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フェルマーの最終定理(本)

2014-01-21 20:57:47 | 
これも正月ですが、フェルマーの最終定理を読みました。
DeNAの設立者南場智子さんのおすすめのの本です。
サイモン・シン著(青木薫訳):新潮文庫
フェルマーの最終定理(Fermat's Last Theorem)とはピタゴラスの定理の2乗をn乗にしてnが2より大きい場合にこの式を満足する整数解がないというものです。


わかりやすく書くと上記のようになります。
上がご存じ直角三角形におけるピタゴラスの定理(三平方の定理)で、下がフェルマーの最終定理における式で、nが3以上の自然数について整数解がないというもので、17世紀にフランスの天才数学者フェルマーが提唱したもの。
以来、たくさんの数学者が証明にチャレンジするもできません。
350年の時を経てイギリス人アンドリュー・ワイルズが証明を成し遂げるという物語。

フェルマー自身が、nが4の場合について、走り書きで証明していました。
その後オイラーという数学者がnが3の場合について証明、別の数学者が7についても証明
その後コンピュータがnが25000までについて証明し、さらにnが4000000(4百万)と証明していきますが、いくら大きな値でも有限な数で、証拠固めにばなっても無限大までの数について証明しとことにはなりません。

ここで日本人谷山豊と志村五郎が登場します。
戦後まもない1955年に日光の国際シンポジウムで谷山が「楕円方程式がどれかの保型形式(モジュラー形式)に関連する」という提唱をします。その理論を志村が支え、証拠固めをしていったので、この提案は「谷山・志村予想」と言われます。
発表当初、無視されていたのですが、次第に重要性が認識され、「もし谷山・志村予想が成り立てば・・・」という仮説が何百もでてきたそうです。
本人たちには残念ながら証明はできなかったのですね。

さらに二人の学者が谷山・志村予想が証明できれば、フェルマーの最終定理が証明できるということを証明します。

こうして、ワイルズ博士も「谷山・志村予想」の証明にとりかかり10年近くの歳月をがけてフェルマーの定理を攻略したのです。
最初の発表後(1993年)に問題が見つかり、挫折しそうになりながら、その問題を1年以上かけて解決する過程も素晴らしい!

この本は17年セミや、川の全長が始発点と終着点を結んだ直線距離の3倍強(π)になる、失恋のために時間を決めて自殺しようとして数学者が段取りが良すぎて時間があったので、数学の本を読み始め、ある学者の理論にギャップがあることを発見し、自殺どころではなくなり、のちにほとんどの遺産をフェルマーの定理の証明者の賞金にあてることにしたなど、興味深い記事もたくさんあります。地図の四色問題もでてきます。

著者がイギリス人ではありますが、インド系だったからでしょうか日本人に好意的に書かれているようで好感がもてました。
日本人は谷山、志村だけでなくほかにも出てきます。岩澤理論は最後の最後のワイルズの証明に貢献します。
訳者によるとこの本に載っていない日本人、肥田もワイルズの証明に本質的なところで寄与しているそうです。
最初の証明者かと騒がれたのも日本人宮岡洋一、矛盾点があり、証明失敗するも独自の価値を認められた。

こうしてみると日本人に数学は向いているのかもしれませんね。

ぜひ一度読んでみてください。面白いし、感動しますよ。
どこの図書館にもあると思います。






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1 コメント

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abc予想で証明できる?  (もののはじめのiina)
2022-10-27 08:49:38
超難問「フェルマーの最終定理」は、「abc予想」を使うとの長い証明を数行で証明できるらしいですょ。

京都大学数理解析研究所教授望月新一博士が考え出した「abc予想」は、理解するにはもう少し説明を求められる段階だそうではあります・・・。

当方も、よく理解できていません。
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