"ちょっと外から見た日本"

今、スペインに住んでいます。
大好きな日本のこと、
外からの視点で触れて見たいと思います。

“ブータン的である、ということ ビジョン、リーダー、そしてコミュニティ-”

2011-08-26 04:57:43 | 日記

日経ビジネスオンラインよりです。

以前の日記(http://blog.goo.ne.jp/tera-3/e/4a019b99d7db234aa9dbf3f95c364262)でも触れさせて頂いた、ブータン政府の首相フェローをされている御手洗 瑞子さんのコラムです。
 
ブータン公務員だより、最終回のタイトルは、
『ブータン的である、ということ ‐ビジョン、リーダー、そしてコミュニティ-』です。
 
こんなに小さくて、インドと中国という巨大な国に挟まれて、資源もあまりない国でありながら、独自のビジョンの下、国を運営して国民が自信満々に「どうよ、ブータン。いい国でしょ」と自慢できるのは、やはりすごいと思うのです。なぜそんな国の運営ができるのでしょうか。
 
そして、それに対する答えとして、ブータンを組織モデルとしてとらえて、特徴を4つ挙げています。

 
大変興味深い内容ですので、是非本文をお読みください。
 
1 GNH(国民総幸福度)という、国を運営する上での独自のビジョンを明確に持っている

2 グローバルに視野を開きながら自国の文化も深く理解し国の舵取りができる、驚くほど優秀なリーダーたちがいる
 
3 国民一人ひとりの「幸せ力」が強い
 
4 国全体が社会というよりコミュニティ

 
御手洗さんは、サイズという意味でも成熟度という意味でも、そんなベンチャー企業みたいなブータンと、大企業のような日本を単純に比較するのは、無茶な気がしま。”と前提をつけています。
 
私は、むしろ上記の4つのモデルは今の日本にとっても大変重要なことではないかと思っています。
 
 
1については、国のしっかりしたビジョンがあることによって、対外的に大きなブランド価値が生まれる一方で、国民には、生きがいや誇りを生み出しているということ、日本も多いに参考になることではないかと思います。
 
2については、“世界における自分たちの立ち位置をわきまえ、小国として生きていくために実に戦略的な舵取りをしている国です。そして、それができる「リーダー」たちが確実にいる国であると思いますという言葉が耳に痛いです。
 
3“「あるところにいて文句ばかり言う人は、別の場所に行ってもきっと文句ばかり言う。今いる場所で幸せを感じられる人は、別の場所に行ってもきっと幸せを感じることができる。そういうもんさ」
 
常に更にいいものを目指していくという姿勢、その愚直さは、日本人がこれからも大切にして行った方がいい点だと思いますが、それとは別の意味で、常に幸せな自分、そしてそのことについての感謝を忘れないということは大切なことなのではないかと思います。
 
 
人生、何かうまくいかないことがあれば、家族や友人の誰かが助けてくれる。お金が無くなれば友達の家に転がり込んだっていいし、故郷の村に帰ってもいい。その代わり、家族や友人が困っていたら自分も助ける。そのように、自分の属するコミュニティというものが、人生のセーフティネットになっているように見えます。ブータンでは、最終的にはコミュニティに守られてどうにか生きていけるのです。
 
311以後、日本では、“絆”という言葉が、よく聞かれるようになりました。
 
色々なコミュニティにおける絆、それはこれから益々重要性を帯びていくように思いますし、それは正しい方向だと思っています。
 

 ブータンのリーダーたちは、とても大変です。そんなのんきな国民が、幸せでいられるように、ありとあらゆることを考え、国の舵取りをしなくてはいけません。でも、国民の幸せのために何か施策を打ち出しても、国民の怠惰さゆえに実行に移せなかったりします。
 
首相が出席するミーティングに同席した時のことです。彼が「いいかい。できなかった言い訳というのは、100個も200個も思いつくものなんだ。だけれど、やらなくてはいけないことは、やらなくてはいけないんだよ。それはきみの仕事だから。分かるかい」と、まるで子供に言うように、スタッフに言い聞かせていました。その姿を見ていて、この国を運営していくのは本当に大変だとつくづく思いました。
ブータンの最大の強みはリーダーにある、と確信する首相の素晴らしい言葉ですね。

ブータンでは、世代を問わずリーダーが確実に育っているそうです。
 
御手洗さんのコラムやその雰囲気から、日本でもリーダーがちゃんと育っているのだと感じてうれしくなりました。