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ケイマン(987前期) with サラリーマン

注)この記事を参考に作業を行った場合の責任は当方は一切負いません。あくまで自己責任でお願いします。

ケイマン(987) リアゲートの軽量化 その3

2013年08月16日 | ポルシェ
さて、今日はリアゲートの軽量化その3回目、
板金部分の軽量化です。

結論から言います、この部分の軽量化はおすすめしません。
労力の割に軽量化量が少なすぎる・・・・・。
(注:このブログを参考に作業をした場合には当方は責任を一切負いません!!自己責任でお願いします!!)

先日ガラスを外したリアゲートについて、
板金部分を切り落として軽量化します。

まず軽量化前はこんな感じ。



このリアゲートの裏側の板金を、
実用上困らない範囲でどんどん切っていきます。

使うのはディスクグラインダー(サンダーって呼ばれることもありますね)とホールソー。

ディスクグラインダーは金属用のディスクにするのをお忘れなく。
私が今回つけたのはこちら。

ビクトリー 切断砥石 金属用 No.101

ディスクが薄いので、強度的に心配だったのですが、
作業中に割れたりもせず、ディスクが薄いので作業性が高くお勧めです。

そしてホールソーはこちら。

ユニカ 超硬ホールソー メタコア充電(MCJタイプ) 口径:24mm MCJ-24
ユニカ 超硬ホールソー メタコア充電(MCJタイプ) 口径:35mm MCJ-35

私が持っている電動ドリルが充電式のため、こちらを選びました。
耐久性も高く、今回24mm、35mmそれぞれ20個以上の穴を開けたんですが、
切削力の低下もなく、こちらもオススメです。
(作業自体はおすすめしませんが、工具としてです)

で、どんどん裏骨を切り飛ばし、穴をズバズバ開けていきます。

裏骨と格闘すること約5時間、
加工した状態がこれです。


かっこいいでしょ!!
軽減孔がズバズバ空いてて!!
40代の方にこの軽減孔がグッとくるんですよね。
その原因は絶対にミウラのベアシャシー。

1966年の3月にジュネーブショーに展示され、世界中の話題をさらったこのベアシャシーです。

この写真をスーパーカーブームの時に見ていた私は、
軽減孔(軽め孔)=高性能と刷り込まれてるんですね。


で、この穴(全部で50個以上空いています)で何キロ軽くなったでしょうか!!
なんと、たったの0.8kg・・・・・・・・。
1個辺りたったの15g。

最高気温35度を超える暑さの中、塩飴ナメナメ、フラフラになりながら開けた軽減孔がたったの800g。
正直、これはコスメティック目的の軽量化ですね。
見た目にはすごく軽そうなんですが。

というわけで、板金部分を切除しての軽量化は全くおすすめしません。
板金部分を軽量化するなら材料を置換しましょう。

リアゲートではカーボンリアゲートが発売されており、
これを取り付けると7kgの軽量化になるので、これが絶対オススメです。
(30万円ぐらいしますが)

軽減孔で0.8kg、その他裏骨を切っ飛ばしたことで1kg(こちらの作業時間はたったの30分)、
合計1.8kgになります。

リアゲートの軽量化は過去2回分(内装トリムとリアガラスの軽量化)と合わせて、
9.7kgの軽量化ができました。
目標はリアゲートで10kgなのであと0.3kgですが、ほぼ目標達成ですね。


本日までの軽量化量の合計は73.6kg。
目標まであと約100kgです。

でも、ほんと熱中症で倒れるかと思った。
みなさんも夏場の外作業はくれぐれもご注意ください。

ケイマン(987) グローブボックスの軽量化

2013年08月04日 | ポルシェ
本日はグローブボックスの軽量化です。

(注:このブログを参考に作業をした場合には当方は責任を一切負いません!!自己責任でお願いします!!)

グローブボックスってどこ??って人もいるでしょうか。
ではまず写真。


これはケイマンのグローブボックスで、ドリンクホルダーを開いた状態。
この助手席の前にある物入れがグローブボックスです。
元々は運転用の手袋(ドライビンググローブ)を入れておいたのでこのように呼ばれているそうです。


ただし、これ英語ではありません。
英語でグローブボックスというとこれ。

手を直接触れさせてはいけない溶剤の攪拌を行う際などに使う、
よく生物化学的な映画の実験室などで出てくるこれのことです。

ちなみに助手席の前にあるのは英語では「glove compartment」。

とにかく自動車の各部品の名前は和製英語が多いです。
なんでそんなに違っているのか不思議なぐらい。
私が話したことが多いのはアメリカ人なので米語かもしれませんが、日本語と違うものを列挙すると以下のようになります。

日本語       米語
ハンドル      ステアリングホイール
ルームミラー    リアビューミラー
サイドブレーキ   パーキングブレーキ、ハンドブレーキ
アクセルペダル   アクセラレーター、ガスペダル
ウインカー     ターンシグナル、フラッシャー
フロントガラス   ウインドシールド、ウインドスクリーン
クラクション    ホーン
(ほかにもあったと思うので、思い出したら追記しますね)


などなど。ことごとく違っている。
カタカナだからなおタチが悪い。
英語のように説明しても米人に全く通じないことが多々・・・。
本当に苦労します。

みなさん英語で自動車の部品を説明するときはまず通じない前提で、
絵を見せながら説明したほうがいいです。
海外から部品を買う場合などは特に注意です。
「ハンドル」を注文すると、「ステアリング」ではなく、
「ドアハンドル」が送られてきても全く不思議でもなんでもないです。


でグローブボックスですが、その外し方については、
「ケイマン グローブボックス 外し方」で検索すれば、とっても丁寧に説明しているページがあるので、
そちらを参照してください。


で外してみた部品はこんな感じ。

それぞれの重量は、
左下のドリンクホルダーが0.7kg。
右下のグローブボックスが2.6kg。
左上のインパネアンダーカバーはペラッペラで0.1kg。
ETCユニットが0.2kg。
その他インパネについてるツイーターが0.2kgでした。

一番の大物はグローブボックスですね。

で、グローブボックスとドリンクホルダーとツイーターは外すとして、
この部分で3.5kgの軽量化が可能です。

これでここまでの軽量化量は71.8kg。


次はセンターコンソールかな。

ポルシェ 純正リチウムイオンバッテリーについて

2013年07月31日 | ポルシェ
今日は軽量化ですが、自分のクルマを分解するんではない話を。

バッテリーです。

バッテリーの軽量化については、
バッテリーの小型化やドライバッテリーなど、過去から色々な取り組みがされています。

しかし、事バッテリーについてはポルシェが究極のアイテムをすでに世に出しております。
リチウムイオンバッテリーです。

このバッテリーは元々はGT2RS用に作られたものです。

GT2RSは997世代に設定された軽量版GT2です。
ポルシェは決して認めないでしょうが、この911は日産のGT-Rを倒すために作られました。

ニュルのラップタイムで日産GT-Rにまけたままではいられないポルシェは、これを叩きのめすために、
ターボからすでに140kg軽量化されているGT2をさらに70kg軽量化するために作られた部品の一つです。
(GT-Rと911の因縁はまたいずれ別の機会に)

その軽量化量はバッテリーの変更で10kg。素晴らしい効果です。
10kgといえばバンパーフェースとフードとフェンダーを全部カーボンにするのと同じぐらいの効果です。

「よーし、これを俺の車にもつけてやろう!!」
軽量化に一心不乱に取り組んでいる私であれば、もちろんそうなってしかるべき!!!!

・・・・・・・・・・・・・・・・・・

ならないんですよ、これが。
実はこの10kg軽量化にはいろいろ裏があって、おいそれと手を出すわけにはいかないんです。

実はこのバッテリー確かに軽いんですが、
その電力容量は18Ahしかないんです。小さ!!!

え??なんだかわからない???

このほにゃららAhっていうのは何ペアの電流を何時間流せるかという、
バッテリーの能力を表す値です。
ドイツでは一般に20時間電力量が使われていて、
18Ahということは、0.9アンペアの電流を20時間供給できるバッテリーということです。

では標準のバッテリーはいくつか。
私のケイマンで60Ah、ケイマンSなら70Ah程度、911なら80Ahが普通です。
GT3RSやGT2に通常積んでいるのは少し小さめの60Ah。
60Ahって言えば3アンペアの電流を20時間流せるということです。
なんとリチウムイオンバッテリーは通常のバッテリーの1/3以下の容量しかないんですよ。小さいでしょ!!

18Ahといえば、普通の鉛蓄電池でも、6、7kgしかないんです。
しかも18Ahといえば普通は2輪車用。
リチウムイオンだと電力の発生の特性が通常の鉛蓄電池と異なるのでしょうが、
それにしても小さすぎます!!
逆にこの小さい容量でスタータを回せる時点で驚異的なんでしょうが、
日常的にはとても使えません。



ではここで、バッテリーの容量について、
容量を決めているものはなんなのでしょう。
よく走行中の電力消費が多い場合は大きなバッテリーが必要だと言いますが、
走っているうちに電気をどんどん消耗していってしまうようなら、バッテリーを大きくしても無駄です。

これは少し考えてみればわかります。
バッテリーに電気が貯まるのはどんな状況でしょう。
それは走っている時です。
走っている時にどんどん電気が減っていってしまうなら、
走り初めより電気が増えることは絶対にありません。
止まっている時に別の電源で充電するようにするか、
オルタネーターの能力を増強しないとダメなんです。
つまり走行中の電力消費は、オルタネータの能力には関係しますが、
バッテリーの容量には関係しないのです!!!!
(オーディオのアンプを大きくしたら、必要なのはオルタネータの大型化です)


ではバッテリーの容量は何で決まっているのか。
それは充電されていない状態、つまり、駐車している状態での電力消費量と、
スターターを回せる電力量の合計値です。
この合計があらゆる温度環境で(バッテリーは寒いと効率が一気に低下。このため寒冷地仕様はバッテリーが大きい。)
安全率を持って対応できる容量に設定されています。


つまり駐車している期間がメーカーの想定を上回れば、
どんなに大きなバッテリーを積んでいてもバッテリー上がりを起こすのです。


ではどのような条件ならバッテリーを小型化できるのでしょう。
まず駐車状態での電力消費を減らすこと。
余計な機器をなるべく外すことも重要ですが、
最も効果的なのは駐車中はバッテリー端子を外しておくこと。
(この場合外すのはマイナス端子です)
ただ、セキュリティーも効かなくなるので、セキュリティのしっかりした車庫保管が不可欠ですが・・・・・。

さらに端子が繋がっていなくてもバッテリーは徐々に放電していきます。
いくら端子をつないでいなくてもいづれはバッテリー上がりを起こします。

この意味でドライバッテリーやリチウムイオンバッテリーを用いるのは効果的かもしれません。
これらのバッテリーは使っていない時の放電が鉛電池より少ないと言われていますので。


というわけで、残念ながら現在バッテリーによる軽量化の見通しはたっていません。
いずれ車庫保管になる日が来たら、28Ahぐらいのドライバッテリ-とキルスイッチをつけてみたいですが、
んー、そんな日は当分来そうもないですね。


最後にバッテリーについてもう一つ。
どんな種類のものでもバッテリーは消耗品です。
化学変化で電気を発生させている以上、性能が徐々に低下するのは不可避です。
みなさんも携帯のバッテリー(これはリチウムイオン)がだんだんダメになっていくのをよくご存知かと思います。
リチウムイオンバッテリーに50万,60万円かけて、しかも消耗品・・・・。
だったら半永久的に軽い状態と性能を維持できるターボ用アルミドアなどにお金をかけたほうがよさそうですね。

ケイマン 987 リアゲートの軽量化 その2

2013年07月26日 | ポルシェ
さて、本日はリアゲートの軽量化の続きです。
(リアゲートの前の記事はこちら

リアゲートのガラスを外してみます。
(注:このブログを参考に作業をした場合には当方は責任を一切負いません!!自己責任でお願いします!!)

使うのはピアノ線。要は丈夫な針金です。ガラスはリアゲートにゴムみたいな接着剤でついています。コレを針金で切っていくんです。ただ、どうしてもボディにこすれ傷ができるので、基本的には再塗装が前提になります。

まずピアノ線をガラスと板金の隙間につっこみます。これがなかなかはいらない。先端を微妙に曲げたりしてながら何度か挑戦し、やっとこ入りました。

後は二人がかりで両端を持ってひたすらギーコギーコ交互に引っ張って徐々に接着剤を切っていきます。

これがアラフォーには結構こたえる。ピアノ線をつかんでるプライヤーを持ってる握力が段々なくなって行きます。

そして格闘すること約2時間、やっと外れました!リアゲートだから何とかできましたがフロントは絶対無理ですね。プロに任せましょう。

で、外れた状態はこちら。

それぞれの重量は
リアゲートは15kg。
リアガラスが4.8kg。

リアガラスはアクリルに置き換えるとだいたい1/3の重さになるので、ここで3.2kgは稼げそうです。

後はこのリアゲートの板金も軽くしたいですね。軽め穴でもあけますか。
軽め穴は結構効かないんですよね。
でもやらないよりはもちろんましなはずなのでいずれやってみましょう。
(リアゲートの軽量化はまだ続きます)

本日の軽量化量は3.2kg。
ここまでの軽量化量は68.2kg。
まだまだいきますよ~。


ポルシェとビートルズ -「最新こそ最良」のワナ-

2013年07月24日 | ポルシェ
私はポルシェが好きになる前からのビートルズのファンです。
なので、クルマの中で聞くのは主にビートルズになります。

今日はちょっとわき道にそれますが、ビートルズの活動とポルシェの年式の比較をしてみましょう。


まずビートルズのメジャーデビューは1962年です。
1962年といえばポルシェはまだ356を販売していたころです。
VWの主力車種はポルシェが設計したVWタイプIで、
このころポルシェはVWから多額の設計料をもらっていたころです。
(ちなみにビートルは”BEETLE”、ビートルズは”BEATLES”でつづりが違う)
続いてビートルズがはじめてイギリスでNo.1ヒットを取った1963年は
もちろん911が901として発表された年ですね。

ビートルズがアメリカのビルボードヒットチャート(日本のオリコンチャートのようなもの)で
1位から5位を独占するという空前にして絶後の事件をおこし、
ビートルズ人気が世界的になったのは1964年です。
1964年といえば911の生産がやっと始まったころです。

ビートルズが日本にやってきたのは1966年。

羽田空港に降り立った4人

武道館でコンサートをやっているんですが、このときはじめて武道館をコンサート会場として使ったんです。
武道館ってその名のとおり本来の使われ方は格闘技場です。このため結構な抗議運動まで起こってます。
このころのポルシェといえば、まだまだ先端に「バンパー補強剤」という名の重りをつけていた状態です。

その後ビートルズはいくつかのアルバムをリリースしますが1969年の夏には事実上の解散状態となり、
1970年にベースのポール・マッカートニーのビートルズ脱退宣言をもって公式に解散となります。
1969年といえば911が2.2Lになった年です。

ビートルズ解散の約一年前に行われた最後のライブ演奏の様子

こう振り返ると、ビートルズがいかに古いものかがわかります。
911の2.2Lなんて、ちょっとかじっただけの人がおいそれと買えるもんではないですからね。

ですが、ビートルズの音楽を聴くと私は”古さ”というものは全く感じません。
ラジオなどで意図せず聞くたびにいつでも「なんていい曲なんだ」と思います。
新しいアルバムほどいい、などということももちろんありません。
ファーストアルバムには、ライブバンドとしての力強さが、
中期のアルバム(特にライブをやめてから)にはバンドスタイルにとらわれない自由さと複雑さが、
後期のアルバムには、高まる音楽性とすっきりとした曲調、それでいて複雑な構成という円熟感が、
それぞれの時代ごとによさあります。


「最新こそ最良」。
言い古されている感さえある、ポルシェ車についていつも言われるフレーズです。
ですが本当にそうなのでしょうか。

確かにある意味、工業製品としては新しいものほどいいし、
そうでなければエンジニアたちの努力は全くの徒労です。
ただそれは同時につらい考え方です。
「ポルシェが好きだし、ポルシェは最高だけど、俺のは最高じゃない」という考えだからです。

本当の富裕層であれば、毎年毎年ポルシェを買い替え、そのときの興味で車種やグレードを選び、
いつも「最良」を味わうことができるでしょう。
しかも実際にこれをやっている人が世界中に結構な数でいて、
これらの人々がポルシェの経営を支えているんです。
(中古でポルシェを買っている私がポルシェの生産台数に貢献することは決してない)


しかし、私にとっては2006年から2008年のケイマン2.7L・5MTというのはある意味最高の選択なのです。

なぜ最高なのか。
それはある基準でクルマを選んだときに、これに勝るクルマはないからです。

私がこのときに基準として考えたのは
 1.縦置きミッドシップ        →低重心、低ヨー慣性モーメント、高トラクション
 2.ハガネのクローズドボディ    →バネ感のある、一貫した挙動
 3.全幅1800mm以下         →公道でもたのしめる大きさ
です。

これらを満たした上で、普通に分解整備ができる、できるだけ軽い車を探しました。
そうすると2006年から2008年のケイマンの2.7L 5MTが最高なのです。
(他にはロータスヨーロッパ(旧)とルノー5ターボぐらいしかないし、ちょっと私には古すぎ。)


人の価値基準はどんどん変わっていきますし、
私にとっても今のクルマが最高でなくなるときもあるでしょう。
でも少なくとも夢中になって乗っていじってるときはこれが最高だと思ってかかわっていたいです。
皆さんも「自分のクルマが最高だ!!」と思える基準を考えてみてはいかがでしょう。