
M子ちゃんに慰められながら、家路につくのであった。


解説:いつも吠えてくる犬がいて、通りたくないんだけどしょうがなかったんです^^;
 この出来事は色々と大きな事件でした。
 結局家に帰って泣いている僕の代わりにM子ちゃんが母親にこの事を言って、・・・どうしたんだっけ?
 一人で取り戻しに行かされたような^^;
 その時の記憶があまりありません。
 確か取りに行った時犬は居なくて、飼い主に返してもらったんだと思います。
 防衛と戦闘と挫折の記憶。
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マル

2009-11-29 14:15:11 | 子噺し
少年は初めて見たその動物を犬と知る。
大きくておとなしい犬。いつもおばさんがくっついている。
犬の名前は「マル」
少年が「マル~」と呼ぶと必ずおばさんが「はいよ~」と答える。
楽しくて「マル~」と繰り返し呼ぶと「はいよ~」と返ってくる。
おばさんの名前は「丸山さん」
「マル~」「はいよ~」「マル~」「はいよ~」・・・
少年にとっての憩いのひととき・・・
「犬はかわいいなぁ」

しかしその後少年にとって大きな事件が2つも待っていただなんて・・・

「犬が恐い」



解説:幼稚園(さくら保育所)に通っている頃、近所に小柄でいつもニコニコした丸山さんがいらして、犬の散歩をよくしていました。
 吠えないマルはおとなしくて賢そうでした。
 調子をこいた僕の「マル~」責めに、丸山さんはよく相手をしてくれたものです^^;
 穏やかな記憶
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